2012年 09月 07日
Novell OES 11sp1 ファーストインプレッション
SLES11sp2 上に12Gの仮想ディスクを割り当てしました。アドオンやローカルレポジトリのため、SLES11 と OES11 のアドオンを追加してコピーしているため約4.数Gバイト余分に「持って」います。この状態で
oes11sp1x1:~ # df -h
Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on
/dev/xvda2 11G 8.5G 1.3G 87% /
devtmpfs 608M 104K 608M 1% /dev
tmpfs 608M 256K 608M 1% /dev/shm
admin 4.0M 0 4.0M 0% /_admin
oes11sp1x1:~ #
87%のディスク容量です。SYS:を含む / パーティションサイズは14~16G程度あれば十分でしょう。
-iManager-
2.7.5 です。特に目に付く変わった点はありません。いつも iManager で管理を行っている限り、バージョンが代わるたびにひどく奇妙になった I/F を持つどこぞのOSの管理コンソールとは違います。
きっちりローカライズされているところを見ると、日本人が使う上で問題はなさそうですね。
GroupWise のロードマップなどを見ると、今後 WEB ベースの管理ツールとなるようです。何れ iManager から GroupWise の管理などを行う方向になるのでしょう。
http://www.novell.com/communities/node/13874/customer-influence-groupwise-part-1-impacting-groupwise-roadmap
http://www.novell.com/docrep/2012/06/novell_groupwise_customer_visits_brochure.pdf
今後の Novell Inc. の方針としては Atachmate の SUSE と部門分割した関係で、より Open Enterprise Server や GroupWise などの主力商品に力を入れて行くようです。(ただし日本 Novell K.K.を除く、既に Novell K.K. のページではプロダクトリストからは削除されている)
クラウドは SUSE, ID 管理は NetIQ という分担がある限り、Novell ブランドでの日本での販売戦略は PlateSpin 位しかなくなりました。もっとも根元が一緒な点はあまり気にすることではありません。
-カーネル-
SLES11sp2 ベースのカーネル 3.0.13 でした。XEN がカーネルに取り込まれたため、特に心配なく使えます。
もっとも今まででも何の問題はありませんでしたが。
oes11sp1x1:~ # cat /etc/SuSE-release
SUSE Linux Enterprise Server 11 (x86_64)
VERSION = 11
PATCHLEVEL = 2
oes11sp1x1:~ # uname -a
Linux oes11sp1x1 3.0.13-0.27-xen #1 SMP Wed Feb 15 13:33:49 UTC 2012 (d73692b) x86_64 x86_64 x86_64 GNU/Linux
-eDirectory 8.8-
oes11sp1x1:~ # ndsrepair -R
[1] Instance at /etc/opt/novell/eDirectory/conf/nds.conf: oes11sp1x1.OU=system.OU=tokyo.O=ace.ACE-TREE
Repair utility for Novell eDirectory 8.8 - 8.8 SP7 v20702.00
DS Version 20702.02 Tree name: ACE-TREE
Server name: .oes11sp1x1.system.tokyo.ace
-移行ツール-
OES11 から、Migration Wizard が添付されなくなりました。もっとも利用するには Windows XP か Windows 2003 サーバが必要となります。Windows 7 では動作しません。CoonsoleOne も XP で動かすか GroupWise 8/2012 用のものを使うことになるため、Windows XP 環境は残しておいた方が良いかもしれません。 仮想環境でもかまわないと思います。
一応 Linux 版の GUI Migration Tool が付いてきます。gnome デスクトップの More Application フォルダにあるので、リモートで使う場合はデスクトップにリンクを作っておくか、xlaunch などの X 端末を使う場合は miggui コマンドで起動できます。
Windows の API は非公開な部分が多いので Windows 版 Migration Wizard より逆に公開されている Linux ベースでの移行ツールの存在はありがたいかも知れません。
何しろ Microsoft 製品(Office や IE)では「非公開API(undocumented API)」を使ったアプリケーションが数々ありますから、こういったイリーガルなファイル名を移行するには、 Windows 版移行ツールより信頼性がありそうです。
日本語のファイル名も問題なく表示されました。
この辺りのローカライズは抜かりありません。
-マニュアル-
http://www.novell.com/documentation/oes11/oes11_toc/data/index-stand.html
よりダウンロードできます。ただし英語のみです。
-全体的な感想-
SLES11sp2 の上で OES11sp1 という名称はちょっとわかりづらいなという印象があります。ついつい OES11 sp2 と呼んでしまいそうです。ソフトウェアレポジトリの登録などでは混乱するかもしれません。
カーネルが上がったことが一番の違いで、XEN 仮想環境で使うには全く問題なくスムーズにインストールできました。非常に細かい点ですが、インストーラもサーバーのコンテナを選択できる eDirectory のブラウザが付いてきたり、改良の跡が見られます。
OES11 から Windows 版 Migration Wizard がなくなってしまい残念です。
いい意味で「日本独自の進化」悪く言えば「ガラパゴス化」している日本企業の情報システムですが、従来の NetWare 5x/6x, OES1/2 の資産をそのまま移行するにはOES11x は非常に良い選択です。
Windows 2012 ではADを使うだけでも少なくとも 2G バイトのメモリを推奨しますが、OES11 では最低 512Mb のメモリでeDirectory が動作し、仮想環境で多くのメモリを与えれば、強烈なファイルサーバーとしての威力を発揮します。プライベートクラウドとしてのファイルサーバーの能力は CIFS+NTFS より NCP+NSS の方が圧倒的なパフォーマンスを出しています。
OES 2018 SP1 Install ファーストインプレッション