M1 mac で Linux 仮想化 SUSE Linux Enterprise15sp5 Beta が UTM で動いた

M1 macbook air の UTM 仮想環境で、SUSE Linux Enterprise 15 sp5 のβ版が動作しました。正式版もきれいに動いてくれると嬉しいですね。期待しています。


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SLES15 の Evaluation download

ベータ版のダウンロードリンクがあります。SUSE のアカウント登録が必要です。aarch64 用のフルメディア ISO ダウンロードしておきます。

UTM はこちら、無償版

App Store 版、有償版





UTM で SLES15sp5 をインストール

+ボタンで作成

仮想化

Linux

”Apple 仮想化を使用” をチェック
”起動 ISO イメージ”SLES15sp5 aarch64 Beta の GM1 ディスクイメージ ISO をセット



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アップル仮想化フレームワークって何


メモリ、ストレージ、共有ディスクは、必要に応じて変更

"概要" で任意のVMの名前を付けて、"仮想マシン設定を開く"をチェック

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サマリです。

"ディスプレィ" は任意の解像度を選びます。ここでは低い解像度を選びました。インストール後はディスプレイ解像度は変更できない様です。

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ネットワークはデフォルトで”共有ネットワーク”を選びました。ブリッジにすると上手く動かない事があるようです。

※ ブリッジでも動きました。共有ネットワークの場合は、VM ホストの mac 側のインターフェースを使うため、mac 側のネットワーク環境をルータ代わりに使うような動きを見せます。共有ネットワークの場合はゲストOSを DHCP にする必要があるようです。ネットワーク設定はちょっと奥が深い様です。固定IPにしたい場合は、ブリッジ接続に変更します。

※ ブリッジか共有ネットワークかは、こちらにまとめました。

UTM 仮想化ソフトウェアの Shared Network モードと Bridge モード


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後はインストーラに従ってインストールします。従来はブートローダから先に勧めませんでした。

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インストールそのものの詳細は省略します。動画にまとめましたので御覧ください。(音出ます)






インストールするエクステンションに Desktop Application ModuleLegacy Module を追加しました。

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インストールサマリです。

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Wifi の調子が悪いとインストールに失敗することがあります。有線接続しておきましょう。

※ インストールのファイナライズと再起動まで、コピーに失敗して先に進まない場合、一旦 mac を再起動すると上手くいく場合があります。まだ UTM は若いソフトウェアで不安定な所作があります。意外とバックグラウンドで色々動いているとコピー&インストールで失敗します。一旦システムを再起動して、余計なアプリケーションを終了させておく方が良いようです。UTM 自体は小さくても仮想マシンに与えた分はメモリを食うメモリイータです。16Gb メモリでも問題が起こるので 8Gb モデルの場合はできるだけ他のアプリケーションは終了させておくことです。

※ openSUSE Leap 15.5 beta の場合ですが、 Secure boot と NVRAM の Update を有効にしたままだと、ブートローダーの書き換えに失敗するケースがありました。もしブートローダーの書き込みに失敗する場合は、Secure boot と NVRAM のアップデートを、サマリ画面で Disable にしてみてください。これも一つのアイディアです。

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無事に起動してデスクトップが立ち上がりました。

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実際にコピーとインストールにかかる時間は数分です。パワフルです。

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SUSE Linux (openSUSE Leap/Tumbleweed/SLES) をそれぞれ Apple M1 macbook の UTM 環境で動かしてみましたが、SLE15sp5 の beta 版が一番確実にインストールできました。openSUSE Leap ではサーバしかインストールできなかったのですが、SLES では、GNOME デスクトップもまとめてインストールできました。

M1/M2 mac で linux, UTM で仮想化、 openSUSE Tumbleweed

mac で UTM ARM Linux : openSUSE Leap15.5 on Apple M1 virtualization


M1/M2 mac で ARM版 Windows11を: 無償のUTMで仮想化 (ハマりどころ)
M1/M2 mac で Fedora37, UTM/qemu 無償のオープンソースで Linux 仮想化



これで、openSUSE Leap/Tumbleweed/SLE の3ディストリビューションが動いたわけですが、fedora や ubuntu の例に加えて、SUSE Linux シリーズも動いてくれたわけです。私の mac book air では Windows11 も動いているので、mac book air で Windows も Linux も持ち運べる環境ができた、ということです。

こういった M1 mac で仮想化するには、やっぱり Parallels Desktop ということになりますが、買い切り版だとゲストOSのアップデートに対応できるかというと不安になるし、アップデートが保証されるサブスクリプションはやっぱり高い。オープンソースの QEMU を使った UTM なら心安く利用できるので手軽なことは、UTM の方が手を出しやすいというメリットもあります。 UTM は有償版が Apple App Store にもありますが、モノは一緒なので有償版、無償版どちらを選んでも構わないでしょう。

それにしても、M1 mac book air はパワフルでファンレスで駆動部品がない魅力的なプラットフォームです。






by islandcenter | 2023-02-26 11:46 | SUSE | Comments(0)