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Windows 365 は使える? サブスクリプション化する Windows

Windows 365 Business って何? サブスクリプション化する Windows

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Windows 365 が昨年末から使えるようになったそうなんですが、やっぱり話題になっていないですね。ここで記載している事はとりあえず調べてみた事で、2022/4以降 実態が変わったり、内容が誤っている事もあります。ご指摘頂けると幸いです。

Windows 365 は、マイクロソフトがサービスする、Windows デスクトップサービス。リモートから、マイクロソフトのデータセンターにある Windows コンピュータにアクセスできるよ、というサブスクリプションサービスです。Windows を購入しなくても、PC がなくても Windows が使える? ナイスな冗談の様なサービスなのですが果たして本当にナイスなのか、それとも新種のマイクロソフトジョークなのか。このサブスクリプション時代のバトルロワイアルに生き残れるのか。

やっぱり社会では Windows PC がなければできない事は沢山あり、「はじめて使うなら mac でも iPad でもなく Windows だ」と言うのが西村博之氏をはじめ、識者のご意見の様で、私も同感です。mac じゃ互換性の問題でダメ。やっぱりビジネスクリエイティブな作業には Windows PC が要る。iPad さえあれば仕事になると豪語するのは、孫正義氏くらいなものです。私も iPad も mac も Linux も使うけど、やっぱり Windows は必要だと思います。

しかしですね、Windows を使う時間や割合は減っているのです。

そんな時にでてきた Windows 365 サブスクリプションサービス。それが Windows365 です。


最適な Windows 365 Business クラウド PC を入手しましょう


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「お客様に最適なクラウドPC」 高すぎない?

テキトウに自分が「最低でもこれくらいのモノが欲しい」と思ってウィザードしてみたら、これ。

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税別 5,570円、税込みで 6,127円/月

2vCPU, 8Gb, 128Gb ストレージです。Microsoft 365 とかのサブスクリプションや、大企業で Windows のエンタープライズ向けサブスクリプション持っていればもう少し安くなるみたいですが、月々6,000円、年間73,000円強は Microsoft 税としては高いですね。強気の価格です。二~三年使うつもりなら、松竹梅の 竹クラスの PC買った方が良さそうな気がします。まぁ 2vCPU と言っても、共有サーバの XEON 系2スレッドをベストエフォートで使う。所詮仮想化テクノロジーです。ただ経年劣化する事はなさそうなので、常に最新のハードウェアがバックグラウンドで動いている。とは言っても 8 Gb のメモリは2022年現在の最小公倍数みたいなものですから、アプリケーションや Windows 自体の将来の肥大化は目に見えてくるわけです。



RDP(MSTSC)かブラウザでアクセスできる

一旦アクティベートしたら、普通のブラウザや、MSTSC の様なリモートデスクトップアプリケーションからアクセスできます。この種のアプリケーションは iPad でも Android でも mac, Linux でもあるので探してインストールすればよいです。

性能面では ブラウザより RDP 接続の方が良さそうですね。でも Remote Desktop も結構クライアント側のCPU負荷が大きいのですよ。ブラウザが軽いソフトウェアだったのは20世紀のお話し。今はパーソナルコンピュータの中で一番肥大化したソフトウェアの一つなんです。割と性能が高いクライアントPCとかタブレットじゃないと遅延は大きいですね。距離的な遅延も大きいです。

Apple M1 mac でもリモートデスクトップアプリケーションがあればWindows が使えるって言うのがウリなんですが、サーバとの距離次第では遅延が出そうです。どうも2022年現在、日本でサーバは提供されていならしい。光の速度は地球7周半/秒ですから、地球の裏側の Windows を操作して帰ってくるまで、1/7 秒ほどの遅延がある訳です。たぶん。

リモートデスクトップを使う事が多いヒトには分かると思いますが、3Dの処理とか画像処理は絶望的でしょうね。込み入った動画や画像を組み込んだプレゼンテーションはこれで作らない方がいい。


Android や iPad で操作はできるけどキーボードとマウス、ディスプレィは必要

当たり前ですが、タブレットでは、タッチアクセスしかできません。相手はタッチ操作非対応な仮想化 Windows ですから、マウスとキーボードは別途必要。小さな iPhone とかで使うには、冗談みたいに絶望的に狭い画面しかないわけで、たぶんオフィスや自宅で大きなスプレッドシートなんか使うのなら、大型のディスプレィを準備する必要があるでしょう。

「スマートフォンで Excel のフル機能が使える」

と言うのがこの手のギミックなのですが、その画面を見てから現実か冗談かを考えてみて欲しい。昔 W-ZERO3 を持っていたけど全然つかえなかった。

そもそも小さな携帯デバイスでスプレッドシートとかワープロソフトウェアが、成功したためしが過去ないですね。

iPhone しか持っていない新入社員に

「ハイ、これ」

って、Windows 365 のアカウントだけ渡されたら、この企業はブラックだったと気付くでしょう。ましてや iPhone だけで Windows 365 を使って「自宅でリモートワークしてスプレッドシートで成果物を作れ」と言われたら、それで「退職願い」を書くのが彼、彼女の初めの仕事になるでしょう。

