2023年 10月 23日
追い込まれた Windows ? サブスクでスマートフォンに乗り切れなかった Microsoft の行く末
MicrosoftはWindows 12をサブスクリプション形式で利用するOSにしようとしているとのリーク情報 - GIGAZINE
既にガセネタ・否定的な意見も出てきましたが Windows サブスクリプション計画がリークされて話題になりました。火のないところに煙は立たずの例えもありますから、将来的な真偽の程は別にしても、検討中なのは有り得る話です。
スマートフォンの圧倒的なパーソナルデバイスマーケットから完全に締め出された Microsoft がいよいよ、自社の本丸の Windows の有償化、サブスクリプション化によって、収益を確保しようという企てがリークされ、話題となったわけです。。
何しろ X (Twittwe) 有償化が話題になった背景もあります。 Microsoft が自社主力製品の有償サブスクリプション化を検討している、と噂に過ぎないとは言え、有償化を検討しているとリークされてもおかしくない。既に Apple にしても Alphabet にしても一部のサービスは有償化、プレミアム化しているわけです。
Youtube は ADblock を排除しようとしている。
いまや、ハイエンドなスマートフォンが20万円代の世の中、パーソナルコンピュータというデバイスは安価に思えるほどです。多くのメーカーが鎬を削るスマートフォンの業界に対して、PC は Windows という牙城があるわけで、利用者が否定できない状態でサブスクリプション化、有償化しようとする。
WIndows 10 が出た時の「最後の Windows」宣言はどこへ行ったのでしょうか。
多くのコメントでは、
「これで Ubuntu 一択」「Mac に乗り換え」
といった声が聞こえますが、一番困惑するのは、PCベンダーでしょう。何しろ OS 価格をハードウェア価格に載せられないし、サポートはハードベンダーが行なえ、ということになったら、何の意味があっての PC ベンダーなのかわからない。
Microsoft 自身も首を締められそう。ますます不正コピーが蔓延る世の中になってしまいそうです。
Microsoft がスマートフォンで何ができるか。
Surface Duo は Android 搭載の二つ折りタブレットですが、残念ながら Pixel Fold とは比較にならないくらい話題になっていない。どうも静かに Surface Duo はオワコンになったみたいなんだけど ...
Pixel Fold とどっちがいい?
この QUalcom の Snap Dragon 8 を搭載したハードウェア製品のどこに Microsoft オリジナルの技術が使われているのでしょう。アプリケーションは Google Play で入手できるけれど、Microsoft の利益に強烈に結びつく事はない。せいぜい OneDrive がシームレスに Windows と共有できるぞ、と言った程度で、Microsoft らしさがない。すべて他人の褌で相撲を取っている製品で、ロマンのカケラもない。
Windows S という謎仕様の Windows があって、Microsoft Store のアプリケーションだけ使えます、というものがありますが、そもそも Microsoft Store 自体が過疎っています。オワコン疑惑です。スマートフォン決済や本人確認の機能が、スマートフォンにあっても、 Windows にはない。 Windows で指紋認証があっても、スマートフォンを用意しなければ本人確認ができないとか、銀行決済も使えない、地図も使えない。
あるのは Windows 標準だったペイントアプリだとか、GPS がない PC では現在地も特定できない天気予報アプリ、ソリティリアみたいな無難なゲームくらいしかない。
あとはゲームのプラットフォームとしての Windows の存在。
Google も Amazon も Apple もアプリとアプリで使える音楽や映像などのコンテンツを使ったビジネスに移行している中、Microsoft はコンテンツ商売には完全に失敗しているのです。せいぜい Office 356 の一部ユーザがサブスクリプションを使っているくらいでしょうか。
Windows それは Microsoft Office のためにある。やっぱり Offce は悪魔的な存在で、これを使いたいために Windows は存在していると言ってもいいでしょう。「PC を使う」という目的がほとんど
「Word や Excel を使う」
と同義語と化しています。もし Microsoft のオフィススィートを使わないのであれば、ほとんど Windows は必要ない。かなり特殊なユーザになってしまいそうですが Mac でも Linux でも構わない。ビジネスでのキラーアプリケーションが、Microsoft にとっての最大の収入源になっていること極まりない。
Google アカウントや Apple ID がスマートフォンの付属品となって、アプリやコンテンツ購入のキーポイントになるのに、Microsoft アカウントでは、サービスやコンテンツの購入のトリガにはならないのです。スマートフォンのアカウントが、プライベートなアカウントであるのに、Windows アカウントがビジネス用のアカウントで、企業によって管理されているため、Microsoft アカウントで何かを購入する、というモチベーションには繋がりにくい。
話が脱線しましたが、長い目で見ると、Windows がサブスクリプション化するのはあり得ると思います。
しかし、「働きアリ 2:8 の法則」がある限り、有能でサブスクリプションを払ってでも Windows を使いたいというユーザと、Windows には一銭も払いたくないというフリーライダーが必要でしょう。2010年代、私たちが生きてきた、フリーミアム、ロングテールに支えられてきた Web 2.0 の社会は、スーパーマーケットの棚を埋める8割の死に筋商品、ロングテールを排除しなかった。もし、スーパーから週に一つも売れれば良いような商品を排除して、売れ筋2割に棚を絞れば、一時的に利益は出ても、長い目で見れば売上は確実に凋落します。
Windows が 100% 有料サブスクリプションユーザとしてでも使いたいのは多分二割のユーザでしかない。その他に8割のフリーライダーが存在しないと、パーソナルデバイスである PC 分野の 90% の Windows シェアは確実に崩れるでしょう。いや、もう既にパーソナルデバイスとしては Windows PC はスマートフォンの後塵を拝しています。
働きアリの二割を集めて働かせても、いずれその8割は働かなくなります。おそらくフリーライダーを目指すホビーとして PC を触りたいユーザは Linux や Mac に移行してしまうでしょうし、ビジネスユーザであっても、サブスクリプションが無用に高価だと感じれば、他のコミュニケーション・プラットフォーム映ってしまう。有償サブスクリプションユーザであっても、作り上げたコンテンツが、フリーライダー達に届いて利用されない限り、Windows は輝きを失うでしょう。私たちユーザは、スマートフォンに投資して、コンテンツに費用を掛けることには慣れて躊躇いはありませんが、日常の PC を使う生活には慣れていません。
勝手な妄想ですが考えられるのは Windows + Office の有料サブスクリプション化はあり得ると思います。Office 356 のサブスクリプションは既成事実ですからね。これに OneDrive の大容量化。
個人向けの Windows Pro 版も有償化はあり得る。できれば買い切りにしてほしいけれど。
Home 版はほとんど無償化しないと今後の Microsoft の将来にとっては厳しいのではないかな。問題は OEM メーカーをどうするか。
もっとも今の、Enterptise/Pro/Home という棲み分けが変わってくる可能性もあるでしょう。そういう棲み分けが今後もあり得るのか?
もし全ての Windows がサブスクリプション化してしまうと、海賊版が増えるでしょう。海賊版の浸透は、Windows 自体の信頼性を無くす危険性も増えることは想像できます。