GroupWise 2014 R2 の SUSE Linux へのインストール

GroupWise 2014 R2 が 2015/12 にリリースされました。ということで早速インストールしてみました。

-環境-
SLES12 + XEN 環境にSLES11sp4 を構築しました。
- SLES11sp4 Paravirtual
- 512Mb メモリ
- 4vCPU
- 12G バイト仮想ディスク(インストール後は8.3Gほど使います)
インストールは SLES12 でも OS Requirement に適合しますが、デスクトップデザインが違うので SLES11 を選択しました。
https://www.novell.com/documentation/groupwise2014r2/gw2014_guide_install/data/inst_req_admin_hardware_os.html


インストールマニュアルはこちら
https://www.novell.com/documentation/groupwise2014r2/gw2014_guide_install/data/inst_front.html

- openmotif-

openmotif ライブラリは次のバージョンが同梱されていました。古いバージョンがあると勝手にアップグレードしてくれます。

./server/linux/x86_64/openmotif.64bit.rpm
./server/linux/x86_64/openmotif-libs-2.3.1-3.15.1.x86_64.rpm
./server/linux/x86_64/openmotif-libs.64bit.rpm
./server/linux/x86_64/openmotif-2.3.1-3.15.1.x86_64.rpm

ちなみに openSUSE のリポジトリから1クリックインストールする方法
https://software.opensuse.org/package/openmotif22-libs#

SLE Desktop のSDKからインストールする方法があります。
SUSE Linux Enterprise 11 SDK
https://www.suse.com/communities/blog/suse-linux-enterprise-11-sdk/

SUSE Linux Enterprise 11 Software Development Kit e-Media Kit
https://download.novell.com/Download?buildid=fQKpDcAhPVY&ref=suse

-インストール-

インストールはコンソールのGUI環境から行うのが良いでしょう。コンソールのデスクトップにインストール・設定用のアイコンが作成されます。SLES11 では問題ないのですが、SLES12 のデスクトップではこのアイコンが作られませんでした。この問題はまた後日検証したいと思います。

そこでテキストモードで起動している場合は startx を実行し、テキスト端末を開いてインストーラを起動すると CUI のインストーラが起動します。

まず、解凍します。

# tar xvzf GW14.2.xx.xx.xx.tar.gz
インストール先から ./install.sh を実行します。

言語を選択して
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Installation
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License Agreement > Agree
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GroupWise Server
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Install
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テキスト画面に切り替わり、インストールが開始されます。エラーがないか、画面ログをよくチェックしてください。


インストールが終わると、デスクトップにショートカットが作られます。
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中身を見てみましょう。

GroupWise Install は "/opt/groupwise/admin/gwadminconsole-launch.sh install" です。
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GroupWise Admin Console は "/opt/groupwise/admin/gwadminconsole-launch.sh" です。
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- 事前にドメインとポストオフィスディレクトリを作っておく -

インストーラからも指定はできますが、事前に GroupWise のストレージを作っておくと良いでしょう。実際には iSCSI NAS や SAN ストレージなどを別パーティションとしてマウントすることになります。ログディレクトリも別に作っておきます。

gpw2014:~ # mkdir /grpwise
gpw2014:~ # mkdir /grpwise/dom
gpw2014:~ # mkdir /grpwise/dom/logs
gpw2014:~ # mkdir /grpwise/po
gpw2014:~ # mkdir /grpwise/po/logs


- 設定 -

※ ブラウザアクセスは途中にプロクシがあるとうまく動きませんでした。

デスクトップの Install アイコンを起動すると FireFox が起動してインストールと環境設定が始まります。
Create a New GroupWise System をクリックします。
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システム名、作成済のドメインディレクトリ、日本時間、インターネットドメイン名、ホスト名をセット
- システム名は後に変更できません。 GWsystem などの一般的な名前がいいでしょう。
- Internet Domain Name は作成したユーザのデフォルトメールアドレスになるため、mycompany.co.jp などの FQDN 名を設定します。

言語は English のままにします。誤ってJapanese なんぞにすると、ログが意味不明、誤訳だらけの日本語ログとなってしまいます。
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管理用パスワード
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サマリを確認して作成

できました。
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- ポストオフィスの作成 -

Config アイコンから設定した Admin/password でログイン
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PostofficeからNew Postoffce を作成します
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PostOffice名、ポストオフィスディレクトリ、IPアドレス(FQDN)、日付と時刻

言語は English のままにします。誤ってJapanese なんぞにすると、ログが意味不明、誤訳だらけの日本語ログとなってしまいます。
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- リスタートしてみよう -

ここでいったん、GroupWise システムをリスタートしてみます。

gpw2014:/etc/init.d # ./grpwise restart
Shutting down [tokyodom] done
Shutting down [tokyopo.tokyodom] done
Starting [tokyodom]  done
Starting [tokyopo.tokyodom] done
gpw2014:/etc/init.d #


- test ユーザーを作ってみる-
Users > "New" からテスト用ユーザを作ってみました。
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- クライアントのインストール -
/xxxx/解凍先/Client/w32/setup.exe を実行して、クライアントをインストールしてみました。

"カスタムインストール" を選択します。

- デフォルトでは 英語/日本語がインストールされます。
- デフォルト起動言語は日本語です。
- デスクトップにアイコンを作るので、不要な場合はチェックを外します。
- スタートアップに Notify を登録するため、このチェックも外します。


- ログインしてみる -

Test ユーザでログインしてみます。
- ユーザ名: test/password
- サーバー: PostOffice IP アドレス: 1677

どうやら問題なく使えそうです。
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まだ「自宅」の誤訳は治っていません。

GroupWise 2014 で5分で見つかったプロパティの文字化けは治っています。(2014.sp2で修正済)
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- まとめ -
Google Apps のようなクラウドSaaSグループウェアに移行する組織が多い中、見事に L.A. 市職員3万人は Google Apps をあきらめて、GroupWise の利用を継続しているようです。大規模な組織ではいまだにグループウェアとしての利用事例があるようで、公共機関、公的機関などの GroupWise Web Access の入り口がいまだに見つかります。数十人規模から数万人規模まで、これほど使いやすいグループウェアはありません。

機能的には90年代後半にフィックスしたものなので、これ以上の機能アップは必要ないのかもしれません。そのせいか、GroupWise 6.5 をまだお使いのユーザさんもたくさんいるようです。

GroupWise 2014 以降 eDirectory との統合が解除されたため、インストール、設定の手順がすっかり簡単になったことは喜ばしい事です。また Fat Client があり、リモート環境、オフライン環境でも使えること。WebAccess のようなオンライン環境でもフル機能が使えることなど、メリットは大きなものがあります。残念ながらノベル株式会社は積極的な販売、サポートは行っていませんが、インストールで大きなトラブルになることもありませんでした。英語でもサポートが必要であれば、直接 Novell Inc. に問い合わせればよい事です。

GroupWise は Google Apps などの SaaS クラウド型コミュニケーションツールではなく、組織内部のコミュニケーションツールであるため、一般的な利用方法では、「デフォルトで公開」されることもなく、セキュリティが保たれます。

次は GroupWise と Ldap (eDirecotry や Microsoft Active Directory) との統合を行ってみます。


islandcenter.jp


-Keyword-
Novell GroupWise 2014 R2 How to install on SUSE Linux
by islandcenter | 2016-01-27 11:00 | GroupWise | Comments(0)