リモートワーク時代の Windows11, Desktop as a Service とは Chrome Remote Desktop を使う


契約は月単位(時間単位はない)

時間や CPU 負荷、データ転送量などによる従量課金ではない。一週間だけ使いたくても、一か月の課金が必要。Amazon AWS に勝てるのか? もちろん24時間365日フルパワーで仕事させても問題ないわけですが、ニンゲンがその過酷な状況に非対応なんです。じゃ仮想通貨のマイニングにでも使うか。GPUがプアなので、まぁ元は取れないでしょうね。


利用できる端末機器は別途用意

月々6,000円 払っても、アクセスに必要なデバイスは必要なんですよ。タブレットだとか、ChromeBook だとか、付いていなけりゃキーボードもマウスも必要だし、小さな画面では作業効率は0に近いから、ディスプレィも必要。結局、年間約70,000 円、リモートアクセス用のデバイスもそろえて払うくらいなら、本当のPC買った方がいい。だからと言って安い Windows PC 使って Windows 365 使うのは本末転倒で意味がない。リモートデスクトップを使うだけでも結構パワーは必要なんですよ。スティックPCが VDI 端末として使えるかを検証したことがありますが、結局 MTSC を動かすだけでも結構重い。プラスしてモニタやキーボードを用意すると、スペースも必要だし、フリーアクセスフロアを採用しているオフィスには不向きですね。

結構お金はかかってしまうんです。

激安スティック PC は安価なシンクライアント、VDI 導入の第一歩


100歩譲っても、主に使うデスクトップが mac や Linux ならアリでしょうか。でも月間 6,500 円強とは高すぎます。時間課金で必要な量だけ使える従量課金は欲しい。

まぁAWS で似たようなシステムを使うと $65/Month なので、いい勝負なんでしょうか。というか AWS を意識した価格設定です。

AWS 料金計算ツール

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例えばパートタイマーの様にひと月しか使わない人にPCを割り当てるくらいなら、クラウドでも良いでしょ、と言うのがメリットなのですが、そんなニーズでもかなりな高額のエンドポイント端末が必要なのです。



プライベートネットワークには繋げられるの?

はたしてWindows 365 は、自前のオンプレミス環境には使えるのでしょうか。例えばコールセンターの様なセキュアなオンプレミスなシステムと連携できるのか? と言うのがある訳です。どうもそう言った運用は Business 版ではできないみたいです。日本の90%の企業は中小企業ですから、大部分は Windows 365 Business になりそうですが、Enterprise プランじゃないと Azure AD のオンプレミスとの連携はできないようです。

信頼性に欠ける危険なデバイス Windows 端末

数年前、Windows 端末から、銀行振り込みをしようとするとできませんでした。セキュリティの都合で仕様が変わり、代わりにスマートフォンの認証を必要としたのです、
2022現在、私が使っている全ての金融機関は全て携帯電話で振り込みなどの操作を行えますが、Windows Store には、全ての金融機関の残高を調べるアプリケーションがありません。
つまり Windows 端末は、金融機関からは「危険なデバイス」として認識されているのが現状なのです。


システム管理は楽なのか

物理的なPCのセットアップはしなくていいので楽ではある。ハードウェアのトラブルもないし、オンプレミスへのアクセスもないわけでそう言った業務に不向きだし、重たい機材のセットアップは不要。ユーザが使っている状態で、ユーザデータのバックアップのために二重にログインしてバックアップしたりパッチ当てたり、できればやりたくないリストアも取れないのだから、管理者やヘルプデスクは楽でしょう。プライベートネットワークへのアクセスもできないから、外出先の社外からのアクセス、不正データの持ち出しもない。

なんたってそう言った末端のデバイスのセットアップや問題解決は、リモートワークの時代ですから、利用者、エンドユーザに押し付けられるのです。これで楽になったとヨロコぶシステム管理者は甘い。貴方の明日は履歴書を書いて次の仕事を探すことなのです。


そもそもウェブ会議や動画再生に使うのは本末転倒

Windows 365 で Teams や Zoom などのウェブ会議が使える、という冗談みたいな話もありますが、リモート会議で使うなら、手元のスマートフォンやタブレットなどのリモートデバイスが簡単で、普通それで充分でしょう。わざわざ地球を一周して画像と音声を転送する、リモートデスクトップ経由を使って二重に画面転送するリモート会議の画面転送では意味がありません。海外とやり取りっするなら意味あるか?ないでしょうね。行って来い二回で通信するわけだから、画面や音声がスムーズだとはとてもじゃないけど期待できない。


