2019年 06月 29日
SUSE Linux Enterprise 15 sp1(SLES15 sp1) インストール :ファーストインプレッション
SUSE Linux Enterprise 15 sp1 (SLE15sp1 /SLES15sp1) の配布が始まったので、さっそくインストールしてみました。
spなしの SLE15.0 はこちらをご参考下さい
SUSE Linux Enterprise 15 (SLES15) のインストールとファーストインプレッション https://islandcnt.exblog.jp/238668681/
openSUSE Leap 15.1 はこちらをご参考下さい
openSUSE Leap 15.1 インストールとファーストインプレッション https://islandcnt.exblog.jp/239244204/
メディアサイズは約 22Gb あります。インストールDVDが2枚、パッケージDVDが2枚です。 ユニバーサルインストーラなので、この1セットで SLE の全てのパターンがインストール可能です。ただしサイズがでかい。 インストールDVD2枚はそれぞれ1G程度、パッケージDVDは8Gと11Gbです。もはや DVD.ISO とは言えないサイズとなりました。 ダウンロードはこちらから、無料のアカウント登録が必要です。 SUSE Downloads https://download.suse.com/index.jsp インストールDVDはまぁ片面一層DVDで良いのですが、パッケージDVDはブルーレイが必要ですね。もっともシンプルにインストールするだけであれば、インストールDVDの1枚目と、パッケージDVDの1枚目しか使いません。 またオンラインでサブスクリプション登録を行えば、インストールDVD1枚目だけで、後はリポジトリからインストールできるのですが、サイズがアレですから、途中で失敗したときのペナルティが大きい。 ここは呑気に22Gbまったり落として、手元の HTTP サーバーに展開しておきました。
# mkdir /srv/www/htdocs/sles15sp1 # mkdir /srv/www/htdocs/sles15sp1/pkg1 # mount -o loop <pat-from>SLE-15-SP1-Packages-x86_64-GM-DVD1.iso /srv/www/htdocs/sles15sp1/pkg1
物理メディアよりは、HTTPかFTPサーバーを用意した方が、繰り返し練習したり、テスト環境構築には便利です。本番運用する前のテスト段階で、SCCのサブスクリプション登録とYOU(YaST Online Update)をすると良いでしょう。 サブスクリプション購入はこちら
SUSE LINUX Enterprise Server www.suse.com/shop/
ブラウザでダウンロードするより、何か使いやすい http ダウンローダーを使うと良いでしょう。私は BitCommet の HTTP ダウンローダーを使いました。 ちなみに、SUSE も Novell もそうなのですが、ダウンロードリンクは、リダイレクト URL で、有効なのは12時間位です。それ以上ダウンロードにかかるようであれば、途中でダウンロードエラーになります。できるだけ回線のトラフィックが静かな、深夜にダウンロードするのが良いでしょう。 リリースノートはこちら SUSE Linux Enterprise Server 15 SP1 Release Notes https://www.suse.com/releasenotes/x86_64/SUSE-SLES/15-SP1/
インストール全体の流れは6分ちょっとの動画にしました。(派手に音出ます)
インストールDVDから起動します。
言語と、キーボードチェックです。今回、言語は English キーボードは 101 KB です。インストールする SLE のバリエーションをチェックします。 SLES 15sp1か、他のバリエーションかをここで選びます。
ここで、"Registration" すると、オンラインのリポジトリが使えますが、インストールに恐ろしく時間がかかるので、スキップします。
Addon プロダクトのインストールです。ここでアドオンをインストールしないと「!?」な状態、ほとんどカーネルしかインストールされないので、アドオンをインストールします。物理メディアのDVD(たぶんブルーレイですね)がなかったので、 パッケージDVDのISOを HTTP サーバーに mount -o loop で展開した状態で準備した、ローカルサーバーを使いました。
HTTP を選んだので Package DVD1 の iso を展開した HTTP サーバーのURLをセットします。
この状態で Server Role の選択ができます。最低限、YaST や Zypper が使えるように- Base System- Desktop Applicationの二つはチェックしておきます。追加で- Server Application Moduleもチェックします。
SLE 15.0 よりいくつか選択しが増えました。
Server Roleを決めます。ここでは gnome Desktop を選びます。YaST さえ使える環境であれば、後で何とでもなります。まだ用途が決まっていない場合は、 gnome Desktop をとりあえず入れておきます。ちなみに SUSE Linux Enterprise Server は gnome デスクトップだけです。 SLES ではなく SLED(Desktop)の場合はもっと選択しが増えます。(たぶん)
パーテイションのプロポーザルが出てきました。ここでパーティション構成を変える場合は、Proposal から変更するため Partitioner を起動します。
時刻と地域の設定です。地図の中から、大体東京あたりをクリックし、地域を Asia/Japan にします。 Hardware Clock set to UTC はいつもチェックを外します。JST運用ではなく UTC 運用する場合は、このチェックは残しておきます。
オペレータ名とパスワードの設定です。openSUSE と異なり、ユーザパスワードはそのままでは root パスワードにならないのがデフォルト設定です。
root パスワードをセットします。必ずテストフィールドでキーチェックします。間違って Caps や Num Lock されている場合があります。
インストールサマリです。ここでイキオイ余って Install ボタンを押してしまうと、後戻りできないので、よく説明を読んでチェックします。Fire Wall は無効にし SSH を有効にしました。既に、インストールが決まっているパッケージがあれば、 Software リンクから追加します。また、systemd の起動時のターゲットをテキストモードにしたい場合はここで変更します。今回は、グラフィカルモードにしました。後で YaST でも変更できます。
インストールが始まります。ローカル環境に一時的なリポジトリを作ったので、インストールは10分程度で終わり、再起動します。
root でログインして、 gnome デスクトップが出てきました。YaST と Terminal アイコンをツールバーに登録しておきます。
YaST > System > Network Settings で、IPアドレスの指定と HOSTNAME の指定を行います。SLE Server の場合、デフォルトで Wicked ネットワーク設定です。この辺りが openSUSE Leap 15.1 との違いです。
NTPの設定をします。 openSUSE Leap とは違い、デフォルトでは設定されていません。必ず設定するようにしましょう。。
NTP の設定が終わりました。
インストール自体は、以前のバージョン SLE15.0 とほとんど変わらず、使ってみた感じは openSUSE Leap 15.1 と変わらずです。ただ、ユニバーサルインストーラって、アレだなというか、とにかくサイズがでかい。インストール時のトラフィックの大きさを考えると、リポジトリの専用サーバーは欲しいですね。とりあえず、ここまでは openSUSE Leap 15.1 と同じ YaST の日本語の文字化け以外は、目に見える目立ったバグもないようです。デフォルト言語を日本語にしないと見つからないバグなので、お客さんには黙っておきましょう。