仮想化が進まない顧客の事情、SIベンダーの事情、大人の事情

先日、とある顧客でレガシーマイグレーションの話をしていたら、SIベンダーが提示した仮想サーバーのメモリが僅か16Gbだったのには驚きました。

一体どうしてこんなサイジングがでてくるのでしょう。

私だったら仮想ハイパーバイザーを動かすなら最低32Gバイト、できれば64Gbを推奨したいところです。仮想化で使うリソースは常に6割程度に控えるのが鉄則。32Gbもあれば、古いシステムを動かしながら、新規のシステムも並行して開発ができます。しかし16Gbでは、現行システムをP2Vインポートしてオシマイ。

なのですが、そこに顧客とSI事業者の大人の事情があるのですね。

例えば、製造部門で購入したハイパーバイザーマシンでは経理のシステムは動かしたくない、逆に人事システムが動くハードウェアで、製造用システムは動かしたくない。

本来ならば、システム部門が調整をして、できるだけ少ないリソース(サーバーハードウェア)で運用すればよいのですが、できないケースが多い。特に製造業のように「現場」の強い業種に多いようです。IT部門を強化しようにもそれなりのスキルがないし、経営判断も行われない。

サービス業でも、ITを使わざるを得ない業種ではそれほどでもないのでしょうが、「ITは職場のサービス」としか考えていない業種ではその傾向が強く、経理のシステム、人事のシステム、生産のシステム、流通のシステム、など、それぞれのシステムが「一つハイパーバイザーで仮想化」された1台ごとのサーバーで動いているケースも珍しいことではないのです。なぜなら、取得するための予算が別々であり、管理もベンダーも別々だからなのですね。

これが「顧客の大人の事情」なのです。

一方、SI業者にも「大人の事情」というものがあり、顧客の経理のシステムを一括してやってきたのだから、別なシステムが納入したハードウェアに載ることを嫌がるわけです。酷いところになると、利用者のアカウントの変更する行為ですら、保守の範囲外で有料作業だと言い切る事業者すらいます。

私なんかは鷹揚だから、どんどん弄ってくれ、変更してくれ、方法わかんなかったら問い合わせてくれという基本姿勢なんですが。サポート費用も先払いじゃないから、必死にやりますよ。そういう積極的なSIベンダーは少ない。年間、先払いで保守費用をもらっているから、お金をもらってサポートしている責任感が薄いのですね。

つまり、顧客にマニュアルを読ませない。客に知恵をつけさせないという事情です。こうして顧客の能力を糠漬け化して無能化する。

そうして顧客を塩漬けにして「SI事業者の言いなりになる顧客」を育てる事が彼らのミッションなわけですね。
だから、P2V案件で単一のハイパーバイザーに16Gbのメモリなどという非常識な提案をしてくる。彼らにとっては、現行のシステムが延命できれば、次の仕事でまた新しいハイエンドのサーバーを顧客に売りつける事が出来るわけです。

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by islandcenter | 2016-02-11 13:32 | プライベートクラウド | Trackback | Comments(0)