SUSE Enterprise Server (SLES12) on SLES12+XEN 準仮想化

前回、Hyper-V 環境に SUSE Linux Enterprise Server 12 (SLES12) をインストールし、インストールの流れを見てみました。
SUSE (SLES 12) ファーストインプレッション

数年ぶりのメジャーアップデートなので SUSE Linux Enterprise Server 12 (SLES12) は様々な所でインターフェースが従来と異なっています。openSUSE 12/13 に近い感じです。バージョンは SLES12 ですが、細かな点は openSUSE 13 の技術が反映されています。これを「進化」と捉えるべきか、「改良」と捉えるべきか、「改悪」と捉えるべきかは、様々なご意見があるでしょう。

実際にインターフェースが異なるために SLES9/10/11 から SLES12 に移行すると戸惑う事が多いでしょう。その一つが XEN による仮想マシンの追加です。

yast2 > virt-manager より従来のアイコン "Create New Virtual Machine" をクリックすると
SUSE Enterprise Server (SLES12) on SLES12+XEN 準仮想化_a0056607_9283646.jpg


こんな画面が出てきます。ここでは選択肢として、

- ネットワークブート
- 仮想マシンのイメージのインポート

です。iso や 物理DVDからの作成はできない様になっています。しかし一番下の Paravirt を Full Virt に変えると ISO からのインストールができる様になります。
SUSE Enterprise Server (SLES12) on SLES12+XEN 準仮想化_a0056607_929285.jpg

「何! SLES12 は完全仮想化(Full Virtual)しかできないのか?」

とビックリする事になります。そこで、ネットワークブートする環境をどう構築するのか、という悩みにぶち当たってしまいます。

また "Create New Virtual Machine" から作成すると、仮想マシンの作成は ISO イメージを自動判別してウィザード形式で行われます。
SUSE Enterprise Server (SLES12) on SLES12+XEN 準仮想化_a0056607_9314936.jpg


SLES12 上で SLES を準仮想化(Para virt)するにはどうすればよいのでしょうか。

"Create New Virtual Machine" の右横のドロップダウンボタンを押すと "VM-Install" という項目が出ます。
SUSE Enterprise Server (SLES12) on SLES12+XEN 準仮想化_a0056607_9325351.jpg

ここからインストールすると、従来のインターフェースで仮想マシンの作成ができます。
SUSE Enterprise Server (SLES12) on SLES12+XEN 準仮想化_a0056607_9331819.jpg

勿論 ISO からのインストールも Full/Para Virtual の選択もできます。
SUSE Enterprise Server (SLES12) on SLES12+XEN 準仮想化_a0056607_9371691.jpg


この手順で準仮想化した SLES12 ではちゃんと XEN 用のドライバも読み込まれています。

linux-vugj:~ # cat /var/log/messages | grep xen
2014-11-07T05:57:34.348173+09:00 linux-vugj kernel: [ 0.000000] Linux version 3.12.28-4-xen (geeko@buildhost) (gcc version 4.8.3 20140627 [gcc-4_8-branch revision 212064] (SUSE Linux) ) #1 SMP Thu Sep 25 17:02:34 UTC 2014 (9879bd4)
2014-11-07T05:57:34.348331+09:00 linux-vugj kernel: [ 0.162190] xen_mem: Initialising balloon driver.
2014-11-07T05:57:34.348340+09:00 linux-vugj kernel: [ 0.162190] Switched to clocksource xen
2014-11-07T05:57:34.348445+09:00 linux-vugj kernel: [ 1.843152] xenbus_probe: Device with no driver: device/vbd/51712
2014-11-07T05:57:34.348446+09:00 linux-vugj kernel: [ 1.843153] xenbus_probe: Device with no driver: device/vbd/51728
2014-11-07T05:57:34.348447+09:00 linux-vugj kernel: [ 1.843154] xenbus_probe: Device with no driver: device/vif/0
2014-11-07T05:57:34.348454+09:00 linux-vugj kernel: [ 2.004701] xen-vbd: registered block device major 202
linux-vugj:~ #
linux-vugj:~ # uname -a
Linux linux-vugj 3.12.28-4-xen #1 SMP Thu Sep 25 17:02:34 UTC 2014 (9879bd4) x86_64 x86_64 x86_64 GNU/Linux
linux-vugj:~ #

実際に SLES12 on SLES12+XEN で仮想化してみると、SLES12 on Windows+Hyper-V より遥かに高速で、インストール時間も6割程度の時間で済みました。しかも動作自体が全く快適です。

Hyper-V の遅さ、激重さにはイライラします。Microsoft は真剣に NTFS に変わるファイルシステムを開発すべきであると実感します。
Hyper-V に手を出せない理由

もう少し解説してみました。
SUSE SLES12 の XEN仮想化管理

SLES12 の日本語導入ガイドはこちら
SUSE Linux Enterprise Server 12 導入ガイド

その他の情報は
islandcenter.jp
by islandcenter | 2014-11-08 09:55 | SUSE | Comments(0)