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メタバースって何? おいしいの?

SONY が今後注力しようとしている「メタバース」、また新種のバズワードが出てきたな、という貴方。私も同じです。

ソニー「メタバース」サービス強化へ ゲームなどの分野で

という事で「メタバース」、それって美味しいの?

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メタバース

「メタ」は「何かの境界の向こう側」「アッチの方」の様な接頭子で、これに Universe 「世界」をくっ付けた造語です。要するに「メッチャクチャ境界をアチコチ飛び越えた世界」「三途の川を飛び越えた幽界と現実世界を結びつけるゲゲゲの鬼太郎の世界」(ちょっと違うか)、「現実から飛躍して現実と架空の世界が結びついたた世界」とでも言うのでしょうか。

まぁ、哲学的な解釈は置いといて、つまりはメタバース≒「仮想現実(VR)」「拡張現実(AR)」の事と単純に考えてもいいでしょう。


古くて新しい仮想現実VRの世界

VR は決して新しい「モノ」ではありません。昔からあのバカデカゴーグルを頭にくっ付けて、「住宅展示場なんかで使えると便利だねぇ」なんて宣伝されていたモノとは大して変わりません。
でも VR ゴーグルは、身に着けているだけで脳味噌の中がグルんグルんになってしまう厄介なもので大成功した事は聞いたことがありません。おまけにあの小さなデバイスで、3Dのグルんグルんの仮想世界を作るには途轍もない GPU パワーを必要としたのです。だから高額で重くて普及しなかった。

じゃぁ何を今更、VR、メタバースなのか、と言えば、GAFA の中でイマイチ元気がない Facebook が、「メタバースやるぞ」と社名を Meta に変えたからなのですね。

という事で、急激に投資市場でバズったIT用語が「メタバース」なのです。



既にゲームの世界では当たり前になりつつあるメタバース

さて、SONY がメタバースに注力するのは理にかなっている様に思えます。何しろゲームの世界では、プレーヤー同士のピア・ツゥ・ピア(P2P)の世界は出来上がっており、ゲーム空間という、現実世界をビヨンドした世界、メタバースが既に作られている。とは言えその世界は2Dのフラットなディスプレィでしか実現できていない。もっと没入感が欲しいわけです。

まだあのゴツいゴーグルはオプション販売されていない。

そこで SONY はメタバースの3D化されたゴーグルを作って、傘下のゲーム会社にメタバースを実現させるゲームソフトを販売したい。ゲームの中の仮想空間、メタバースを運営したいわけです。何しろ SONY は膨大な量の PlayStation ユーザとゲームタイトルを持っています。

別に SONY としては、あのゴツいゴーグル無しでも構わないのですね。閉じた一つのゲーム内のコミュニティを相互に繋ぎ合わせて「SONY経済圏」を創り出せればいい。まずはゲームの中の「仮想現実」ではなく「仮想空間」を醸し出したい。

何しろハイテク業界の進歩にはゲーム業界とエロ業界が果たす役割は大きいのです。

SONY がやりたいのは、次に開発と流通に時間がかかる VR ゴーグルの商品化。

よく仮想現実空間を使った「アバターによるリモート会議室」などという「なんちゃってメタバース」なシステムも見ますが、メタバースの本質的な機能じゃないような気がします。大体、アバターという固定データでなければ3D化はできません。スターウォーズでR2D2に埋め込まれたレイヤ姫のメッセージの様な3D のリアル感を出すには、単眼のウェブカメラではできないのです。360度、グルんグルん回ってスキャンする3Dカメラが必要です。おまけに再生する側も複数のアバターの動きを再生するには、恐ろしいほどのトラフィックとGPUパワーが必要でしょう。


メタバースと Web3.0

で、メタバースとセットにされて語られる事が多い、Web 3.0 が登場します。Web 3.0 はブロックチェーンと非代替性トークン(NFT)を使ったインターネット上のサービスの新しい形、ズバリ言えば仮想通貨による商取引ですね。

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実際 Sandbox というゲームの中で既に Web3.0 によるメタバース空間での仮想通貨、NFTトークンのやり取りが行われている訳です。


Facebook としては、SNS の膨大なユーザ資産を使って、仮想空間でコミュニケーションができて、広告主に3Dの商空間を提供してサービスをやりたいのでしょうが、そこは GAFA の後発組のカナシさです。資産が SNS と言う移ろい易いユーザの分母を使っているため、飽きられやすいでしょう。キラーハードウェアも基本ソフトウェアもありません。Facebook がメタバースに転換するには何かのキラーコンテンツが必要なのです。

頑張って、VR ヘッドセットの quest を買収しましたが、このデバイスはスグに追従してくるハードウェアベンダーは沢山いそう。まずは SONY が手を挙げているし。

Meta Quest 2 128GBセット 携帯ケース付き


例えば Facebook にログインして、フォロワーさんの仮想空間にある御宅に訪問して、仮想空間の途中にある広告が出ている仮想コンビニでワインとチーズを買い、Uber でフィジカル配達してもらい、その他の友達と仮想パーティをやる。当然 Uber の支払いは仮想通貨だ。ちょっと気味悪いけど、友人宅のリビングには、オトモダチのアバターがズラリとソファに座ってる訳ですね。で、このマヌケな VR ゴーグルを使ってお喋りをする。

でも、あんなブサイクなヘッドセットって要るのか、という疑問もある訳です。Facebook が「メタバース!」と言っても、今の Meta 社が、メタバースのキーポイント企業になりそうだ、という決めてが見当たらない。だから Facebook(Meta) の株価が酷い事になってしまった。


