2020年 06月 25日
SLE15 Linux Enterprise sp2 (SLES15sp2) のインストールとファーストルック(Trial)

ダウンロードはこちら、恐らく SUSE のカスタマセンターにログインしてダウンロードすることになると思います(登録無料) SUSE Linux Enterprise Server 15 SP2 Release Notes
リリースノートに"4.1.1 New Media Layout REPORT DOCUMENTATION BUG#The set of media has changed with 15 SP2. There are still two different installation media, but the way they can be used has changed:* Installation without registration now only requires the full media. The installer has been added and therefore can be used stand-alone. The full media can therefore serve as universal media for all types of installation.* Installation with registration can either be performed with the online media (as with SUSE Linux Enterprise Server 15 SP1) or with the full media.#とあります。トライアルに必要なメディアは SLE-15-SP2-Full-x86_64-GMC-Media1.iso 一枚に収まりました。ただし、10G バイトあるので、ブート用に二層DVDに書けるのでしょうか? やっぱりブルーレイが必要? あるいはUSBメモリを使うのが正解のようです。二枚目は、ソースコードの様です。How to create an installation USB drive for SLE 11, 12, or 15オンラインメディアディスク1は 300Mb 程度ですが、リポジトリの登録が必要なので、インストールにはアクティベーションコードが必要な様です。その代わり Full-Media を使ったインストールは実にスムーズで、はっきり言って「すごく良くなった」というのが感想でした。
インストールメディアDVDで起動したら、 "Installation" を選んでインストールを開始します。F2 キーを押すと日本語でのインストールもできますが、デスクトップ(SLED)化しないのなら、エラーなどのメッセージが日本語には情報が少ないです。英語でそのままインストールして、後で日本語フォントを入れる事をお勧めします。 インストールの全体の流れは動画にしました。(盛大に音出ます)言語とキーボードの選択。テストエリアで特殊キーをテストします。 License Agreement に Agree トライアルインストールなので、登録はスキップします。サブスクリプションの登録は YaST の Product Registration から後からでも行えます。
拡張モジュールの選択、Basesystem Modules, Desktop Applications Modules, Server Applications Modules の3つは最低チェックしておくと良いでしょう。必要によってレガシーパッケージや、デバイスドライバのインストールに必要なコンパイラもインストールします。
インストール用リポジトリが作られました。
GNOME の必要最低限の環境をインストールします。ハイパーバイザー運用する場合は、後に xen/kvm のホストサーバーを、インストールサマリから追加できます。
デフォルトパーティション構成です。18gb は / の BtrFs です。BtrFS の場合、需要の倍のサイズを要求します。ここでは KVM のハイパーバイザー運用を前提に /home は / にマージし、残った全部を /var に割り当てるとします。Expert Partitioner > start with current proposal で、 /home をマージし /var を xfs 別パーティションとしました。 以下の様なパーティション構成です。
いつものタイムゾーンの設定です。完全 UTC で運用する場合は、東京あたりをクリックして Asia/Japan にセットするだけですが、ハードウェアクロックを JST+9 で運用する場合(大抵のハードウェアベンダーはそうしているし CE さんが M/B を交換してしまえば JST+9 にリセットしてしまう)は "Set Hardware Clock UTC" のチェックを外します。日本では "Daylignt Saving Time"(夏時間)はないので、チェックを外しておいてもまず問題になりません。
オペレータユーザの登録です。openSUSE Leap とは違い、 SLE の場合 root とは異なるユーザを作るのがデフォルトです。
root のパスワード設定です。スペースセーバーキーボードやノートブックの場合 Num Lock されていると、「あれっ!」ってことになるので、必ずテストエリアでキーボードチェックをします。
インストールサマリ画面から追加のソフトウェア、例えば KVM/XEN ハイパーバイザーを入れるかどうか、systemd のターゲットはテキストか GUI か、ファイアウォールは開けておくか、SSH は有効にするかどうかを変更しておきます。SLES15-sp2 より、Network Settings の項目が目立つ様になりました。 SLE15 SP1 でもここでできたのですが、「ここで指定しろ」と言わんばかりのアピール度です。 という事で、Network の固定アドレスの設定、DNS、G/Wの設定、 HOSTNAME の設定は全てここで済ませてしまうことができます。随分良くなりました。ちょっと今までのインストーラとは画面のレイアウトが違うので、戸惑う所があります。 DNSと HOSTNAME 所属するドメインを設定します。 デフォルトゲートウェイの設定・ちょっとデザインが違うので余計な事をしたくなりますが、"gateway" の IP を設定するだけで "OK" です。 ネットワーク構成ができました。 後はインストールするだけです。
インストールが終わると自動的に再起動します。オペレータでも root でも構いません。ログインします。Activities から YaST などを実行できます。
デフォルトで SLE の場合 NTP は Off です。
YaST > Network Services > NTP Service より NTP ソースを指定して、 "Now and on Boot" をチェックします。 リポジトリの再設定です。インストーラで使ったソースは Disable になっています。これを Enable にしてもいいのですが、ローカルディスクに ISO ファイルを置いてつかっても良いですし、別立ての HTTP/FTP サーバーにインストール DVD をマウントして公開しても良いでしょう。私はいつも別な HTTP サーバーをローカルリポジトリにしています。Add ボタン
ローカル環境のDVDにアクセスできたら、ユニバーサルインストーラで使うリポジトリをチェックします。 Systembase Modules, Desktop Application Modules, Server Application Modules の3つは最低限チェックしておきます。
登録したリポジトリが Enabled/Autorifresh : On になりました。インストールに使ったリポジトリは削除しても構わないでしょう。 次に YaST > System > Language から、Secondary Language:Japanese をチェックしてインストールします。
日本語フォントで表示されました。
インストーラを中心に、次に出荷される予定の SUSE Linux Enterprise 15 SP2 を見てみました。インストーラは、一言でいってみれば「親切で良くなった」感じです。ただ SLE15 はパッケージディスクは二層DVDで間に合ったのですが、SP2では、一枚のディスクイメージでサイズも大きくなったので、ベアハードウェアにインストールするには、フラッシュメモリか、ブルーレイが必要でしょう。安くなったとは言え単価は光メディアより高価なので、何台もインストールするには準備が大変かも知れません。まだ SUSE のサイトには 2020/6 現在マニュアルもない状態なので、移行するにはもう少し待った方がよさそうです。