Linux ソフトウェア Raid 作成 openSUSE 15.4 YaST GUI(前編)

 Raid と言えば、ホストバスアダプタ(HBA)のハードウェアの機能を使って作るのが普通です。というかそれ以外のソフトウェア Rsid は面倒くさい。面倒だし、やっぱりハードウェア Raid はCE さんがやってきて、ガチャリとディスクのホットスワップしたら「終わり」みたいな安心感があるわけです。

Linux ソフトウェア Raid  作成 openSUSE 15.4 YaST GUI(前編)_a0056607_16275395.png

 しかし、ハードウェア Raid は一つの装置で完結していて柔軟性がありません。ストレージのラックにタマ何本で Raid5 なり Raid6 を作ると言う方法です。もっとも管理も楽だしハードウェア任せです。

 一方で、仮想化環境がこれほど普及してくると、ストレージも仮想化されます。メインのストレージはDAS接続された Raid6 ラックにあり、Thunderbolt 接続された外付けストレージや、DC のラック内に iSCSI で Raid1 のミラーコピーを置く、などということもソフトウェア Raid であればできるのかな、ということです。


 そこで、ハードウェアプラットフォームに頼らない Raid を構成するなら、ソフトウェア Raid って openSUSE Leap でどうやって構成して操作すればいいのか調べてみました。環境は、SUSE Enterorise15 上に仮想化された、openSUSE Leap 15.4 を使用しています。


YaST2 GUI で Raid の作成

openSUSE Leap でソフトウェア Raid を構築するには YaST2 GUI が便利で手軽です。 

Linux のソフトウェア Raid は元々 SUSE によって開発されたそうなので、SUSE のマニュアルは割としっかりしているようです。
SLE のマニュアルはこちら

ソフトウェアRAIDの設定

YaST アイコンから開くか、ターミナルで

# yast2 &

を実行します。左の System タブを開いて Partitioner を開きます。

Linux ソフトウェア Raid  作成 openSUSE 15.4 YaST GUI(前編)_a0056607_15355247.png

左のペインから、 Raid をクリックして、"Add Raid" します。

Linux ソフトウェア Raid  作成 openSUSE 15.4 YaST GUI(前編)_a0056607_15365251.png

Raid タイプとしてミラーリング(Raid1) をチェックして、Available Devices の中から、利用可能な2つの仮想ディスクを Add します。

Linux ソフトウェア Raid  作成 openSUSE 15.4 YaST GUI(前編)_a0056607_15382491.png

 Chunk サイズの設定です。チャンクサイズはデータの塊サイズです。サイズが小さいとパフォーマンスに影響しそうです。大きすぎるとディスク効率に影響しそうです。色々な事例を読むと、mdadm ツールでは 64Kb がデフォルトのようなので、ここでも 64Kb にしてみました。この数値はあとで大きくできますが小さくすることはできないようです。

Linux ソフトウェア Raid  作成 openSUSE 15.4 YaST GUI(前編)_a0056607_15384757.png

Raid デバイスができました。

Linux ソフトウェア Raid  作成 openSUSE 15.4 YaST GUI(前編)_a0056607_15391208.png

あとは Partitiner でフォーマットしてマウントするだけです。

Linux ソフトウェア Raid  作成 openSUSE 15.4 YaST GUI(前編)_a0056607_15392956.png


確認してみる

ここからは YaST GUI が使えないので mdadm ツールを使います。
/proc/mdstat を cat して状態を確認します。デバイス名は md0 ではなく md127 になりました。

opensuse154:~ # cat /proc/mdstat
Personalities : [raid1]
md127 : active raid1 vdc[1] vdb[0]
13631360 blocks super 1.0 [2/2] [UU]
bitmap: 1/1 pages [4KB], 65536KB chunk

unused devices: <none>
opensuse154:~ #

mdadm --detail で、詳細な情報を確認します。

opensuse154:~ # mdadm --detail /dev/md127
/dev/md127:
Version : 1.0
Creation Time : Tue Sep 13 10:57:56 2022
Raid Level : raid1
Array Size : 13631360 (13.00 GiB 13.96 GB)
Used Dev Size : 13631360 (13.00 GiB 13.96 GB)
Raid Devices : 2
Total Devices : 2
Persistence : Superblock is persistent

Intent Bitmap : Internal

Update Time : Tue Sep 13 11:20:35 2022
State : clean
Active Devices : 2
Working Devices : 2
Failed Devices : 0
Spare Devices : 0

Consistency Policy : bitmap

Name : any:mydisk
UUID : eb1a87b7:bf3c3411:c08ec675:a46606fa
Events : 40

Number Major Minor RaidDevice State
0 253 16 0 active sync /dev/vdb
1 253 32 1 active sync /dev/vdc
opensuse154:~ #


opensuse154:~ # lsblk
NAME MAJ:MIN RM SIZE RO TYPE MOUNTPOINTS
sr0 11:0 1 3.8G 0 rom /run/media/root/openSUSE-Leap-15.4-DVD-x86_64243
vda 253:0 0 33G 0 disk
|-vda1 253:1 0 8M 0 part
|-vda2 253:2 0 31G 0 part /home
| /var
| /tmp
| /usr/local
| /root
| /boot/grub2/i386-pc
| /boot/grub2/x86_64-efi
| /opt
| /.snapshots
| /
`-vda3 253:3 0 2G 0 part [SWAP]
vdb 253:16 0 13G 0 disk
`-md127 9:127 0 13G 0 raid1
`-md127p1 259:0 0 12.9G 0 part /data
vdc 253:32 0 13G 0 disk
`-md127 9:127 0 13G 0 raid1
`-md127p1 259:0 0 12.9G 0 part /data
opensuse154:~ #


--
openSUSE Leap15/SLE15 では、YaST GUI で簡単に Software Raid を構築することができました。やっぱり YaST って凄い便利です。

次は、このディスクペアの片側を取り外して、iSCSI デバイス上にミラーコピーを作ってみます。

Linux ソフトウェア Raid openSUSE 15.4 後編 - ディスクの差替え



そして、YaST 頼りの私の心が見事粉砕されます。





by islandcenter | 2022-09-15 16:02 | Linux | Comments(0)