OES2018 既存 eDirectory へのインストール

OES 2018 は、初めて Micro Focus ブランドで出た、SUSE Linux 12 sp2 をベースとする、ファイルサーバー専用のアドオンソフトウェアです。

従来のOESでは、SLESのメディアと、アドオンメディアが分離していたため、はじめに SUSE (SLES) をインストールして、その後、Add On を導入する流れでした。

今回 OES2018 より、1枚のインストールDVDとなり、インストール作業から、カスタマセンターへの登録、サブスクリプション登録まで一意の操作で行う事ができるようになっています。

SUSE の Micro Focus からのスピンアウトがどの様な影響になるのかは分かりませんが、OSメーカーではない Micro Focus が簡単にSIビジネスの根幹である Linux ディストリビューター大手の SUSE と完全に手を切ることはなさそうに期待したいものです。また北米の Novell 部門と SUSE 部門が同じユタの Provo に拠点があるようなのでご近所よしみで SUSE/Novell のお付き合いをうまくやってもらいたいものです。

インストールの全体の流れは動画をご参考ください。(やっと Mac にも慣れてきた....)

OES2018 Install (1) インストール



まず、ブートして "Micro Focus" ロゴにやられます。

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いきなり Micro Focus の Micro Focus CC (旧NCC)に登録する画面が出てきます。まずはインストールして確実に動かすことが先決なので、この作業は後回しにします。

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インストーラもカスタマイズされ、/ (ルート) パーティションは、 BtrFS ではなく EXT4 でフォーマットされます。OES では、システムのスナップショットは必要ない、という事でしょう。気が利いています。

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再起動後の Grub の画面も "Micro Focus" です。

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systemd を text mode に設定したので、インストールが終わった後のネットワーク設定はテキスト版 yast で行います。

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SLESにはない、インストール画面ですね。この中で、 yast のメニューのインストールなどが行われるようです。

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一旦、ネットワークの設定が終わったら、

# startx

で、GUIを起動します。

OES 2018 Install (2) インストール




ここからはコンソールではなくSSHを開けておけば、リモートでも作業できる、という事です。

壁紙にも "Micro Focus" が主張しています。

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yast2 のメニューに ”OES Install and Configuration” のアイコンが出てきました。

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左のペインに、OESの各種機能がリストアップされます。最低限欲しいのは NSS (Novell Storage Service) です。これをチェックすると NetIQ eDirectory はじめ、最低限必要なコンポーネントがチェックされます。一応、iManager(なぜか Novell iManager なんだな) もチェックしておきましょう。

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- さてここで事前に準備、チェックする事 -

ここで、インストール前にチェックして問題となる点を十分修正しておきます。

- インストールするサーバーのネットワーク構成が正しい事。サンプル動画の様に、DNSのアドレスが違っていたり、デフォルト G/W が間違っていると、インストール中にトラブルが出ると厄介なことになります。

- NTP の設定は確実に行うべし、 eDirectory は時刻同期にシビアなので、インストール中にトラブルが出る場合、大抵は時刻同期が問題の大元だったりします。

- ndsrepair -T と ndsrepir -R を実行して、eDirectory にトラブルがない事。特に ndsrepair -T をパーティションリング内のすべてのサーバーで実行し、時刻同期に大きな障害がない事を確認しておきます。時刻同期にエラーがあると、かなりの確率で、サーバーの追加作業に失敗します。

- 最後に、各リング内のサーバーで ndsrepair -U を実行し、エラーが確実にない事を確認します。


それでは、eDirectory コンポーネントを導入します。

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NTPサーバーの設定を忘れた場合、この画面で追加できますが、NTPと正しく同期できているかは確認できないので、やはり事前にNTPの接続確認しておくことが王道となります。

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既にあるツリーに接続します。
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これは、新規にインストールするサーバーのコンテナを選ぶ作業。 Browse ボタンから、サーバーコンテナを選びます。デフォルトは o=org なので、そうなると
o=org の下が「お祭り状態」となり、後々面倒なことになるので、絶対に、専用コンテナを選ぶ事です。

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サマリからインストールします。200人程度の小規模なネットワークであれば5分くらい、数千人の巨大なツリーの場合、数十分かかります。もっとも巨大なディレクトリツリーでも数百人規模にパーティション化されていれば、同期コストは低く抑えられるので、10分程度で終わるはずです。

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iManager からディレクトリブラウズすると、サーバーオブジェクトと、SYSボリュームオブジェクトが見えました。

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これで、eDirectory ツリーへの新しいサーバーの追加の全体の操作の流れです。操作の詳細は動画にまとめたので、お時間があればご参考ください。

OES 2018 SP1 Install ファーストインプレッション





by islandcenter | 2018-07-12 15:56 | OES Linux | Comments(0)