2022年 06月 28日
openSUSE Leap 15.4 インストールとファーストインプレッション
SUSE Linux Enterprise 15 sp4 との違いを見てみたい方はこちら
SUSE Linux Enterprise Server 15 sp4 (SLES15sp4) インストール
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F2 キーで、言語を「日本語」に設定もできますが、全部「ニホンゴ」になってしまうと意味不明なエラーが出たときに困ります。ここでは英語のママで進めます。
言語とキーボードを選びます。言語はここで日本語の選択もありですが、サーバの画面が日本語なのは気持ちがいいものではないし、日本語のエラーメッセージを英語に翻訳し直すのも面倒なので、基本は英語でインストールして行きます。106 JIS キーか 101 US キーボードを選ぶことになるでしょう。@や、&などの特殊キーや NUM Lock, Caps などが押されていないか確認します。
ネットワークから DHCP でインターネットの疎通が確認されると オンラインリポジトリを使うかどうか確認ダイアログが出ます。回線に余裕があればオンラインリポジトリを使いますが、安定してインストールするにはローカルディスク、DVD メディア、USB メモリなどを使ったほうが無難だと思います。好みと環境に応じて選んでください。
System Role とデスクトップのタイプを選びます。本家 SUSE Linux Enterprise Server (SLES 15) は GNOME Lite が実装されています。これも好みの問題ですが、サーバーとしてセットアップして、将来的にSLES にバージョンアップする計画があったり SLES と併用運用するなら GNOME をお勧めします。
ここはインストールが終わってから変更できない部分なので、慎重に検討します。
ルート( / ) パーティションは BtrFS フォーマットです。速度や容量面で不利はありますが、システムのロールバックができたりバックグラウンドでの fsck できるなど、運用面で有利です。システムは 10 Gb ほどの容量ですが、ロールバック用のスナップショットや、将来のアップグレードなどを考慮して、最低でも30Gb 以上の容量を確保しておくことをお勧めします。ベアメタルで長年運用する場合は、将来のアップデートも想定して 100 Gb 程度確保しておくと良いでしょう。私は将来ルートパーティションを切り直しする可能性も含めて、100Gb 程度の未使用領域も残すようにしています。Expart Partitioner から、Proposal の提案内容を修正するのが楽な方法です。
ここでは、Web サーバーにする、という前提で /srv を別パーティションとします。@/srv のサブボリュームを削除して、Add Partition から別なデバイス領域に /srv パーティションを作成してみます。通常データ用パーティションは XFS パーティションがデフォルトで作成されます。もちろん BtrFS や ext4 などの好みのフォーマットも選ぶことができます。 F のカラムが、フォーマット対象です。
すでにディスクが別なシステムで使われており、マイグレーションの対象となるデバイスの場合は、フォーマットしないよう注意します。
パーティションの確認画面です。
マップの中から、都市をクリックしてタイムゾーンを選びます。
Hardware Clock Set to UTC は注意します。ベアメタルサーバの場合はチェックしておきます。もし Windows とデュアルブートする環境の場合、 Windows はUTC で起動してしまう場合があるので、チェックを外してしまうほうが良いでしょう。仮想ハイパーバイザー上で運用する場合は、チェックしても無意味なので、NTP 設定を確実にして運用すべきだと思います。
最初にログインするオペレータアカウントの作成です。デフォルトでは Use this password for .... と Automatic Login にチェックが入っていますが、このチェックは外しておくのが良いでしょう。サーバではなく、Linux デスクトップで ubuntu や macOS の様に、管理用コマンドで sudo が必要な操作をしたいのであればチェックが入っていても良いでしょう。
ここではチェックを外します。
"Use this password for ...." のチェックを外した場合、root のパスワードは別に作ることができます。Caps や Num などが押されていないか、パスワードに使用した特殊キーが正しく認識されているか、テストボックスで確認します。
ここで最終的なインストール内容のチェックをします。
追加でインストールしておきたいパッケージグループや、インストールしたくないパッケージをチェック/アンチェックします。GNOME 環境はほしいけど、 LibreOffice や gimp は要らないとか、 HTTP サーバと KVM ハイパーバイザーは入れておきたいなどのケースがあります。
GNOME デスクトップを選んだため、 Multimedia などにチェックが入っていたのでアンチェックしました。代わりに KVM とWEB LAMP をチェックしてインストールします。
Default systemd Target として、GUI ログインが選択されています。サーバとして使いたいのならテキストに変更することができます。
Security は、Firewall が Enable で SSH はDisable です。これらは後でチューニングしても良いので、Firewall を無効化して、SSH は有効化しておきました。好みに合わせてください。
Network Configuration は、デフォルト Network Manager で、DHCP を使います。サーバ用途であれば Wicked に変更し、固定 IP を使うことになるでしょう。この辺りは SUSE Linux Enterprise とデフォルトが逆なので、注意しておきます。
サマリスクリーンから "Install" を押すと確認のダイアログが出てきます。他のディストリビューションでは、Install ボタンでいきなりインストールが始まりますが、openSUSE/SLE の場合、確認のダイアログが出てくるので、何か不審な点があれば、Back してやり直すことができます。
openSUSE Leap 15.3 までは、このスクリーンで具体的にどのパッケージをインストールしているかの進捗が確認できたのですが、openSUSE Leap 15.4 からは単純なプログレスバーが表示されるだけになりました。(不満点)
パーティションの作成、ファイルコピーとインストールが終わり、ブートローダーの設定が終わったら、自動的に再起動します。
とりあえず、再起動して、作成したオペレータのアカウントでログインしてみました。
Activities のアイコンバーが、左側面から水平線になりました。最近流行りの中央下配置です。
GNOME のバージョンは41.2 です。
この後、インストール後の他の設定、日本語のインストール、NTP の設定、サービスの設定を YaST で細かく設定します。
ターミナルから su で root に入り
# yast2
を起動します。早速 Activities バーに Favorite 登録しておくと良いでしょう。
※ インストールが終わり再起動したあとは、しばらくの間バックグラウンドで zypper update でソフトウェアのアップデート作業を行うようです。インストールが終わって、すぐ yast でパッケージの追加、変更はできないことがあるので、数分から十数分待ってから、yast で "Yet Another Setup" な作業をしてください。
yast > Sustem > Language から、第二言語(ここでは日本語)をチェックして、日本語ファイルやフォントをインストールします。
yast > Network Services > NTP より、初期設定のタイムソースを削除して、ntp.nict.jp などの国内のパブリックNTPや、ISP指定のNTP ソースに変更します。
他に、オペレータ環境に日本語を追加したい場合、Activities の中の Settings の中に言語の設定があります。どうしても日本語で操作したい場合は、ここで日本語の表示に変更できます。YaSYTメニューや man コマンドが日本語化されます。日本語のファイル名とか作られるので、個人的には好みではありません。root は日本語化しないことをお勧めします。
初期状態では YaST のメニューのいくつかのアイコンが配置されていません。YaST > Software Management にある Software メニューから yast2-http-server などの追加アイコンをインストールして YaST メニューの項目を追加します。
あとは、YaST を一旦再起動すると、メニューが追加されます。
以上の作業を動画にしました。(音出ます)
初めての Linux で DNS/DHCP, openSUSE Leap 15最新版 openSUSE Laep 15.5 はこちら