2014年 07月 07日
Windows9 は 32ビットか 64ビットか:今から考える Windows9
Windows9 は 32ビットか 64ビットか
よかろう、Windows9(仮)は 64 ビットが正しい。どうせほとんどのよほどの低スペックのPC以外は4Gバイト以上のメモリを踏査し、メインストリームPCは8Gバイトのメモリです。このスペックでは32ビットは考えられません。ただ、最近の円安の影響で、様々なPCパーツが値上がりしている状況からすると、中々メモリ8Gモデルというのは出にくい状況でしょう。
ただし、一部のタブレット、発展途上国向けのような低価格なホームエディションは32ビット版が残る可能性はあります。
クラムシェルノート、デスクトップは64ビット、ハンドヘルドのPC,スマートフォンもどきは32ビットという棲み分けになるでしょう。メリットは 64 ビット版 Windows で作成した文書がスマートフォンで閲覧でき、32ビット版でメモしたアイディアが64ビット版でファイナル文書に加工できる所です。
しかし、そんな操作はいまどきの Android や iOS 搭載のタブレットとの組み合わせで十分行える仕事なのですね。Windows 32 bit 版やタブレットの存在価値は低い。精々タブレットシェアでは Windows は10%がいい所かでしょう。
困ったことに Windows 8 x64 版はデバイスドライバの認識が甘い所があります。 Windows7 で使っていたワンセグチューナーは見事に動きませんでした。仕方がないので、ブラジルワールドカップを見るために、新しいチューナーユニットを購入させられました。
また、Bluethooth のダメさもあります。まだ、ノートブックについているウェブカメラはと Bluetooth ユニットは認識できていません。ますますつなげるデバイスドライバは選ぶ必要が出てきそうです。Windows7 32bit で動いていたレーザープリンターは何とかメーカーから、Windows 8 出荷後1年でドライバが出てきました。たぶん Windows 9 用は出ないでしょう。それまで、Windows 7/8/9 を切り分けて使うしかありません。
アプリケーションは相変わらず 32 ビット版が中心でしょう。デベロッパーがわざわざ「今動いている」ソフトウェアをコンパイルし直して 64ビット化するとは思えません。Office でさえ、Excel 方眼紙を愛用するユーザがいる限り 64 ビット化される事はないでしょう。64 bit 版 Excel を使うのは天文学者かDNAを解析する技術者くらいでしょう。もっとも彼らが Windows を使うという保障はありません。 Linux であればネイティブに動く 64 ビットアプリケーションは山ほどあるし、コンパイラという開発環境があれば、カスタマイズされた単機能のアプリケーションも自由に作れます。
アンチウィルスソフトウェアは早く64ビット化して欲しい。64ビットコードを調べるために32ビットコードで動くのでは効率が3倍から下手をすると10倍くらい実行速度が違います。これからは、マルウェアも64ビット化するでしょう。
アプリケーションが32ビットである以上、ローエンドユーザはメモリは4Gも使いません。8Gバイトのメモリを積んだ 64 ビット版 Windows は自己満足のためか、Hyper-V で発揮するでしょう。ただ、私のように馬鹿みたいにアプリケーションを常駐させるユーザにとってはいい選択です。
デスクトップPCにタッチパネルが必要だという言うのはそもそも冗談みたいなものです。そんな液晶24インチモニタにタッチ機能が付いているのは見たことがないし、さらに孫の手が付属しているパネルなんて見たことがありません。(いいですね、孫の手付の24インチモニタ、ワイプとかズームとかできる。特許取ろうかな)
だから、Windows にタッチ機能は必要ではない。結局、操作はキーボードとマウスです。
バージョン番号は
Windows8 のバージョン番号は Windows NT 6.3 です。Windows 9 が NT7 となるのは甚だ怪しい話でしょう。なぜなら、様々なリークにある情報では、インターフェースの改良はあっても、基本機能の改良をしているという話は耳に入ってこない。となると、 Windows9 は Windows8.1 upgrade の改良版でしかない。つまりメジャーアップデートと言っても Windows NT 6.4 となる可能性が高いのです。もっとも Windows NT のメジャーバージョン番号が変わった時は要注意なのは言うまでもありません。NT 6.0 の Vista がいい例ですね。
いい意味でも悪い意味でもWindows9 は Windows NT 6 系の引き継ぎでになるでしょう。
インターフェースの改良はコスメティックなもので、表面的な改良に過ぎません。
ここで疑問となるのは、果たして Windows は進化するつもりがあるのだろうかということです。今一番 Windows に欲しい機能は、新設計のファイルシステムです。いつまでも FAT を Convert コマンド一発で数分で変換できるようなファイルアロケーション、年中バックグラウンドで走るデフラグのないファイルシステムです。どうもそんなリークがない以上、相変わらずパフォーマンスの悪いNTFSが主力のファイルシステムとなるのでしょう。
-ゲームとSNSと天気予報-
Windows ストアには色々魅力的なアプリケーションが増えてきました。ゲームとかSNSとかゲームとか天気予報とか、ニュースとかゲームとかです。
つまり、ゲームとニュースと天気予報以外に使いたいと思えるソフトウェアが何もない。ストアアプリのテキストをコピーペーストする機能もない(あるのかも知れないがマウスでやる方法を知らない)
ゲームにしても iOS や Android からの移植です。
