zabbix 5.2 openSUSE Leap 15.2 SNMP でデバイス監視

zabbix5 で SNMP デバイスを監視する方法を説明します。 SNMP  管理機能がある手頃な機器がないので、ここでは openSUSE Leap 15.2 に snmpd を走らせて、監視対象としています。

Zabbix4 はこちら
Zabbix4.2 snmp監視 デバイスのグラフを表示させるまで

ー openSUSE Leap 15.2 の snmpd 

openSUSE Leap 15.2 ではデフォルトで net-snmp はインストールされています。

SUSE Linux Enterprise(SLE) ではインストールされていないので、YaST か zypper でインストールし、YaST > System > Service Manager より snmpd を Start/Enable にセットします。

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ー community String と、送信相手の設定

/etc/snmp/snmpd.conf を編集し、次の行を変更して、送信先コミュニティストリングと、応答先のアドレス範囲を指定します。さらに詳細な設定ができますが、ここでは最小限の説明です。

# rocommunity public 127.0.0.1
rocommunity public 192.168.1.0/24

変更したら systemctl か YaST の Service Manager からリスタートします。

myhost:~ # systemctl restart snmpd

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ー snmp の応答確認

zabbix  サーバーから snmpwalk を使って、応答があるかどうか確認します。指定する OID は System の値 ”.1.3.6.1.2.1.1” あたりが適当でしょう。

# snmpwalk -v 2c -c CommunityString  target_host.Yourdomain .1.3.6.1.2.1.1

zabbix5:~ # snmpwalk -v 2c -c public myhost.i.islandcenter.jp .1.3.6.1.2.1.1
SNMPv2-MIB::sysDescr.0 = STRING: Linux myhost 5.3.18-lp152.63-default #1 SMP Mon Feb 1 17:31:55 UTC 2021 (98caa86) x86_64
SNMPv2-MIB::sysObjectID.0 = OID: NET-SNMP-MIB::netSnmpAgentOIDs.10
DISMAN-EVENT-MIB::sysUpTimeInstance = Timeticks: (4839) 0:00:48.39
SNMPv2-MIB::sysContact.0 = STRING: Sysadmin (root@localhost)
SNMPv2-MIB::sysName.0 = STRING: myhost
SNMPv2-MIB::sysLocation.0 = STRING: Server Room

: 略

ー 監視ホストを zabbix に作成

詳細はマニュアルをご参考下さい。ここでは最低限の説明をしています。あまり役に立たないこのページよりも正しい事が書かれています。

1 CONFIGURING A HOST

snmp でネットワーク内のデバイスオブジェクトを作成し、snmpwalk で応答があった Linux デバイスの snmp 監視ターゲットを作成します。

左のメニューから Configuration > Hosts > 右上の "Create Host"

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Hostname : myhost
Group : Select > "Type of host" ここでは Linux Server
Interface > "Add"

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Interface > "snmp"
IP か DNS 名をセット(DNS名を使う時は”Connect to” を DNS に)ポートは 151  そのまま。
SNMP version は、デフォルトで v2、コミュニティストリングは、public なら、そのまま、必要に応じて変更

最後に "Add"

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ここで"public"以外の、コミュニティストリングをネットワーク全体で使っている場合、 Macros > Inherited and host macros > より 、下の方にある ”{$SNMP_COMMUNITY}” を Change して、別なコミュニティストリングに変更します。

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テンプレートを指定します。

Hosts > MyHost > Template > Select > 一番近いテンプレートを選択:ここでは ”Linux SNMP” を選択します。

”Update” で登録更新します。

※複数のテンプレートが選べますが、AND 条件でダブるとエラーになります。例えば Linux SNMP と Generic SNMP は同居できません。

※テンプレートは Zabbix Share https://share.zabbix.com/ に豊富にありますが、一発では動かない事が多いです。

Zabbix をアップデートした場合は、旧バージョンのテンプレートが引き継がれるため、テンプレートの選択はかなりややこしくなります。

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登録して Configuration > Hosts のリストの中に、登録したホストが出てきて、数分以内に右の Availability が「緑 SNMP」 になれば、とりあえずオーケーですが、グラフの描画が始まりません。

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グラフを見るには

Monitoring > Latest data より、Host Group > Select , Host > Select,  Application > 監視するアイテム、ここでは CPU を選んでいます。試しに CPU Utilization にチェックを付けて”Display Graph” を押します。

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CPU使用率のグラフが確認できました。

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ー 監視アプリケーションの有効化

とりあえず CPU 負荷はすぐグラフ化できましたが、他の情報を見るには Application を Enable にする必要があるようです。
Configuration > Hosts > "Myhost" を選び "Applications" のリンクを押して、全ての "Applications" を Check して Enable ボタンを押します。

同様の操作を "Items" についても行います。

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開始してから、最低 3600 秒、一時間待ちます。しばらく放置した後

Monitoring > Latest data > Host > Application : interface

でトラフィック送受信のグラフが描画されました。
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ー まとめ

Zabbix で SNMP 監視ルータやスイッチの死活・トラフィック監視がは、見えない物を見える化する事です。

とりあえず、Linux Host を対象に zabbix から最低限のリソース管理ができました。SNMP 監視は設定方法に当たり外れが多いようです。まずは最低限、見たいことが見れればラッキーかもしれません。グラフの描画が始まらないのは焦りますが、とにかく一時間以上待って変化がないかチェックします。

まずはデフォルトでは3600 秒 、一時間ごとに SNMP でデバイスの値をディスカバリーるようなので、焦ってはいけないという事です。

テンプレートをとっかえひっかえしている内にグラフが描画される場合もあります。Applicatin を Enable すると動く場合もありました。何をどうすれば、SNMP での監視タスクを作れるかの最適解はまだ見つけていません。

Zabbix の難点ですが、マイナーなバージョン変更でもUIが変わったり、テンプレートが追加されてしまい、過去の経験とは違う手順を踏まなければならない事があります。バージョンアップする場合は、書籍の情報や、素人っぽい私のブログの様を参考せず、そのバージョンのオフィシャルドキュメントを見ておく事です。バージョンによって大きく手順が違う場合があります。

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by islandcenter | 2021-03-01 16:01 | Linux | Comments(0)