2011年 04月 22日
クラウドバブルはいつ崩壊するか
その都度、成功した企業はごくわずか、今も歴史に名を残す企業がどれほどあるか。
80年代、アップルとマイクロソフト、他にもアドビやオラクルなどのPCを中心とするハードウェア、ソフトウェアの振興企業が上場を果たし、生き残りました。インターネット時代を感じさせたネットスケープはどこに行ったのでしょう。まぁネットスケープメールのアーカイブが Thunderbird で読めるのはまだラッキーです。インターネットブームにより、様々な接続サービスが生まれ、消えていきました。ドットコムブームを牽引して、2010年代のクラウドの牽引力になったのは Google であることは異論は少ないと思います。
面白いのは、常にコンピュータシステムは分散と集合を繰り返すところです。IBMの大型機市場に殴りこみを掛けた DEC 、さらに、PCによる分散処理を推進した Novell, Microsoft, Oracle, Lotus 俗に言うクライアントサーバという考え方です。クライアントサーバ型の処理体型は今では廃れています。集中したシステム体系も考えられましたが、シンクライアントという考え方は随分昔からあるにも関わらず、PCの低価格化によって強い訴求力が感じられません。そこでデータセンタの集約化が始まった2000年代中盤あたりから、思い切ってデータセンタを外注化するパブリッククラウド、あるいはハウジングサービス、プライベートクラウドという考え方が始まったところです。そして、極度に集中したデータを惨事復旧手段の一つとして、情報は分散化する傾向が出てくるだろうと想像しています。
2009年は仮想化元年といわれました。2010年はプライベートクラウドが注目を浴びています。あるいは電子書籍をはじめとするコンテンツのクラウド化がはじまるのではないかといわれていますが、クラウドは技術ではなくサービスです。音楽や書籍は購入すると半永久的に自分の手元に残りますが、クラウドサービスは終了してしまうと、消費者が購入したサービス自体も消滅してしまいます。
多くの企業はこれらのクラウドサービスを提供する企業よりも歴史が短く資本も脆弱です。フリーミアムのビジネスモデルを構築できずに消え去る企業はどこなのかなぁ、などと考えてしまいます。またフリーミアムではなくプレミアム型のビジネスモデルでは、顧客からの信頼を得るために情報の分散化、冗長化が望まれます。当然コストはかかります。
仮想化とクラウドはどう違うのかと聞かれれば、「クラウドはビジネス用語、仮想化は技術用語」と答えることにしています。
さて、今後3年でどれだけのクラウドサービスが崩壊し、破棄され、電源の入らないデータセンタにどれだけのアーカイブがごみとなるのでしょうか。
と、ちょっと将来予測をしてみました。
islandcenter.jp