2013年 02月 20日
おとなしく Windows 2008 x32 にしなさいな
ということで Microsoft MSDN 版を一晩かけてダウンロードして、 SUSE 11sp2 (SLES11.2) の仮想環境で動かしてみました。
-インストール-
Windows 8 をインストールしたことのある方なら、特に問題もなくインストールできるでしょう。ただし、Server Core を選ぶか Standard を選ぶか Datacenter を選ぶかの選択肢が出てくること。初期パスワードに「呪文」のような仮パスワードを設定する必要があること。
違いはそんなものでした。
-初期設定-
初期設定では「サーバー名」を設定する処理がありません。サーバー名はインストールしてから、サーバーのプロパティで設定しなければなりませんでした。当然、ここでワークグループであるとかを設定するわけですが、これをやってしまうと、しつこく「再起動するよ」と出てきます。再起動する前にすることがいっぱいあるだろう、ということで「キャンセル」したところ、これが敗因でした。
-おっとどうやってリブートするんだ?・・・・-
さすが Windows 8 譲りのUIです。見事にスタートボタンがありません。しかもRDP状態では例の「Windows UI」も 2012 サーバーにはありません。
コンピュータ名も変えたし、IPも固定したし、インストールに必要なメディアも用意したので、さてリブートしようと思ったら....
「おぉ、これどうやってリブートするの?....」
Windows 2012 を初めて触った人なら、「電源ボタン」という便利なものがコンピュータのフロントパネルにあるから長押しすればいい、と反論するかもしれませんね。私も5分位悩んでそれしか方法がないのかもしれないと思いました。マジで.....
ここで良いアイディアが思い浮かび、Exploror から cmd.exe を探し出して、 shutdown /r /t コマンドでリブートしました。後で、コマンドプロンプト以外に「サーバーマネージャ」の中に隠しボタンがあるようで、ローカルサーバーの中の「タスク」ボタンの中にしっかり隠されていました。まるで宝探しのようなゲーム性がある楽しいシステムです。時間内に見つけ出さないとハングアップするぞ、みたいな。
どうも探し回っている方は多いらしく、「どうやって Windows 2012 を再起動するのか」というのはトピックスになっているようです。再起動する場合は、デスクトップのアイコンをあちこち探すより Google で検索した方が方法は早く見つかります。Microsoft の FAQ より「有志」の皆さんがより的確な答えをあなたに提供してくれます。再起動の方法を聞くなら Microsoft ではなく Google に聞け。冗談ではなく本当でした。
どうも Windows 2012 ではあまり再起動はしてほしくないようにUIが作られているようです。もしこの秘密のスイッチが見つけられなければ、何かやっちゃって「再起動しろ」と言われたら、業務時間内であっても、おとなしく即座に「はい」を押すことを強くおすすめします。それが嫌なら、今日の家族との夕食はあきらめて、残業代を稼いで深夜に一人で「再起動」ボタンを押してください。もし近所に本屋があれば、よさげなミステリー小説でも買って読んで時間を潰すことです。

-タスクバーから「ピン止め」を外すと面白いことになった-
-全ては「ごみ箱」を開けばスタートする-
初期状態では、「サーバーマネージャ」「エクスプローラ」「PowerShell」 の3つのアイコンがタスクバーにあるのですが、これ全部ピン止めを外すことができます。間違ってピン止めを外すとスタートボタンがないので危機的な状況に陥ります。碓氷峠を下っている最中にハンドルとブレーキが一緒に壊れてしまった気分になれます。とてもエキサイティングですね。

大変すっきりしたデスクトップ状態となります。ServerCore(使っている人いるの?)から exit 叩いた時の「虚無感」と哀愁を感じます。
ところがですね。一つだけどうしても消せないものがあるのですよ。それが「ごみ箱」
実は「ごみ箱」に重要なヒントが隠されているのです。ごみ箱を開けば、ちゃんとエクスプローラを起動することができるのですね。Windows8 系の「ごみ箱」は偉大な機能を秘めたアイコンですね。
「困ったときはごみ箱を漁れ」
これがどうも Windows 2012 を扱う場合の鉄則なんですね。すごいセンスです。「困ったらごみ箱を開けろ」これ、なんだか Windows 系のエンジニアの末路を示しているようで、かなり高度なマイクロソフトからのジョークです。Windows 一筋の皆様、笑って許してあげてください。このテクニックは Windows 8 でも使えるので、
「Windows で困ったらごみ箱を開け」
というのがヘルプデスクがまず、エンドユーザに伝えることでしょう。
「メモ帳のアイコンがないのですが....」
「まずごみ箱を開いて C: から notepad と検索するとアイコンがでますよぉ...」
「ペイントを.....」 「じゃごみ箱を開いて」

「IPを確認したいのですけど...」 「ごみ箱をですね....」
「ファイルを見つけたいのですけど」 「ごみ箱の中にですね....」
間違えなくこのテクニックは使えます。何しろ Windows 8 系 UI の中で不動の永遠無比な力強さを感じさせるアイコンがこの「ごみ箱」なのです。このごみ箱を使えば、まず、ほとんどすべての操作が行えることは間違えありません。何しろどれだけユーザがデスクトップをカスタマイズしても消えることのないアイコンなのですね。今のところは。
まぁ、タスクバーからタスクマネージャを起動するとかのテクニックもあるので、あきらめる必要はありません。知っている人だけは救われる。
-やっぱりほしい ClassicShell-
Windows8 では「必須」の ClassicShell ソフトウェアはちゃんと動きました。

不思議なもので、これ一つだけで、「仕事のやる気」が全然違ってくるのはなぜなんでしょう。
-無理でもよいところを見つけてみた-
Windows 2012 の良いところ。それは再起動の速さですね。なんとかそれだけはアップグレードする価値はあります。また、Windows UI という食いものにもなたないチョコエッグのオマケのようなバカでかい余計なものがないだけ、インストールは Windows 8 より早く終わりました。
-あたりまえだけど Windows8 x64で動かないドライバは 2012 x64でも動かない-
本来、この検証は、「Windows でプリントサーバーを作る」ことが目的だったのですが、見事に私が普段使いしているプリンタドライバは拒否られました。本来の目的は達することができなかったわけですね。また XEN 用の SUSE準仮想化ドライバも見事に拒否られました。
つまり、「ドキュメントなんて印刷する必要はない、読みたいなら Surface をつかえ」
ということのようです。仕事で契約書を作って Surface にサインして渡せば、マイクロソフトは大儲けできますね。見積書もメールで送って、後で Surface にハンコ押して郵送すれば良いのです。商売上手いなぁ。
何しろ Windows 2012 は x64 版しか存在しないので、それでもどうしてもちょっと昔のプリンタを使って「紙メディア」が必要なら
おとなしく Windows 2008 x32 にしなさいな
というのが正解のようです。
PS: ありましたぁースタートスクリーン。画面の左隅ですね。右側必死になぞっても出てこないわけだ。そうか、サーバーにもタッチ機能が要るんだな。でもプリンタが使えないのは問題ですね。 2008 R2 では一応警告付で使えますけど。