2014年 11月 07日
ハマり所の事前チェック:SLES11 から SLES12 にアップデートしてみた
1) ウェルカムスクリーンまで時間がかかる。
Boot から周辺デバイスの認識まで時間がかかります。5分くらいかかったでしょうか。ロゴスクリーンが表示されなくて、ビックリしましたが、Boot のログが流れた後 F2 キーを押すと、黒いロゴスクリーンの代わりにちゃんと何かのF2の制御コードのテキストが表示されました。
そこからは、通常のアップデートの手順です。インタビューに答えながら、ほぼ現状の設定を引き継いでアップデートしてくれました。
アップデートするパッケージを置き換える作業なので、アップデートは時間がかかります。手持ちのPCでは約40分程かかりました。勿論CDからの読出しに時間がかかることは言うまでもありません。
2) 全体的に軽くなった。
特に起動と、シャットダウンは特に早くなりました。XEN 4.4 では従来のシャットダウンに伴う仮想PCの終了処理も高速なようです。
3) 特に指定しなければ gnome
私のように gnome ばかり使っている人にはこれでいいと思います。SUSE9/10/11 と gnome がデフォルトでしたので、これでいい。ただ、インターフェースがずいぶん変わってしまったのは残念です。
4) カーネルは 3.12.28 XEN は 4.41
sles12:~ # uname -a
Linux sles12 3.12.28-4-xen #1 SMP Thu Sep 25 17:02:34 UTC 2014 (9879bd4) x86_64 x86_64 x86_64 GNU/Linux
sles12:~ # cat /etc/SuSE-release
SUSE Linux Enterprise Server 12 (x86_64)
VERSION = 12
PATCHLEVEL = 0
# This file is deprecated and will be removed in a future service pack or release.
# Please check /etc/os-release for details about this release.
sles12:~ # rpm -qa xen
xen-4.4.1_06-2.2.x86_64
sles12:~ #
5) XEN 回りの変更
SLES12 の XEN 環境はそこそこに問題を抱えつつ無事移行しました。
5-1) xm -> xl コマンドに変更
/usr/sbin/xm コマンドは xl に
5-2) virt-manager に仮想マシンのリストが表示されなくなった。

これはちょっとのけ反りました。「リストにない」virt-manager に仮想マシンをリストアップするには、一旦仮想マシンをイメージを元に作り直す必要があります。/etc/xen/vm の仮想マシンの起動パラメータを見ながら、virt-manager から作り出します。
ちなみに、直接 xl create で仮想マシンを起動しても virt-manager にはリストアップされません。これも注意が必要です。 xl list を使うと動いているのが判ります。
5-3)
-f オプションを付けないと xl create できなくなった。
sles12:~ # xl create wsus
Failed to read config file: wsus: No such file or directory
sles12:~ # cd /etc/xen/vm
sles12:/etc/xen/vm # xl create wsus
Parsing config from wsus
WARNING: you seem to be using "kernel" directive to override HVM guest firmware. Ignore that. Use "firmware_override" instead if you really want a non-default firmware
WARNING: ignoring device_model directive.
WARNING: Use "device_model_override" instead if you really want a non-default device_model
sles12:/etc/xen/vm #
sles12:/etc/xen/vm # xl destroy wsus
sles12:/etc/xen/vm # cd
sles12:~ #
sles12:~ # xl create -f /etc/xen/vm/wsus
Parsing config from /etc/xen/vm/wsus
WARNING: you seem to be using "kernel" directive to override HVM guest firmware. Ignore that. Use "firmware_override" instead if you really want a non-default firmware
WARNING: ignoring device_model directive.
WARNING: Use "device_model_override" instead if you really want a non-default device_model
sles12:~ #
これまで xm create myvm を実行すると、デフォルトで /etc/xen/vm 以下のパラメータファイルを読みに行ったのですが、明示的に -f オプションを付けて指定するか、直接 /etc/xen/vm 以下で実行する必要があります。
また、上にあるようなちょっと変な警告が出ていますので、これは修正が必要かもしれません。動作に影響はありませんでした。
6) xming で yast2 が起動できない。
xming で接続はできますが、yast2 & を実行すると、強制終了しました。nautilus & は動きます。 SLES12 では今のところ movaXterm が推奨です。
アップデートインストールをしてみたセカンドインプレッションはこんな所です。
-参考文献-
SUSE Linux Enterprise Server 12 導入ガイド SUSE 公式
いずれにせよ XEN 回りはかなり変わってしまったので、もう一度レポートします。
そのほかの情報は
islandcenter.jp