SUSE Linux Enterprise 15 (SLES15) のインストールとファーストインプレッション

7/19 に SUSE より SUSE Linux Enterprise 15 (SLES/SLED15) が公開されました。このバージョンから、SLES/SLED の区別、HPC用、SAP 用バリエーションの区別がなくなり、インストールメディアは統一されています。インストールの際の選択で、必要なバリエーション、パッケージグループがインストールされるようになりました。

Download はこちら、SUSE の無料アカウント登録が必要です。

ただしパッケージが統合されたため、ダウンロードサイズは openSUSE Leap15 と比べても、およそ20Gb という巨大なものとなっています。インストールメディアは1枚目700Mb、二枚目 1.1Gb、パッケージディスクが 7Gb と 11Gb となっています。サイズが大きいため、ダウンロードはブラウザからではなく、ダウンロード専用の、レジューム、再開ができるフリーウェアなどを使ってマッタリと落とすのが良いでしょう。

ドキュメントはこちら

Documents

インストレーションのクイックスタート文書は必ず目を通しておいてください。

Installation Quick Start

1枚目のインストーラだけでは、インストールの最初にサブスクリプション登録をしないと、最低限必要な System Role が選択肢になく、インストールできません。本当の OS 部分だけしかインストールされず、YaST もないので、インストール作業した後は

「唖然!」

となってしまいます。

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何しろ7Gbのパッケージディスクですから、オンラインでインストール中に、ネットワークのセッションが切れたり、パッケージのダウンロードエラーなどがあると怖い事になります。

また、大量にインストールするようなケースでは、ネットワークの回線容量が不安です。そこでオフラインでインストールしてみます。

クイックインストールマニュアルに、オフラインインストールのいくつかのトピックスがありました。

1.2 Installing without Registration


In this case the command to use would be for example:
dd if=/tmp/SLE-15-Packages-x86_64-DVD1.iso \ of=/dev/sdc1 bs=4M && sync


On the Add On Product dialog, activate I would like to install an additional Add On Product and specify the source for the SLE-15-Packages ISO image. Check Download repository description files to download the files describing the repository now. If deactivated, they will be downloaded after the installation starts. Proceed with Next. If you chose DVD as the data source, you will be prompted to insert the media.

つまり、SLE15 パッケージディスク(7Gb)をUSBメモリ(上の例では /dev/sdc1)に展開して、 Add On Product のスクリーンでUSBメモリのパスを指定してあげると、Base System 以外の Desktop Application モジュールもインストールできる、という事です。

7Gb 弱あるISOイメージを展開する手段として、8Gb のUSBメモリを用意しろ、という事です。コンソールが使えないので、 USB メモリがどの名前のデバイスなのか、確認のしようがない......

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今回は仮想環境で行ったので、Add On Product のスクリーンで、"DVD...." を選び、仮想DVDメディアをチェンジしました。
7Gb の ISO は事実上、単層 DVD 化できないので USB メモリを使えという事になりますが、手元にある光学デバイスが片面二層か両面の書き込みができるDVDか、 BD装置であればブルーレイか、 片面二層DVD に7Gbのメディアを書き込んでメディア交換してベアメタルサーバーにインストールできそうです。



- 仮想環境でのインストール -

それではインストールしてみます。

まず1枚目の 700Mb のDVD で起動します。起動すると、自動的に SUSE のレポジトリから、最新のインストーラパッケージがダウンロードされます。

インストール全体の流れは動画にまとめました。


まずは "Install"

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ここでまずインストールする言語、キーボードタイプを選び、キーボードの打鍵テストをします。

インストールするパッケージ(ここでは SLE Server 15 )を選びます。

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License Agree をチェックして次へ

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サブスクリプション登録画面です。ここでオンライン登録すると、レポジトリが更新され、パッケージがインターネット回線からダウンロードされて、全てのインストールが行われます。私の様に回線が細い場合は、オフラインインストールするため、ここで登録をスキップします。パッケージメディア(7Gb)のメディアを用意してください。


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Add On Product スクリーンが出てきたら、 "I would like to ....." をチェックして、インストールメディアとして ”DVD...” をチェックします。メディア交換のダイアログが出てくるので、インストールDVDからパッケージDVD1(7Gb)にデバイスを交換します。

ここでは HTTP も使えるので、手元に HTTP サーバーがあれば、パッケージDVDの中身を事前に HTTP サーバーにコピーして展開するという方法も使えそうです。

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今回はKVM環境だったので、CDROM デバイスからマウント済の一枚目のインストールメディアを Disconnect して、パッケージISOを選んで "Connect" します。

