SUSE Linux 15 (SLES15) でKVM/XEN仮想環境をインストール。

前回、新しく公開された SUSE Linux Enterprise (SLES15/SLED15) のインストールをしてみましたが

SUSE Linux Enterprise 15 (SLES15) のインストールとファーストインプレッション

SUSE Linux: SLES 15 リリースノート(bata)を読んでみた。

Windows 2019 Server を SUSE Linux 15 (SLES15)+KVM で仮想ドライバを使って最適な仮想化

KVM on SUSE(SLES12) で仮想インスタンスの作成


このままでは、ハイパーバイザーのベアメタルインストールも、Apache も動かない事が分かりました。

そこで、今回は修正版と言うか、KVM やXEN, と HTTP サーバーも動かしてしまおう、を目標にいくつか補足情報を書いてみます。


- インストール用リポジトリ -

インストール用リポジトリは、サブスクリプション登録を行ったとき、購入したサブスクリプション(派生バリエーション)に応じたリポジトリが登録され、直接SUSEのサイトからダウンロードされる仕組みになりました。しかしこの方法では回線の都合で、パッケージのダウンロードに失敗したり、数Gbのパッケージのダウンロードに気の長い「待ち」が必要だったり、同時に何台ものサーバーをインストールすると、回線が逼迫するなど、副作用が多いと予想されます。

そこで、事前にパッケージの中身を、二層DVDやブルーレイに焼くか、USBメモリに展開するなどの方法が、クイックスタートマニュアルに書かれていますが、一番お手軽な方法は、手元に他の HTTP サーバーがあれば、この中にISOを展開してしまう方法です。SLES の場合

# mount -o /ISO-PATH/xxxxx.ISO /srv/www/htdocs/sles15/xxxx

と、ISO ファイルを HTTP サーバーに展開してしまえば、下の "Add On Product" 画面で、HTTP を選び http://server/sles15/xxxx と配信アドレスを設定すればOKでした。

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問題は次の "Extension and Module Selection" の項目です。この画面は一度しか出てきません。後でYaSTで追加、修正するのも面倒なので、十分注意してチェックする必要があります。

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- Basesystem Module
- Desktop Application Module

の二つは必須ですが、これだけでは yast から、KVM/XEN を構築できませんし、Apache のインストールも失敗しました。
KVM/XEN 環境と LAMP な HTTP サーバーを構築するには、

- Server Application Module
- Web Scripting Module

をチェックする必要があります。

また、サードパーティ製ドライバでコンパイルが必要なハードウェアがある場合は ”Development Tools Module” もチェックしておきます。特にサードパーティベンダーのドライバの場合、パッチの当たっていないカーネルソースを使って開発されている場合があり、公式リポジトリからダウンロードされた最新のカーネルソースではコンパイルできないというケースがありました。できれば、その様な事がないように、「素の状態」からコンパイル、インストールする方が安全かもしれません。



次の System Role の画面で、Server Application module をチェックしたので、前回は出てこなかった KVM と XEN のハイパーバイザーの選択肢が出てきました。ここではノーマルに "SLES with GNOME" を選択しますが、後に、YaST から仮想環境を追加インストールできます、なお、Proposal Partition が定義されますが、ハイパーバイザー運用するためには、のちのパーティション設定で変更すべきでしょう。VMイメージは /var/lib 以下に作成されます。別パーティションとします。

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インストールサマリから "Software" リンクを開きます。

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XENと KVM の Virtualization Host and Tools が未チェックなので、XEN/KVM を排他的に(どちらかだけ)選択します。

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ここでは LAMP 環境も使う事を前提に "Web and LAMP Server" もチェックしました。

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ここまでのインストール開始から KVM or XEN のインストール手順は動画にまとめました。




インストールが終わったら YaST の Visualization > "Install Hypervisor and Tools" を起動して

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Libvirt LXC deamon をチェックしてインストールします。

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Network Bridge がインストールされるので、以後、仮想マシンを動かす際はこのブリッジ経由でネットワークに接続します。

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SLES15 から Virt-manager は YaST メニューから無くなったようです。コンソールから "virt-manager &" を実行して GUI を起動します。

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仮想 VM のインストールもできそうです。ただし KVM on KVM はプレビュー版なので、いろいろ制限があるのか、うまく動きませんでした。決して KVM on KVM は実用的とも思えないので、あまり期待しない方が良さそうです。

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- System Role の追加 -

System Role はインストール時に一度だけ選択画面が出ますが、「忘れてしまった!」場合、System Role を追加したい場合は、 YaST > Software > Software Repositories から、HTTP サーバーの SLE Package DVD1 のディレクトリを追加すると Extension の追加ができます。

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後に、開発環境が必要になった場合、この様に Extensions の中から "Development Tools を選んだり、使い慣れたレガシーコマンド(ifconfig など)を追加する場合、ここで "Legacy Module" を追加できます。

SUSE 15 (openSUSE15 , SLE15)には ifconfig コマンドが無くなりました

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初めてインストールした時は随分変わったな、という印象がありましたが、割と簡単に別な役割( System Role ) を追加する事が出来ました。この状態で必要なデバイスドライバをコンパイル+インストールして、大雑把なところで問題なく動作したら、 SUSE Customer Center (SCC) でサブスクリプションの登録と、YaST Online Update でパッチのダウンロードを行います。

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by islandcenter | 2018-08-01 16:51 | SUSE | Comments(0)