2019年 08月 16日
EaseUS Todo Backup Home 11.5は Robocopy より使えるか
私にバックアップポリシーは、「増分、更新分を Robocopy でバッチ処理でコピーする」で、「同期はしない」です。つまり誤削除や誤った上書きが怖いわけです。また、二か所以上、二世代のバックアップ。オフラインメディアにもバックアップを取る。これが重要だと思います。ネットワークの共有領域にコピーを置いておくと、致命的な操作でバックアップも失われる危険があります。ただでさえ、惨事の最中は皆んなテンパっているものです。という事で、一般に出回っている、コンピュータのバックアップソフトウェアはどうなのかな、と試してみました。
ただ、「Robocopy って便利だよ」って、伝えられない、一般的なPCユーザーもいるんですね。
EaseUS Todo Backup Home 11.5無料ダウンロードを選択落としたら、ファイルを開いてウィザードに従いインストールします。インストールの際にバックアップターゲットの指定。ここではローカルディスクしか選択できません。samba にバックアップしたいんだが....外付けHDDが必要です強引に samba サーバーのパスを設定しました。
テストとして、バックアップソースは Thunderbird のプロファイル(3G弱)を指定してバックアップします。細かなファイルが多く、Robocopy では時間がかかる部分です。起動します。EaseUS Todo Backup Home 30日間の試用です。一応、30日間は全機能が使えるという事でしょうか。EaseUS Todo Backup Home の左上の三本線からメニューを立ち上げます。「ファイルバックアップ」を選び、Thunderbird のプロファイルディレクトリを選びます。EaseUS Todo Backup Homeは、デフォルトで、圧縮:標準、分割:自動です。分割を選ぶと、CD-Rや DVD-Rのサイズを選べます。バックアップ先がFATフォーマットの場合4Gbで分割されます。EaseUS Todo Backup Home のバックアップを開始してみました。細かなファイルが多いので、あまりパフォーマンスは出ません。 20Mb/Sec 程度です。受け側の Samba サーバーのトラフィックを zabbix で見てみました。やはりファイルが小さいと遅いですね。試しに、ISOなど、大きなファイルが多いフォルダを「圧縮なし」でバックアップしてみました。ほぼディスクの性能いっぱい。かなり高速です。バックアップは、ファイルのトータル量ではなく、サイズに左右されるのは仕方ありませんね。バックアップが終わりました。EaseUS Todo Backup Home では約14分20秒かかりました。2.9Gbの Thunderbird のプロファイルが 2.2G 程度に圧縮されました。速度は Robocopy より、地味に速そうです。ちなみに圧縮を「最高」にすると1.2Gほどに減りました。ただしCPUの負荷は大きい。
EaseUS Todo Backup Home のリストアのメニューです。バックアップジョブの中から「復元」を選びます。エクスプローラから、保存先の *.pbd ファイルを開いて、そこから「単品リストア」もできるようです。また、pdb ファイルから、ドラッグ、ドロップでファイル単品を「コピー&ペースト」できます。これは地味に便利です。EaseUS Todo Backup Home のバックアップは時間指定と、フル、差分、増分バックアップを指定できます。(常駐させないとダメなのかな、それともタスクスケジューラに登録されるのか)ただでさえ重いと悪評の Windows10 が重くなるなら、考え物です。完全/増分/差分バックアップの違いと設定方法EaseUS Todo Backup Home でNASへのバックアップもできます。
- バックアップジョブの管理が面倒。- File to File ではなく、File to Image なので、リストアの確実性に怖さがある。(アーカイブには向かない)- オンラインヘルプしかない。しかも詳しくない。地味に使い方が分かりにくい。- バックアップの管理とリストアの機能が弱い。- 二世代バックアップ、別メディアへのバックアップをするにはかなり難しそう。- 地味にネットワーク経由のバックアップがし辛い。出来るけど中途半端なつくり。- システムがアイドリングしている間に、アンアテンドバックアップできない。- バックアップやリストアの確認ダイアログがないのでイキなり始まる。リストアも確認なし。ちょっと怖い。バックアップソフトウェアの需要な点は- オペレータが意識しなくても自動化できる- 常に重要なバックアップセットを最低二世代以上保存できる- オフラインメディアが利用できる- リストアを確実にできる事といった点ですが、やっぱりバックアップソフトウェアの「一番難しいトコロ」が簡単すぎて逆に分かりづらいところは、残念です。ITエンジニアが一番やりたくない。あるいは惨事復旧してみて、一番メンタルにトラウマを発生させた作業が、リストア作業なんですね。こういったクリティカルなソフトウェアは、開発者が自ら「ドッグフード」を食べているのか? という点が評価ポイントです。もっと「バックアップとリストア」に特化してくれると嬉しい。でも、初心者には「わかりやすい」ところも大事なので、その点は、まぁいい線行っていると思います。
- システムバックアップ(戻せるかは運次第でしょう)- ディスク、パーティションバックアップ(現実的な選択)- メールバックアップ(Outlook な人向け)- ディスクのクローン(ディスクの換装とセットで使えそう)- データシュレッド(ディスク破棄前にやっておきたい)- WindowsPE ディスクの作成(地味に重要)- iSCSI (地味に嬉しいが、これなぁに、と言う人には全く意味がない)
評価版から入って 3,980円 は安いと思います。ただ、 Robocopy 運用出来ている私の立場からすると、価格相応でバックアップの機能だけならいらないかな、と言う感じです。少なくとも、今のデータ保護ポリシーで満足しているなら必要はありません。でもその他の機能が豊富なので、その点はいいですね。エンタープライズの IT部門のベテランには帯に短したすきに長しという感じです。Home 向けですからITプロならもっとお金を出して別を探せという事です。素人さんには手軽でいいと思いますが、バックアップソフトウェアはリストアが命。リストアは惨事復旧の要です。時間かけてリストアして、更にややこしい問題が出ては本末転倒です。この辺が機能的にもヘルプもナレッジベースもないので弱い。素人さんでもリストアが容易かどうかが判断の基準でしょう。システムのバックアップは取っておいても、どうせリストアしても、まともにシステムが動くとは思えないので、ディスク丸ごとクローニングした方が無難かもしれません。この機能は重要でしょう。ここはポイントが高い。バックアップ用ソフトウェアや手段は、沢山あるので、余分な機能で差別化が必要なのですね。機能としては、必要十分ですが、イメージファイル一品ではなく、ディレクトリ丸ごとの形式で、ファイルとして別々に「バックアップコピー」してくれるモードが欲しいですね。あるいは ZIP 形式や rar などの一般ファイル形式にしてほしい。ある意味、バックアップとリストアに特化した方が分かりやすいかもしれません。データのバックアップは、単に、ローカルディスクのファイルをバックアップするだけではなく、「アーカイブして移動」する機能が欲しいわけです。特にノートPCの 256Gb のSSDでは、容量が圧倒的に少ない。ローカルファイルを、構内ネットワークの「どこかに」別々なメディアにオフラインで保管することは重要です。この機能がない。バックアップの世代管理や、リストアの「判りやすさ」(簡単さとは違う)は重要です。独自形式のフォーマットではなく、Windows なら VHD や ZIP 形式など、汎用性の高いアーカイブ方式であれば、リストアの安心感がありそうな気がします。企業レベルで使うなら、一つの運用ポリシーで、エンタープライズ版をお勧めします。PCが30台以上あれば、これで10万円チョットは安いでしょう。