2010年 11月 25日
Novell は第二の SUN になるのか
NovellをAttachmateが22億ドルで買収、Microsoftに知財の一部を売却
ノベル、22億ドルで買収される--Attachmate傘下へ
そもそも、Novell 自体のオーナーがユタの投資ヘッジファウンドだったわけで、SCOとの泥仕合も兄弟喧嘩のようなものでした。、Attachmate といっても NetIQ と合併している(というか日本では) NetIQ の一事業部門に過ぎません。
NetIQ が Attachmate 傘下で独立したブランドを持っているわけだし、それより大きな Novell が Attachmate ブランドになることはないでしょう。しかも Attachmate のオーナーが非公開のヘッジファウンドだということです。一時期、Novell はケンブリッジテクノロジーパートナーズから経営者を招聘して合併していた時期があったわけだし、(その後分離)単なるオーナー変更に過ぎないンでしょうね。
Oppen Office や Java のロゴが SUN から Oracle に変わったようなドラスティックな変化は考えにくいでしょう。また、SUN のように「吸収」されて製品も人材もばらばらになるような不安も今のところ感じません。
ただし、SUSE Linux はこの数年でヨーロッパだけではなくアメリカでも今や RedHat と同じほどの知名度、ブランド性を獲得してきたこともあり、Novell の主力事業分野とは直接関係ない部分が大きいから、UnixWare のように独立したブランドとして別な道を歩くことになるのでしょうね。成長分野であることには変わりないのですが、そもそもサポートとアクティベーションだけでは巨体を支えるには力不足だったことは否めません。
マイクロソフトに一部売却という話にしても所詮 WordPerfect の特許部分であり、このようなデスクトップスィートに対してマイクロソフトとは争わないという一種の手切れ金のようなものです。コンピュータビジネスにおいては、もはやオフィススィートにあまりビジネスメリットがなくなってしまった現在では、うまくマイクロソフトから金を稼いでおきたいというところでしょうか。
そもそも Novell の低下の原因には、やっぱりリーマンショックが大きいのです。巨大エンタープライズのID管理製品の大顧客だったこれらの一部巨大企業が、破綻や同業他社への合併により、サポート費用の売り上げが減ったことは大きかったでしょう。ここでいったんビジネスをリセットするには良い機会だったのかも知れません。
ネットワーク製品という分野は、巨大IT企業にとっての「サードパーティ」に過ぎません。こういったサードパーティ製品として Lotus や Sun, Cheyenne, VERITAS, McAfee が辿った吸収、分解、アイデンティティ喪失という末期を避けられたことは歓迎できます。またサードパーティとして異分野の製品とのコネクティビティを作ってきた Novell というブランドからすると、どこか特定の企業の傘下で解体されてしまうより、良い選択だったと思います。

今回の件で、初めて知った会社です。
Novellが三枚おろしにされて、NetWareと GroupWiseが消滅しないことを祈るばかりです。
Attachmate は日本では NetIQ の事業部ですから、 NetIQ の事業部の子会社ってことになるんですかね。
それほどSUN みたいにブランド性は失われないと思いますよ。