SLES11sp3 での apcupsd と UPS の制御パラメータ

APC-UPS を SUSE Enterprise Server で使うには - apcupsd

の続き(補足)です。

SLES11sp2 までは標準で apcupsd がサポートされていましたが、 Novell/SUSE の事業部門が分けられてからは openSUSE より apcupsd をダウンロード、インストールするようになりました。

http://software.opensuse.org より search ボックスから apcupsd を探し

SLES11sp3 での apcupsd と UPS の制御パラメータ_a0056607_1551274.jpg


パッケージをダウンロードして yast でインストールするか、 1 Click インストールします。

SUSE で 1 Click インストールができない場合、YaSTにないメニューを追加

インストール後のUPSとの接続、起動、動作確認は上の記事を参考にしてください。


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ここでは /etc/apcupsd/apcupsd.conf の UPS 制御パラメータについて説明します。ほとんどデフォルトでも問題はないと思いますが、それぞれの電源監視ポリシーに従ってポリシーを設定し直す必要がある場合があるかもしれません。

apcupsd のパラメータの抜粋

#
# ======== Configuration parameters used during power failures ==========
#

のセクション

# The ONBATTERYDELAY is the time in seconds from when a power failure
# is detected until we react to it with an onbattery event.
#
# 以下略、この数字は、商用電源が切れてから、実際に「あ、これは停電だな」と
# UPSが認識して、「じゃぁシャットダウンの準備を始めようか」と
# アクションを開始する時間(秒)です。
ONBATTERYDELAY 6

#
# Note: BATTERYLEVEL, MINUTES, and TIMEOUT work in conjunction, so
# the first that occurs will cause the initation of a shutdown.
#
# 以下略、この数値は%です。UPSの余力が5%を切った時にシャットダウンを開始する
# という意味です。-1 を設定すると、この数値は無効化されます。
BATTERYLEVEL 5


# If during a power failure, the remaining runtime in minutes
# (as calculated internally by the UPS) is below or equal to MINUTES,
# apcupsd, will initiate a system shutdown.
# ランタイム残を指定する(分)です。
# つまり実際には ONBATTERY 状態がデフォルトの6秒続くと、その3分後には
# シャットダウンの儀式が始まるということです。
MINUTES 3

# If during a power failure, the UPS has run on batteries for TIMEOUT
# many seconds or longer, apcupsd will initiate a system shutdown.
# A value of 0 disables this timer.
#
# 以下略、シャットダウンまでのタイムアウト、0はデフォルトで無効
# MINUTES パラメータで設定すべき数値で無効のままで問題はないはずです。
TIMEOUT 0

※補足:間違いのご指摘いただきました。
MINUTES は、残存バッテリー容量と消費電力から計算されるバッテリー切れまでの残存時間でシャットダウンのタイミングを指定します。つまり軽い負荷であれば、この設定で長時間、運用を続けられます。TIMEOUT が停電検出からの時間にあたります。

すなわち、残存余力が5分切ったらシャットダウン、しかし停電から10分経過するか、バッテリー残量が 10% を切ったら必ずシャットダウンする、という設定は
BATTERYLEVEL 10
MINUTES 5
TIMEOUT 600


という事だそうです。UPSのバッテリーの残量を調べるには定期的にキャリブレーションテストを行う必要もある、という事にもなります。

SUSE Linux: apcupsd のキャリブレーションチェック

補足ここまで

# 上の BATTERYLEVEL, MINUTE, TIMEOUT はシャットダウン時間を決める重要なポイントです。

# Time in seconds between annoying users to signoff prior to
# system shutdown. 0 disables.
# ユーザにサインアウトを促すメッセージの時間(その間中促し続ける)時間
ANNOY 300

# Initial delay after power failure before warning users to get
# off the system.
# ANNOY を開始する遅延時間、商用電源が Delay で切れたと判断して、警告を
# 発生させる遅延時間
ANNOYDELAY 60

# The condition which determines when users are prevented from
# logging in during a power failure.
# NOLOGON [ disable | timeout | percent | minutes | always ]
# 商用電源が切れてからユーザのサインインを許可するかどうか
NOLOGON disable

# If KILLDELAY is non-zero, apcupsd will continue running after a
# shutdown has been requested, and after the specified time in
# seconds attempt to kill the power. This is for use on systems
# where apcupsd cannot regain control after a shutdown.
# KILLDELAY 0 disables
# 通常0でいい。シャットダウンを開始してからデーモンが稼働し続ける時間
KILLDELAY 0


-Keyword-

SUSE Linux SLES APC-UPS apcupsd 設定 apcupsd.conf

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islandcenter.jp

by islandcenter | 2014-08-27 15:24 | SUSE | Comments(0)