SUSE Linux (SLES12),固定アドレスはYaST で設定

ここでは SUSE Linux (SLES12) をインストールした後、DHCP のランダムな IP アドレスを Static IP に固定する手順を説明します。
SLES/SLED/openSUSE のバージョンによって、若干違う場合がありますが、ほとんど共通のインターフェースなので簡単に設定することができます。


テキストコンソールの場合は
# yast

もしくは X 環境では gnome デスクトップの Computer アイコンから YaST の GUI 版を使います。テキストターミナルを開いて

# yast2 &

で GUI 版を開くこともできます。

SUSE Linux 15 YaSTの基本

ここでは主に CUI 版 YaST で説明します。

なお openSUSE Leap 15.1 からはデフォルトの設定方法が変わりました。

openSUSE Leap 15.1:ネットワークの設定はYaSTではなくアプレットで


- はじまりはじまり -

※ ここでは、第一言語 English, 第二言語 Japanese で設定されていますので、なのでキャプチャ画面は表記は英語です。第一言語が Japanese だと訳の分からない変な”ニッポン語”でメニュー表記されるし、 ALT+ ショートカットキーもわかりづらいですし、それをまた英訳するのも面倒なので、サーバー運用に問題がないのであれば、英語で設定しています。

CUI 版 yast の操作は、ほとんどが TAB, カーソルキー, Space キー、 Enter キー、あるいは ALT+alphabet キーで操作します。第一言語がニッポン語の場合は、 ALT+Alphabet が分かりにくいので、やっぱりここは英語版がいいでしょう。

# yast から[Tab] キーで System > Network Settings を[Enter]開きます。

※ SLES11 までは Network Devices > Network Settings でした。

SUSE Linux (SLES12),固定アドレスはYaST で設定_a0056607_16015344.jpg


XEN/KVM 仮想化ハイパーバイザーとハイパーバイザーツールンストールすると、自動的に仮想ブリッジインターフェースがインストールされます。
トラフィックは 「OS -> brN -> ethN -> ネットワーク」の経路で流れます。 

※ ブリッジインタフェースを使わないベアメタル環境には brN のインターフェースはありません。

ブリッジインターフェースを使わない環境ではちょっと異なりますのでご容赦ください。


インストール直後は Overview の Network Bridge (br0) が初期値 "DHCP" になっています。Device eth0 は IP アドレス "NONE" となっていますが、このデバイスは None のまま変更しません。SUSE Linux の仮想化ハイパーバイザーでは "物理NIC(ethX)" <-- "仮想Brigde(BrX)" でブリッジ接続するため、 ethX は無設定、固定 IP の割り当ては BrX に行います。

ここでは br0 に対して設定します。"Edit" します。

SUSE Linux (SLES12),固定アドレスはYaST で設定_a0056607_16031896.jpg

環境によっては物理NIC (Eth0) しか表示されない場合があるので、 Eth0 の設定を "Delete" して "Add" ボタンから、Brige ネットワークが構成できます。その際も Eth0 は設定なし(NONE) br0 に IP を設定します。必要なブリッジネットワークの構成ツールが自動的にインストールされます。

物理NIC が複数ある場合、 "Add" メニューから Bridge ネットワークを追加します。これは GUI 版 YaST の画面です。

SUSE Linux (SLES12),固定アドレスはYaST で設定_a0056607_16034437.jpg

”Bridged Device” (BrX) にどの物理 NIC を繋げるかを選んでスペースキーでチェックします。ここでは一つの物理 NIC しかないのですが、NIC の複数差しの場合、 br0 --> eth0, br1 --> eth1 .... という感じで、異なる構内LANと管理用物理配線、あるいは SAN 用配線に割り当てることができます。

SUSE Linux (SLES12),固定アドレスはYaST で設定_a0056607_16041999.jpg

DHCP から Statically Assigned IP Address に固定IP、サブネットマスク、インストール時のデフォルトランダムな Hostname の書き換えをします。

