zabbix5 でインターネットの疎通、監視、リモートワーク時代の「ネットが遅い」をチェック

openSUSE 15.1 に入れた zabbix5 で、インターネットの疎通、サービス状態の確認をする方法です。

この春先から、どうもインターネット接続が遅かったり、切れたりする症状に悩まされています。その都度、google なんかに ping して、レスポンスを確認してたのですが、メンドクサイ。何しろ「リモートワーク」の時代。地方拠点から本社への出張なども憚れると、どうしても気になるのはインターネットトラフィックです。

その後の新型コロナウイルスのフレッツトラフィックへの影響


という事で openSUSE Leap 15.1 で動いている zabbix5 に、外部サービスの死活監視、ping の応答時間などをチェックさせてみました。

How to setup zabbix4.2 on openSUSE Leap 15.1 セットアップ
https://islandcnt.exblog.jp/239366228/

zabbix4.2 を zabbix5.0 アップデート openSUSE Leap 15.1
https://islandcnt.exblog.jp/240337666/

対象は

- Google などの海外の大手
- Google DNS の様な巨大インフラへの Ping 監視
- 契約先の経路の短い Web サイトの HTTP 監視
- 契約先の経路の短い NTP サーバーへの Ping 監視

などを、可視化できないものか試してみました。



- Zabbix5 で HTTP サービスと PINGの監視 -

左のメニューから、Configuration > Hosts > リストが出てきたら、 Create Host
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Host Name と group はとりあえず Google で Linux Servers、Interfacesは Zabbix Agent を remove して とりあえず IMPI、ホストのDNSを設定して Port は443 をセットして "Add" ボタンを押します。この辺りは適当でかまわないかも.....

次に左上の"Template" メニューを開きます。

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Link new templates から "select" ボタンで”Linux Server” > Template App http や https サービスをチェックします。

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ping もチェックしたいのなら Template ICMP Ping もチェックします。

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最後に "Add" ボタンを押します。

Hosts の上にある Applications, Items, Triggers を、それぞれ Enable ボタンを押して監視を開始しました。

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幾つかの HTTP サービスが Down State で見えない時があるのが分かります。

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サービスがアップしているかどうかは。1と0の値で評価されるので、グラフがV字化している時は繋がりにくかったことが分かります。

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ダウンしていた事が報告されていますね。

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Yahoo.co.jp と Google.com の状態です。ダウンしている時間帯がほぼリンクしているので、海外との通信より、ウチと契約先の ISP、あるいは契約回線の問題だと判ります。

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GoogleDNS と、契約先の ntp.bbtec.net (経路的には一番近いかな)を ping して値をみてみます。まず Ping 応答が無くなり、結果 HTTP サービスも動かないという事です。


拡大しました。全体的に google のサービスより Yahoo BB の ping 応答が遅い様な感じですね。Avarage も、Google DNS より ntp.bbtec.net の方がレスポンスが悪い様です。海外との回線よりISP内部の遅延がある様です。

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朝の3時は iOS のアップデートが始まります。このタイミングでも google のレスポンスは見事に遅延しています。

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ダメじゃん、ウチの契約回線が悪いのだ..... と判断しています。

SoftBank Air の様な容量無制限モバイル Wifi でも、共有 IP (シェアドIP)なので、グローバルIPが切り替わる都度に、遅延や切断は起こりそうです。まぁ、モバイル Wifi では明示的に速度制限の対象となる場合もあるので「ビデオ会議」などのライブストリーミングが制限されない事を確認すべきでしょう。

Softbank Air: Wifi ネットワークの暗い闇、シェアード IP


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今回は外部の ICMP Ping とHTTP サービスを Zabbix5 でトレンドを見てみました。今までの Zabbix4 までのグラフ機能では、複数のデバイスのトレンドが見れなかったので、良くなったと思います。

例えばオンラインミーティングが始まる午前9時とか、午後13時とかにハッキリ遅延が起こるのであれば、これは、コロナ騒動でのリモートワークの影響だとキッパリ言えそうなんですが、冒頭の IIJ のブログにもあるように、リモートワークの影響ではなさそう。やっぱりウチの Yahoo BB のプアな回線状況が原因と考えられます。

さて、プアな自宅回線の強化、月々の利用料金はどう会社負担になるのでしょう、今後のリモートワークの課題ですね。

応用として、例えば支店に設置したインターネットVPNルータや管理用 HTTP などのサービスの状態のチェック。自社の提供するサービスの死活管理などに利用できます。Pingの応答速度は、折れ線グラフ化できるので、昼間と夜間の違いはないかを可視化できます。

拠点間ルータの snmp 管理機能や、リモート拠点間のサービス状況を調べる事で、拠点の「ネットが遅い」問題の原因を検討する事もやってみる事です。明かに、ISPのサービスレベルの問題であると判断できる要因が長期のトレンドで見つかるなら、契約ISPを変える為の稟議書を書く根拠にもなります。

Zabbix のように応用力の高いツールがあれば、「その時」ではなく、たとえ数時間でもトレンドが見える事はよいことです。








by islandcenter | 2020-05-31 13:27 | SUSE | Comments(0)