2014年 11月 03日
SUSE (SLES 12) ファーストインプレッション
1枚目のDVDは2.7Gb、 SLES11sp3 が 3.4Gb あったことを考えると、ずいぶんパッケージ類を絞り込んだ様です。
※ SLES12 から 32bit 版はなくなったそうです。だからでしょうね。
とりあえず SLES11sp3 の XEN 環境に入れてみました。
- メモリ:512Mb
- 仮想ディスクサイズ:8G バイト
- 仮想CPU:4vcpu
- SLE11 のテンプレート
SLES12 はSUSE が Novell からスピンアウトして初めてのメジャーバージョンアップです。まず随分インストーラの印象が変わりました。
今どきの商用 Linux でも 512Mb でGUIインストーラが起動できる所は中々良いことです。
いつも通り、言語は変なJapaneseを避けて English のまま、キーボード配列だけJapaneseを選び Licenseに Agree をチェックして次へ
次の画面でいきなり SUSE Customer Center への登録画面です。ここは後でも良いのでスキップ
次にアドオンプログラムの指定ができます。ここでは何も追加アプリケーションがないのでそのまま次へ
さて、ここでいきなり難関です。ここではどのファイルフォーマットを選択するかを指定します。
SLES12 では btrfs がデフォルトとなりました。EXT4 を選ぶ事もできます。SLES11 で標準だった ext3 は選択肢にありませんね。
SLES12 ext3 から BTrFS への変換
SLES12が採用した btrfs, snapper を使った Snap Shot
タイムゾーンの選択です。地図から東京あたりをクリックして Asia/Japan を選択します。 Hardware Clock set to UTC はチェックを外します。この機能は、OSが管理するクロックをハードウェアと同期させるもので、仮想環境では意味がないので、使いません。警告がでるのでOK
次にオペレータのフルネームとログイン名/パスワードをセット
続いて root のパスワードをセットします。3番目は確認用のボックスです。キーボード設定によっては符号文字がパスワードにセットされた場合、違うキーに割り当てられるので、ここで確認します。親切設計です。
インストールのサマリ画面です。ファイアウォールはデフォルトで Enable なので、とりあえず Disable に変更します。
さてこれがちょっと判りにくい Default System Target なのですが、これはつまり runlevel を3(Multi User Network) にするか 5(XDMのGUIログイン) にするかの選択です。従来の RunLevel Editor の置き換えです。
※追記:SLES12 から初期化プロセスは initd から systemd に置き換わった事が大きな変更点です。openSUSE 12.1 より systemd が採用されています。ここでまずハマります。
SUSE SLES12 の大きな変化 systemd、さらば init
Software リンクから、追加するアプリケーションセットをチェックします。ここでは WEB/LAMP を選んでみました。
この設定はインストールした後 YaST の Software Management からでも行えます。
Auto YaST のレスポンスファイルの作成は、何百台とインストールするわけでなければ、作る必要がないのでチェックを外します。
全ての選択ができたら、Install を開始します。
インストールが開始されました。 Detail タブを押すと、インストールの進捗状況が判ります。
大体ここから15分から20分程度でインストールが終わり、再起動します。
ここで問題発生
さてリブートした後なのですが、再起動すると XEN が「カーネルが見つからん」となり、インストール作業が進みません。ホストが SLES11 だからでしょうか。 「XEN のカーネルの問題」はそうあるものではないので、今のところ原因不明。
ということで Hyper-V に入れてみた
急きょ Hyper-V に入れてみました。Linux に比べるとやっぱり Windows ベースの Hyper-V は劇重です。512Mb のメモリでは、設定を変更する時にあまりにも遅いので、シャットダウンして900Mb のメモリを与えてみました。それでも SLES に入れるよりレスポンスが悪くて一つ一つが遅い。インストールは3割程度、余計に時間が掛かりました。マシンの性能もありますが、やっぱり Hyper-V は厳しいですね。
間違えて GUI 起動させたので何となくこれならつかえそうな、いつもの画面が出てきました。
YaST の GUI 版は openSUSE 12 と同じデザインになりました。このデザイン好きじゃないンだけどなぁ。
一旦 init 3 で起動して startx を実行すると、なんとこの画面になりました。
openSUSE12 の gnome 版を入れた時のデザインそのものです。実はこのスクリーンが大嫌いなので、あまり openSUSE は好みではないのですが、ちょっとがっかりです。ターミナル開くにも、いちいち Activities > アプリケーションボタン>"term" で検索して実行。今悪評の真っただ中の Windows8 並に使いづらいUIです。今までは壁紙から右ボタンでテキストターミナル開けたンだけどなぁ。がっかりしています。
runlevel editor は System Manager という名前になりました。困惑しています。
※追記:ここが init から systemd に変わった部分!
Default System Target で runlevel を決めます。
ホスト名とネットワークの設定項目がない
ここまでの流れの中で、
1) ネットワークの固定IPを設定する箇所がない。(DHCP)
2) ホスト名を設定する事ができない。(linux-xxxxxとなる)
3) XEN,KVMの選択、仮想化する/しないの選択がない。
の3か所に問題がありました。もっとも XEN ではなく Hyper-V 上で動かした罰なのかもしれませんが、ログを見る限り Hyper-V のドライバは読み込まれているので、これでOKなのでしょう。
1) はインストールが終わって YaST の Network Settings で固定IPにします。
2) は /etc/HOSTNAME を編集して再起動すれば、プロンプトが好みのコンピュータ名に変わります。
3) はベアハードウェアで試してみます。
最後に
かなり印象も変わったので今まで SLES9/10/11 に慣れていた人でも、一瞬「なんじゃこれ」というシーンがありました。「良くなった」と前向きに考えるか「使いにくくなった」と思うかは主観の問題でしょう。全体的に openSUSE に似てきたなぁ、という印象です。
幾分、インストールの手順や、用語、画面のデザインが変わったため、従来の運用、操作マニュアルなどは、変更する必要があります。 SLES10/11 では、多少画面のデザインが違う程度なので、笑ってごまかすことができました。
しかし SLES12 では、全面的に作り替える必要があります。
また、SLES11 よりサイズが小さくなった分、今までDVDに入っていたパッケージも幾つかはなくなっているはずなので、その点も注意が必要です。
ちなみに、カーネルのバージョン、リリース名などは以下の通りです。
sles12:~ # uname -a
Linux sles12 3.12.28-4-default #1 SMP Thu Sep 25 17:02:34 UTC 2014 (9879bd4) x86_64 x86_64 x86_64 GNU/Linux
sles12:~ # cat /etc/SuSE-release
SUSE Linux Enterprise Server 12 (x86_64)
VERSION = 12
PATCHLEVEL = 0
# This file is deprecated and will be removed in a future service pack or release.
# Please check /etc/os-release for details about this release.
sles12:~ #
今度は実ハードウェアに入れてみて、慣れていくしかないでしょうね。
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