SUSE Linux (SLES12),固定アドレスはYaST で設定_a0056607_16050452.jpg

例えば、 XEN や KVM などの仮想化システムのホストとして運用する場合、ホスト本体は内部の管理ネットワークやストレージ LAN だけに繋ぎ、仮想システムは公開ネットワークに繋げる、などの柔軟な運用で、仮想システムを非公開ネットワークだけに繋いで保護する事ができます。

"Hostname/DNS" を開き、 ランダムな初期値の "Hostname" と ”Domain Name” を、目的の環境、命名規則に合わせて変更します。

"Name Server 1,2,3" に、必要な DNS サービスの IP アドレスを与えます。

この作業でYaST を終了すると /etc/resolv.conf と /etc/HOSTNAME が更新されます。

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”Routing” を開いて "Default Gateway" の IP アドレスを設定します。

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[OK] ボタンを押して、設定を保存すると、設定ファイルの書き換え、ネットワークの再起動が行われます。

- 確認 -

ifconfig と ping で通信確認をします。この様な感じで ifconfig で brX に IP アドレスが割り当てられればOKです。恐らく、ping も成功するでしょう。

sles12:~ # cat /etc/HOSTNAME
sles12.intra

sles12:~ # ifconfig

br0 Link encap:Ethernet HWaddr 00:16:3E:24:71:21
inet addr:192.168.1.199 Bcast:192.168.1.255 Mask:255.255.255.0
inet6 addr: fe80::216:3eff:fe24:7121/64 Scope:Link
UP BROADCAST RUNNING MULTICAST MTU:1500 Metric:1
RX packets:699 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
TX packets:203 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
collisions:0 txqueuelen:1000
RX bytes:41287 (40.3 Kb) TX bytes:19384 (18.9 Kb)

eth0 Link encap:Ethernet HWaddr 00:16:3E:24:71:21
UP BROADCAST RUNNING MULTICAST MTU:1500 Metric:1
RX packets:805 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
TX packets:207 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
collisions:0 txqueuelen:1000
RX bytes:49634 (48.4 Kb) TX bytes:19732 (19.2 Kb)

lo Link encap:Local Loopback
inet addr:127.0.0.1 Mask:255.0.0.0
inet6 addr: ::1/128 Scope:Host
UP LOOPBACK RUNNING MTU:65536 Metric:1
RX packets:38 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
TX packets:38 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
collisions:0 txqueuelen:1
RX bytes:2888 (2.8 Kb) TX bytes:2888 (2.8 Kb)
sles12:~ #


1分でできるYaST でIPアドレスの変更




- 再起動 -

コンソールからログオンすると、プロンプトが初期値のランダムな HOSTNAME なので、一旦リブートします。

- よくあるトラブル -

"あれ ???? ping が飛ばないよー”とここでハマることがよくあります。

ifconfig で lo しかなく、 br0 に何も IP アドレスが出てこない場合、Bridged Device が、実装されている NIC とのチェックが外れていることがほとんどなので、ブリッジネットワークと、実NICの接続をチェックします。ここのチェックを入れ忘れる事が多いので注意してください。

これは、GUI 版 YaST のネットワーク設定の画面です。

また、複数 NIC を装着した場合、物理 NIC brX 仮想ブリッジを間違えてチェックしてしまう間違えも、よくある間違えです。実際のケーブリングと、物理ポートを確認してください。

SUSE Linux (SLES12),固定アドレスはYaST で設定_a0056607_16064178.jpg

この様に、 SUSE Linux でのネットワークの設定は YaST で行うのが一番漏れもなく、確実であること。また、驚くほどタイプする作業がありません。

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ほとんどの場合、SLES はサーバー運用になるので、Text Mode での起動となるでしょう。X 環境が使える場合は、 Windows などから GUI 版 yast2 を使ってもいいのですが、CUI テキスト版 yast コマンドの方が、軽快なので、ほとんど CUI 版を使う事になると思います。

インストール後の DHCP から固定IPへの変更は、 SUSE Linux では一番最初に行う作業でしょう。ここで YaST の使い方を覚えておけば、後の設定も楽です。

後は、サブスクリプションを購入してアクティベートします。サブスクリプション購入はこちら

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by islandcenter | 2017-09-20 16:10 | SUSE | Comments(0)