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ここで "Available Extensions ....." を選びます。最低限の "Basesystem-Module...." と "Desktop-Applicaition-Module..." の二つをチェックします。追加で別なバリエーションを選ぶとパッケージの依存性の競合が報告されます。最低限のSLESのインストールのためにはこの二つのチェックが問題ないようです。

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System Role です。パッケージDVDを選択しなかった場合は "Minimal" しか出ません。ここでは "SLES With GNOME" がデフォルトチェックされています。次へ

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パーティションの設定のプロポーザルです。デフォルトで (/ ルート) は BtrFS, /home は XFS で別パーティションになっています。目的にもよりますが、/home はまず使わないので削除して、全て / - BtrFS にすることにします。"Expert Practitioner" を開いて、パーティション構成を変更します。

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Expert Practitioner から、/home を削除して、/ をリサイズしてマウント、 BtrFS でフォーマット(Fフラグ)を設定しました。

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おなじみのタイムゾーンの設定です。地図の”Tokyo” あたりをクリックして、Asia/Tokyo にセットします。私は必ず"Hardware Clock Set to UTC" のチェックは外します。CMOS クロックまでUTC化するUTC運用であれば、チェックが入ったままでも構いませんが、JST運用したり、滅多にない事ですが、Windows 系OSと二重ブートする場合は、必ずチェックを外します。”夏時間になったらUTCも設定しなおす必要があるけどどういうもんですかね?”という警告が出ますが日本では夏時間がないので無視して構いません。

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オペレータアカウントを作成します。root しか使わなければスキップしても構いません。

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root のパスワード設定です。誤って Num Lock されていたり、CAPS Lock されていないか、特殊キーが認識されているか確認します。

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インストールサマリです。GNOME デスクトップや YaST がインストールされているかどうかチェックしましょう。ここでは Firewall/Disable, Kdump/Disable にしています。

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いよいよ、ファイルコピーとインストールが開始されます。

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インストールの途中で、インストールディスク1枚目へ交換する必要があります。
今回の構成では、パッケージDVD -> インストールDVDの交換だけで済みましたが、System Role の構成によっては、パッケージDVDの二枚目を要求する場合などもあるかもしれません。

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コピーが終わり、ブートローダーを作成すると、リブートされます。

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無事ログイン、デスクトップが起動できました。

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YaST も使えました。

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その後、IPを固定して、ntpd の設定を行います。


SUSE 15 (openSUSE15 , SLE15)には ifconfig コマンドが無くなりました

仮想環境や Apache をインストールする場合、このままではインストールできません。こちらの続きをご参考ください。

SUSE Linux 15 (SLES15) でKVM/XEN仮想環境をインストール。


- インストールファーストインプレッション -

ある意味では、一枚目のDVD(700Mb)だけあればサブスクリプションの登録から、パッケージグループのインストールまでできてしまうので、オンラインインストールは便利でしょう。おそらく SUSE としては、これを売りにするでしょう。

しかし回線が細かったり、不安定だと、途中でインストールに失敗したり、インストールだけで何時間もかかる可能性があります。完全で安全なインストールを考えると、オフラインインストールをして、後でアクティベーション、アップデートした方が安全確実で時間はかからないかもしれません。オフラインインストールなら、基本的なデスクトップパッケージだけであれば、性能にもよりますが、20分程度の作業です。

ただし、オフラインインストールは準備が大変である事、7Gbあるパッケージディスクをどう準備するかという問題があります。

今回はKVM環境でのインストールなので、メディアの交換は問題なくできましたが、ベアメタルにインストールするなら、7Gb 弱の ISO を展開できる、二層DVDを用意するか、8Gb の USB メモリを用意するか、リポジトリ配信サーバーを構内LANに用意する必要があります。

デザイン全般では、openSUSE Leap 15 とほぼ同じで、YaST のインターフェースも SLES12 より使いやすいものになっています。もっともサーバー目的なら、Full Multi のテキストブートがほとんどでしょう。あまりサーバーの GUI 起動状態は好ましくありません。

また、各SLES/SLED の各バリエーションが単一のソースで提供され、分かりやすいと言えば分かりやすいですが、反面、どの Role をインストールするのか分かりにくいという事も言えそうです。

今回の SUSE 15 から openSUSE Leap15 -> SLES/SLED15 へのマイグレーションが簡単になったという事も、売りするでしょう。よく言えば、いかにも大規模システム向けの SUSE Linux らしい方向性です。

SUSE Linux 15 YaSTの基本 (openSUSE Leap, SLE)

openSUSE 15 と SLE15(Enterprise 版)の違い

SLES12 から SLE 15(SLES15) へのマイグレーション

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by islandcenter | 2018-07-22 15:54 | SUSE | Trackback | Comments(0)