2013年 09月 23日
ユーザ管理とダンバー数
社会学者ロビン・ダンバー (Wikipedia)が提唱したもので、
「霊長類は大体150人前後の人間関係が限度」
というものです。おおよそ150人以上の人間関係は、お互いを認知できないというものなのだそうです。
例として
- 従業員150人程度が中小企業の限界:これ以上社員がいると、社長は従業員一人ひとりを面倒見れない。企業が急激にこれ以上成長するには、優秀な「中間管理職」が必要となる。
- 歩兵部隊はおおよそ中隊規模が基本、これ私が大好きな戦争ドラマ「バンド・オブ・ブラザース」でもそうでしたが、ウィンタース中隊長が大隊長になった途端に書類仕事に忙殺されます。ウィンタース大尉は、中隊長時代に優秀な「現場指揮官」でした。
- 軍艦でもコルベット艦や小型駆逐艦などの艦艇の乗組員は150人程度。この程度であれば、艦長は水兵たちのことをよく把握している。私は英国の冒険小説が大好きなのですが、コルベット艦の面倒見がいい指揮官が出世して大型フリゲート艦の艦長などになると、途端に「冷酷な指揮官」になってしまいます。
- 古代ローマ軍では「100人隊長」という隊長が現場指揮官だったことが強さの秘訣だった。
- SNS で「友人」が何百人いても、本当の「知り合い」は200人程度らしい。
「ダンバー数」にFacebookで挑戦 Wired.jp
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なぜ私がダンパー数の事を思い出したかというと、どんな大企業でも多くの組織では、大体150人から250人程度を一つのユニットと見なして、ヘルプデスクを配置していた組織が多かったということです。また、ディレクトリサービスの設計でも、およそそのくらいの人数で OU が構成されていました。
こではヘルプデスクのための数字であるというより、組織そのものが「ダンパー数」に支配されていたことでもあるからなのかも知れません。
ここに eDirectory などのディレクトリサービスで管理する OU (部門オブジェクト)の設計のポイントがあると思います。1拠点に1、000人のユーザがいたとしても、実際にチームワークとして機能するのは200から250人程度が限界なのですね。それをシステム的に1,000ユーザをひとくくりに管理することには無理がありそうに思います。じゃぁ4、5人で面倒みれば良いじゃないか、というご意見もありそうですが、チーム内部で1,000人を4,5個のユニットに分けて分担し、管理したほうが良いのかもしれません。
ということでダンパー数のお話と、ID管理のお話でした。