2010年 05月 05日
仮想化のキモ、ラック内配線を見直そう
「あの記録は自分はもう敗れないなぁ」
とおっしゃっていました。そう言いつつ、目の前には大量のパッチケーブルを「製造」しています。単純に1時間に60本というと1分で1本、両端処理ですから1分で2箇所の皮むき、プラグの装着、カシメ、通電チェックを行うわけです。雑談ついでなのですが、より線を並べる作業と通電チェック以外はほとんど手元を見ていません。まるで指先だけでより線の色がわかるような繊細な動きでした。
まだ100BASE時代のことなので、当たり前の仕事かもしれません。
Gigabit の時代になって、ケーブルにも繊細さが要求されるようになりました。ということで、所内の主な機器間を CAT7 (カテゴリ7)のケーブルで配線してみました。小さな字で 10Gbase-T 対応であることが書かれています。
プラグも薄い金属皮膜があります。
一般に 1Gbps であれば、CAT5e で十分だという意見がありますが、本当にそうなのか、ケーブルの品質で転送速度が変わるのかということを試してみました。
ということで2台の samba サーバ間で Windows クライアントから大量のデータを転送したときの状態です。
この仕事は長いのですが、1Gbps の帯域をほぼ 100% 使い切る状況は見たことがありません。客先で 50% で張り付いているのはたまに見ますが、通常は12% から 25% 程度なので、これだけ長い間 100% 近い数字を出しているのは初めて見ました。
大体、最低 40Mb/s から60Mb/s 程度の速度がでます。数十Gバイトのデータ転送が数分で完了してしまうスピードには、初めてターボ車に乗ったときのようなショックがあります。もっともこの速度は SUSE Linux + Samba 間の転送であり、Windows からのローカル転送はこの半分程度の速度が出れば良いようです。
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ということで、仮想化システムのボトルネックはディスクIOとネットワークIOだと言われます。最近8コアや12コアのCPUもサンプル出荷されている時代です。このクラスであれば、数台の仮想マシンを動かしても十分なパフォーマンスをだします。クロックがあがらない時代、マルチコア化が今の流れなので、メモリとその周辺のチップセットの性能も重要になります。ただ、これらの性能はハードウェア性能なので、自分たちで改善することができません。
唯一見直す一番簡単なポイントがあるとすれば、サーバーとHUBとの間の通信ケーブルの品質は問題ないかということでしょう。パッチケーブルが足りないからと、ジャンクボックスから取り出した古いケーブルを使っていては十分なパフォーマンスは出ません。