すでに終わった技術:RFID

RFID よ、お前はすでに終わっている。


IoT(モノのインターネット)の影にすっかり隠れて、一向に影が薄い RFID、すっかり聞かなくなりましたねぇ。一時期、日経ITナントカ、と言ったITメディアで散々ヨイショされた RFID。一時は米ウォルマートなんかが全霊を込めて全社導入みたいな話題になったけれど、それが10数年前。一向に普及する気配なし。

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一時期、顧客の引っ越しに伴うコンピュータの移設作業にタップリ浸かったことがあるンですけど、荷物のダンボールにいちいち引越し先の荷物の返送先に「ペタンコシール」を書いて貼り付けて、新居の図面から探して配置するのって面倒じゃないですか? って事で引越屋のセールス担当に

「RFID って引越屋に便利じゃないですか」

って聞いたことがある。かのセールス担当氏曰く

「コストに見合わない」

との事だった。まぁそうだろう。RIFIDのタグ本来の値段も10円程度とそれなりのコストが掛かるんだが、合わせて RFID タグの書き込みや、読み取り機だとか、バックエンドで動く端末のシステムを引っ越し現場に設置する手間とか考えたら、現状の「ペタンコシール」のほうが手間もかからないし、現実的なんですね。

物流産業で荷物の仕分けなんかに使われないかとも思ったけど、やっぱりバーコードの機能を超えられるアイディアはないらしい。

しかも、RFID タグはセキュリティ対策が何もないから、悪さのスキなヤツが、RFID 読み取り書き込み機、なんてものを秋葉原あたりのパーツ屋から手に入れた部品で作ってしまう事も簡単にできてしまえば、IDの書き換えや、読み取りなんかもできてしまう。どこで買ったパンツを履いているとか、どこ産の牛乳買ってきたかも、物理的なバーコードリーダーなしでパンツ撮影異常マニアみたいにコソコソしなくても、密かにわかっちゃうンです。

ま、モットもRFIDタグに書かれているのは単純な商品のシリアル番号だから、データベースと連動しなけりゃ意味ないんですけどね。

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ここで気になるのは、今流行りの IoT 時代のセキュリティなんですね。例えば、RFID タグの付いた商品を ID から読み込んで、冷蔵庫についているタグリーダーが読み取って、出荷元のIDデータベースから賞味期限を教えてくれる。なぁんて時代が来るよとかいうコラムがあるけれど、その場合のセキュリティはどうなるンでしょう。

冷蔵庫のタグリーダーはipv6か何かでグローバルを持っていたり、製造元のタグリーダーID管理データベースに致命的な脆弱性があったりすると、オチオチ牛乳も飲めないンですけど。IoTを家庭に持ち込むには、ホームサーバーゲートウェイのセキュリティが重要になってくるわけです。

何しろ、このコロナ禍の中、リモートワーク自体が「働く場所」である「家庭のセキュリティ」が話題になるわけですから、IoTのセキュリティも考えなければならないわけです。

いずれにせよ、「冷蔵庫の中の牛乳」という、フィジカルな、物理的なモノをデジタル化するキーワードの中に RFiD タグ
というものが「燦然」とカガヤクわけなんですが、どうもサンゼンとしない。

DX(デジタルトランスフォーメーション)と言うキーワードがのし歩くよくわからないこの世界で RFID タグ自体、決して新しいモノではないのに、サンゼンとしないのは、やっぱり終わってしまった過去の技術なのですね。







by islandcenter | 2020-11-20 13:58 | 雑文 | Comments(0)