困ったことにほとんどのクラムシェルノートには加速度センサーもGPSもタッチパネルもありません。あったとしても、ここで Android や iOS との差別化が難しいのです。Android でヒットしたゲームでも、マウスとキーボードの操作ではどうしてもうまく操作できません。わざわざ Windows で使う意味がないのです。あえて言えば、「あの Android の名ゲームが Windows に移植」された程度の話題でしかありません。わざわざ Windows で面白いゲームがあったから、iPod で探してゲームするくらいです。
最悪なのは、ニュースなどを「更新」して別なアプリケーションに切り替えた時です。 Windows アプリは最小化したりバックグラウンドに移動した時に、状況がサスペンドしてしまいます。つまり「更新」ボタンを押して更新が終わるまでぼーっと更新画面を眺めていないと新しいニュースがダウンロードされストックされません。SNSにしてもそういうことです。
ストアアプリは残るでしょうが、重要性が低くなるでしょう。何しろゲームとニュースと天気予報しか使えませんからね。
PCでできてタブレットで出来ないことは、例えば税金の申告表を作るとか、年賀状をデザインするとかです。これは十分に生産的な作業です。今のタブレットでは、画面のハードコピーを印刷するだけでも一騒動かかります。ビットの年賀メールは遅れても、アトムの年賀状は書けないのがタブレットの欠点です。
さて Windows9 は買いか
Windows9 という名の「商品」が出てきても、今のところ金出して「欲しい」と思わせるイノベーションが予測出来ません。あくまでもリーク情報からなので推定するしかないのですが、 Windows 8.x の厚化粧版という印象しかありません。もし、Windows 8.1 upgrade のようにアップデートで対応できたのなら試す機会はあるでしょう。「商品」として購入してアップデートまでしたいとは思いません。
もし、アップデートするのであれば Windows NT 7.0 になった時の Windows でしょう。もっとも x.0 版の Windows のひどさは有名なので NT 7.1 が出た時が本命になるでしょう。
Windows NT 7.x では全く新しいディスク管理システム、例えばよく使うデータはSSDへ、デッドデータは自動圧縮して低速ストレージで圧縮。ディスクを追加したらシングルボリューム化が容易にできる。(バグ多そうだ)
ディスクのプロパティから「断片化」のタブが消えている。データの損失なく、高速なシャットダウンとスタートアップ。アクティブアプリケーションを最小化した時の無駄なメモリの解放。メモリ512Mbもあれば十分に使えるパフォーマンス。アプリケーションのサンドボックス化。高速なファイルのインデックス処理。ファイルの自動振り分け。ストアアプリのバックグラウンド実行。
何かと問題の多い、CIFS や MS Browser もこの際、廃止するか、将来はないものとして、ネットワーク標準のプロトコルを使う。DNSを尊敬し、ファイル共有は ssh で行う。どうせ、Microsoft 独自のものはクローズである以上、グローバルに展開する他の標準的なシステムとは異質なものです。
そのためには幾つかのステークスホルダーを捨てる勇気が必要でしょう。いや必要なのです。少なくとも Windows 7 のメインテナンスが後数年、Windows 8 はあと5、6年使えるなら、それは十分な期間です。
ビジネスとしての Windows
Windows8 の嫌らしい所、それは、Microsoft アカウントとの統合です。そりゃ確かに Microsoft アカウントと統合しておけば便利なことは様々あるのですが、ビジネスに Microsoft アカウントは必要ありません。本来ならば、OneDrive なんかは、ドメインに統合してしまって、ドメインログオンで、ローカルネットワークのサーバー上に Sync させてしまえばいい話です。月々の課金もなければ、容量もポリシーで制限するか無制限かが自由に管理できる。
そうなると、本当に大事なのは実は Windows 端末ではなく、Windows サーバーの方にです。そして、 Windows タブレットがドメイン管理できるようになれば、 OneDrive で保存したドキュメントを Windows タブレットで参照したり、修正したりといった作業ができます。
もっと Windows Pro 版はサーバーとの緊密な連携を行うべきだろうし、タブレットや Windows Phone もドメインへの参加が行えるようにすべきなのです。そうしないと Android/iOS 勢との差別化ができないでしょう。
Windows Store もドメイン経由で利用できるようにすれば良いでしょう。業務アプリはもっと簡単に端末に配布すべきなのです。Windows サーバももう少し賢くなるべきです。そもそも低速な WAN 回線で数百Mbものストアアプリをダウンロードできるのは、全ユーザ人口の数十%と認識すべきです。Windows Update Service の機能の中にストアアプリのキャッシュ機能を組み込むべきなのです。
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顧客の現場では、圧倒的に Windows 7 の32ビット版が主流です。これは特に XP ディスコン対策を早めにやった現場ほど著しいようです。
「私たちの一般的なビジネスには 64 ビット版は不要」
というご意見も頂きました。賢い選択だったと思います。
しかし、これから、どうしても64ビット版 Windows が主流になるとすれば、どの様な選択がベストか。
今のところ、「今一番先が長い」と思われる Windows 8.1 Upgrade 64版が一番のおすすめです。地道なUIの改良が期待できます。
今さら Windows7 の64ビット版を提案する積極的な理由はありません。どうせメインストリームサポートも終わって、後は壊死するのを待つだけです。あえて64ビットドライバの検証を行うのも無駄でしょう。今は Windows 7 32 ビット版で十分、という顧客であれば、あえて「噂される」Windows9 を待っても良いでしょう。それまであと1年ともいわれる余裕があります。
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