セキュリティは? バックアップはやっぱり必要

「クラウドはバックアップが要らない」と豪語する方は随分多いですね。常にWindows の最新版が使え、セキュリティは高いと言うのがウリの Windows 365 なのですが、消したデータは戻ってこない。ランサムウェアやフィッシング詐欺と言ったシステム的なものではない、ニンゲン的なソーシャルアタックには人が対応すべきで無力なのです。やっぱりバックアップは自己責任なのですが、これマジでやろうとするとネットワークのトラフィックはすごい事になりそうです。

そもそも、さっきまでの仕事の状態で RDP セッションを切れば、その状態でホットスタンバイ出来るので、便利でしょ、みたいな記事も見ますが、ライブパッチングができない Windows ならどのタイミングかでパッチと再起動は必要でしょうね。

もっとも Business プランなら、プライベートネットワークへのアクセスもできない訳だから、クラウドPCがランサムウェアにやられても被害はそこだけで食い止められる。ローカルLANのシステムは被害を受けません、ってか出来ない。

まぁ従業員が退職した日に、インスタンスを止めてしまえば次の日から使えない、と言うのはありなので「だからセキュリティが高い」と結びつくかどうかは別の次元の問題だと思います。


途中プランの変更はできないらしい

一旦、プランをプランを決めてしまうと、プランを変更する事はできないらしい。再割り当てになってしまうので、データのバックアップとリストアが必要なのだそうです。という事で、長い目で見れば Premium となりますね。はぁ.....



一番やめて欲しい Windows そのもののサブスクリプション化

今やサブスクリプション戦争の時代なのです。何でも略してしまうのが大好きなニッポン人。サブスクの時代。音楽から映像、果ては自動車からチャリンコまでサブスク化する現代。これらのデジタルデータの販売は、限界費用が低いから、ビジネスとしての旨味が大きく、ユーザ側としては迷惑なことに、どれか一つ、と選べない所が恨めしい事になっています。

既に Micrisoft 365 というのがあるようですがややこしい。

Adobe や Microsoft 365 は競合もなくうまくいっているみたいだけれど、Windows 自体がサブスク化する可能性もある訳です。実際、競合する RedHat や SUSE と言った Linux 系 OS ベンダーは、サブスク商売で成り立っている訳だから、Microsoft が Windows OS 自体をサブスク化して、「月額ナンボ払わないとパッチの提供しないよー」というビジネスにしてしまおうとすればできる。当然払えない(わない)顧客もいる訳だうし、そうなるセキュリティ上のリスクで世間は許せない事になるでしょう。何しろ Windows がなければビジネスが出来ないと、西村博之氏も戸田覚氏も言う位、社会では圧倒的なシェア、寡占状態。Microsoft は自由に値付けができる。Windows OS の一年間のサブスクリプションを例えば 50,000 円/年 というメチャクチャ強気な価格設定でも、Windows 365の強気な価格設定に比べれば安いわけなんです。DCサーバレベルのハードウェア込みだと思えば、Windows 365 のサブスクリプションは安いくらいです。

となるとフリー系の Linux デスクトップが出てくるか Google が何か出してくるか。

OEM する PC ハードウェアベンダーも黙っていられなくなる。


まとめ

以前から気になっていた Windows Desktop をクラウド化して利用できる Windows 365 について気になる点を考えてみました。

Windows 365 は、Microsoft が自社設備を使って提供している Windows PC OS の仮想デスクトップのサービス、DaaS (Desktop as a Service) です。Windows をインストールしたPCを配置し、ヘルプデスクがサポートするコストも抑える事が出来る一見便利なサービスに見えますが、基本的に提供されるサービスコストが高く、ある程度以上のユーザ端末のコストも掛かる割高に感じるサービスです。

Microsoft は、世界の全エンドポイント端末のOSシェアとしては、圧倒的に iOS や Android, Chrome OS などの携帯デバイスに後塵を浴びています。エンドポイントアプリケ―ションのデベロッパからも支持を得られす、Windows から銀行振り込みするにも携帯電話を使わないとできません。これらの携帯OS、デバイスから、Windows OS を利用できて、かつ「サブスクリプション」という形で費用を回収できる DaaS としての Windows 365 を提供しています。

やはり印象が強いのは、「値段が高い事」、携帯デバイスからフルデスクトップアプリケーションを使うには高速で安定したネットワーク、フルサイズのディスプレー、ヒューマンデバイスがなどの追加費用が必要です。Microsoft は Windows のアップグレードを無料化した事に代わり、Windows 自体をサブスクリプション化する試みとして Windows 365 を提供しています。

このサービスが今後成功するか否かによって、Windows というPC用オペレーティングシステムの提供形態が変わってくる可能性があります。











by islandcenter | 2022-04-21 14:37 | 雑文 | Comments(0)