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交換されるNFT

メタバースは単なる一つの仮想空間で終わらないでしょう。幾つかのメタバース世界が、仮想通貨というピアで繋がる事でそれぞれのメタバース経済圏がリンクする様なかたちになるのではないかな。例えば Amazon がメタバースを始めたら、別な、とあるメタバースのゲーム住人が Amazon の空間に入り込んで買い物をする。彼は仲間のプレーヤーが使っているコントローラを気に入った。彼は支払いをゲームのNFTトークンで Amazon に支払うかもしれない。たとえそれが無理だとしても、ゲームの通貨を Amazon ポイントというトークンに両替するビジネスがあるかも知れない。

Web 3.0 は、巨大になり過ぎたプラットフォーマーへの反抗でもあるので、小さなメタバース空間が生れ、それぞれがリンクする事で「世界を超える世界」、つまり「メタ・バース」になる訳です。「戸越銀座商店街」なぁんていうメタバース空間があっても面白いわけですね。そこで八百屋さんが大根を売る。なんの事はない。すでにメタバースと仮想通貨の世界を私達には身近なのです。ヨドバシカメラのポイントカードは独自の通貨性を持った仮想通貨であり、カードは NFT そのものだし、航空会社の会員カードの「マイル経済圏」「なんとかペイ」といったサービスや、アマゾンのポイントなどは、その世界、ユニバースでのみ流通する通貨であり ID は NFT そのものなのです。ヨドバシカメラのポイントが溜まったカードだとか航空会社のマイルを Amazon のポイントと交換しようという、メタバース的なビジネスがあってもおかしくない。

別にあのブサイクなゴーグルなんて必要ありません。

問題はリアル経済では政策で制御御可能な、外国為替相場や、インフレ・デフレといった経済政策、介入が仮想世界ではコントロールできないだろうな、と言う点です。ピア・ツゥ・ピアの世界で、「情報」というトークンが暴走してインフレーションを起こしてしまったら、誰が止めるのでしょうか。私にはわかりません。

つまりメタバースの作り出す経済空間は、現代のリアル貨幣経済の常識では理解できない法則があり得るでしょう。



メタバースの面倒臭い税制、改革が必要な課税制度

デジタル空間での取引の面倒な所は、デジタル有価物の取引がほとんど博打や株取引と同じような雑所得か一時所得の課税対象となることです。まず事業所得にはならないし、手数料くらいしか経費が認められない。

ゲーム内のポイントをゲームのプレーヤー同士で交換するだけなら、子供がメンコを交換し合うようなものなのですが、これをリアルな貨幣や商品に交換するときは、それなりに税金がかかるし、必要経費もせいぜい手数料くらいしか認められません。

株などの投資取引は、株という価値を現物の貨幣という2つの価値観の中で貨幣に価値化することで収益が確定するのですが、仮想空間、メタバースでの取引は例えばビットコインを海外の市場で、イーサリアムにたてかえたり、それをドルで受け取り、海外市場でドル建てで金を買う、みたいな追跡が難しい取引なんかがメタバースの経済では考えられるわけです。その一つ一つを正直に、リアルな取引時点の時価で仕分けして計算して税務申告する。

例えば、仮想空間で仮想の土地を買って仮想空間で儲かって売却する。その利益で別な取引をする。その都度、「リアル貨幣」つまり円換算して利益が出た場合、都度、取得にかかった「円」と仮想通貨とのレートに応じた利益、損失を時価で円換算しなければいけない。損失は経費にならない。コーラ一本買っても、購入した仮想通貨の価格と、コーラ買う費用の「円換算」の損益を計算するのが日本でのルールなのですね。

誰もそんな面倒な事はしません。ってか出来ない。

だから「仮想通貨≒妖しい」って図式が出来上がってくる。

今の税法では、メタバースで通用するNFTトークンや金銀などが交換される都度、収益が出た場合、それぞれのトークンの価値を取引時点での収益として計上しなければならない。言ってみれば普段の購買活動で発生するかもしれない仮想通貨のやり取り一つひとつを「利益確定」の処理が必要なようです。実に面倒くさい。面倒だから、税務署に申告しない、いやできないのですね。おまけに住民税を含み最大55%の課税。NFT や仮想通貨、メタバース空間でやり取りする費用のすべてを損益として計算しなければならないンですね。

「億り人」になっても、仮想通貨取引によって得た利益は総合分離課税ではなく、雑所得で最大55%は国庫と地方税に入ってしまいます。経費をかけてもメタバースによる商世界で大きな利益を取引時点で出してしまうと、いくら損失や経費かかっても莫大な納税義務が生じます。

っていうか、メタバース空間での異なる価値観の取引に、果たして消費税はどうなるのか、異空間での価値観の取引に、どうやってリアルな貨幣価値で課税するのかと言うのも問題点です。

どうも、異なる価値観世界で取引を行ってそこで出た利益が出た場合、取引ごとに利益を確定しなければならないのが2022年の日本の実情です。

今の税制ではメタバースでの取引は非常に経理上面倒くさくて莫大な税金がかかる。だから Web3 的なビジネスは日本の法律や税制では非常にやりにくい。ということで、みんなシンガポール辺りに引っ越して Web3 的なビジネスをやるしか方法がない。

まぁデジタル庁なんかが、目の色変えて法案を揃えようと必死になっている訳ですね、

お上のメタバースに関する公式見解はこちら

暗号資産に関する税務上の取扱い及び計算書について(令和3年12月)

No.1525-2 NFTやFTを用いた取引を行った場合の課税関係
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1525-2.htm


メタバースと仮想貨幣世界は、21世紀の世界の経済、価値観を大幅に変える可能性があっても、やはり日本は後進国、ガラパゴスソフトウェアの社会なのです。










by islandcenter | 2022-05-29 10:31 | 雑文 | Comments(0)