2013年 04月 20日
SuseStudio で作る最小の DNS/DHCP
susestudio.com にアクセスすると Novell, Facebook, Twitter といったアカウントで利用できます。
ということでここでは DNS/DHCP NTP SSH といった最小限必要な機能を必要としたアプライアンスを作ってみました。
Create New Appliance を選ぶと SUSE のいろいろなバージョンを選択できます。ここでは SLES11sp2 を選択してみました。SUSE Linux は一つのサブスクリプションで仮想インスタンスが無制限という太っ腹な制限で、しかもリポジトリの登録(Basic Support)なら2CPUソケット $375 と激安で、Linux 発祥の地、EU諸国で最大の顧客のエンタープライズビジネスを行っています。
蛇足ですが RedHat の最大利用都市は日本(千代田)です。(2013/4 Google Trend 調べ)お膝元アメリカでは NYC しかトップ10に入っていません。
さてこのスクリーンで好みのデスクトップと 32/64bit の選択をします。デフォルトは32ビットなので、ここではSLES11サーバx64 を選びました。
Software Screen では基本パッケージに追加で必要なパッケージを Search して追加できます。例えば DNS/DHP だけとか Apache だけとか Samba だけとかですね。
標準パッケージしか選べない点はちょっと残念です。
Configuration Screen では言語と地域の設定、IP の指定方法(ここでは Dualing Bootとしました)他のアイコンを開くと仮想ディスクのサイズなどを選ぶ項目が出てきます。仮想メモリは後でも実装時に変更できるので気にする必要はありませんが、ディスクサイズは一旦作った後、Version 0.2 で作り直すことも出来ます。追加言語で日本語を入れることができないのがちょっと残念でした。初期言語では選べます。
最後に Build 画面です。
ここで、 XEN 用アプライアンス、大手クラウド 用 Hyper-V 用 VMware 用などさまざまな用途にカスタマイズできます。
Build ボタンが Gray Out して押せない場合は、必要なパッケージが無いためです。
Software の画面に戻って、赤い警告をチェックします。どうやら、Startup でアドレスを決めるための Yast のモジュールが無かったようでした。
Build は数分から10分程度で終わります。Build スクリーンの下のほうに進捗バーが出てきます。ここでは170Mb程度の tar.gz 圧縮イメージが出来上がりました。ダウンロードして解凍します。raw ファイルをXEN に実装してアプライアンスを見てみましょう。
End user license agreement (EULA)許諾に "Yes"した後、ホスト名の設定画面が出てきました。
この後、IP の設定画面などが出てきます。
yast のカスタマセンターの機能で、購入したアクティベーションキーを登録します。
これでリポジトリが登録されます。
実際にどれくらいのサイズを使っているのでしょう
dns4:~ # df -h
Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on
rootfs 4.0G 581M 3.2G 16% /
udev 229M 68K 229M 1% /dev
tmpfs 229M 0 229M 0% /dev/shm
/dev/xvda1 4.0G 581M 3.2G 16% /
dns4:~ #
実際作ってみたら 4G も必要はなく、僅か581Mbで DNS/DHCP が作成できました。日本語の言語設定も入れればもう少し大きくなるのでしょうが、この目的ではまず必要になるケースもないので、これでよしとすれば、1G程度の仮想ディスクでも何とかなってしまうのでしょう。
仮想ディスクのサイズを1G程度に減らしてみても、ビルドには数分で終わりました。1Gの仮想マシンイメージであれば、フットプリントも小さいため、簡単に他のハードウェアにマイグレートできます。
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SUSE Linux Enterprise Server (SLES) はまさに「クラウドで使ってくれ」というようなライセンス体系です。 XEN 運用をしているとついつい購入したインスタンス数を超えて仮想マシンを作ってしまい勝ちです。また、緊急に仮想マシンをマイグレートすると、インスタンス数を超えてしまうこともあります。そんな時にいちいち、ベンダーさんの「見積もり」と稟議を待つ余裕はありません。
また、ベースとなるシステムを簡単に作成できるため、何かのアプリケーションを仮想環境などで実装テストする際のテスト用のイメージベースを作るには最適です。何しろ作業は数分で終わります。
うらやむべきは、こうして出来上がったイメージをダウンロードしなければならないこと。しかし Web/LAMP を使ったシステム用に一つ用意しておけば、後は自由にカスタマイズできるので、利用価値は高いと思います。
今回は商用版 SLES を使いましたが 2013 年現在 openSUSE12.3 の選択肢もあるので、こちらを使えば、古いPCを使ったUSBやライブCDなどでシンクライアントも作成できそうです。
islandcenter.jp
-Keyword-
openSUSE SUSE Linux SLES 仮想化 プライベートクラウド susestudio