生成AIが自らの首を締める? Google 検索はどこへ!

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Google 検索のトラフィックが異常

Google は最近、検索結果に AI を用いるようになりました。

例えば、あなたが「Windows のシャットダウン」を検索した場合、次の様な回答が帰ってきます。

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この様な Q&A の回答は従来であれば、該当するもっともソレらしいページのリンクと概要を示してきたのですが、Google の検索結果のページそのものに、それに近しい内容の回答を載せて来るようになりました。

この結果、Google ユーザは、必要なページを開くことなく情報を手に入れることができます。

利用者にとっては非常に便利です。余計な前置きもなく素直に答えが出てくる。うざったらしい広告も表示されずに。

そう広告もなしにです。


これにより影響を受けるのは、ウェブページの所有者です。

いくら細かな手を加え、情報を吟味してアップデートしているブログ・サイトやウェブページは重要なユーザのアクセスを得ることができず、いわば「Google によるまとめ記事」のネタになるだけで、ページへのリーチ、アクセス数を稼ぐことができません。

これは、このブログのアクセス数の遷移を Google Analitics で分析したものですが、明らかに 2023 年10月を堺にアクセス数が半分近く減っています。

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このブログのエントリーは、ほぼ8割が Google Search によるものです。他に、はてなや X (Twitter ) からたどり着いたケースもありますが、ごくわずかです。

「検索エンジン以外」のリンクソースはごく僅かですが、目立って減ったということはありません。明らかに検索エンジンからの流入が減ったのです。

Google の検索結果に AI による要約が表示されるようになってから、明らかにトータルアクセス数が減っていると実感できます。

いや、お前の書く記事がショボいからだろ、と言われてもおかしくないのですが、過去の記事で人気があった記事も等しく読者が減っているので、決して「つまんない記事」を書き散らしているからとは思えないのですね。


Adsense の低下は Google 自らの首を締める

もちろん私はこのブログに Google の Adsense の広告を載せていますが、先月以来急激に収益が減っています。Adcense は確かにブログを書くモチベーションになります。得られる収益は Google から支払われるわけですから、 Google Adsense 自体が「ケチ」になったのではないでしょう。明らかに今の Google の検索結果の表示方法の変更により、優良な Adcense 広告を載せてくれるページやブログのオーナーへ収益を分配する Google そのものの収益にも影響が現れてくるはずです。Adsense はあくまでも Google の広告収入の、私達情報提供者へのおコボレに過ぎません。Google 自体の広告表示が減るのです。

Google は記事を提供してくれるコンテンツを開かせ、そこの広告をクリックさせることで収益を得ています。Google の収益の大部分は、広告収入です。その広告収入の素となる、ブログやニュース記事などの「まとめページ」化してしまった Google 検索結果が、Google 自身が提供する広告表示、広告収入に大きな影響を与えるのではないでしょうか。

Google Adsense は、大手新聞社のニュースサイトなどにも使われています。何しろ自分のブログと同じ広告が大手新聞社のニュースページにも出ています。

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Google にとっては、検索結果に AI による「まとめ記事」ではなく、自社が提供する広告を多く使った記事やページを表示させた方が収益になるはず、なのでしょうが、そこに AI 技術を使ったビジネスの難しさを感じるわけです。生成 AI による情報の「まとめ化」は今後の個人ブログの収益化、更には大手ニュースメディアの収益確保に大きな影響を与えそうです。

おそらく、ノウ・ハウ系のブログページを運用している情報発信者は大打撃を受けるでしょう。いくら「生成AIでスマートなブログが書ける」と言っても、こうして、検索エンジンが生成 AI で答えを書いてしまってはそもそも自分のページにはリーチしません。


検索エンジンとネットビジネスの迷走

Chat GPT が登場して一年。これからも検索エンジンとそれに関わるネットビジネスは迷走するでしょう。まだ生成 AI の生み出す情報がどの様なマネタイズ手段を生み出すかは方向性が見えません。コンテンツを作り出す一つの手段としては認められる方向ではありますが、生成物による収益化の方向はまだ見えてこないのです。生成 AI が生み出す結果は、このままで行くと有益な情報提供者、ニュース発信者の淘汰につながる危うさがありそうです。

AI が2023 年のテクノロジーのキーワードとして、 Web3 を押し退けてバズワード化させたわけですが、生成 AI をどうやって収益化するかは、まだ手探りな状態でしょう。生成 AI が元ネタとしている画像や文章の著作権ってどうなのよ、という問題も話題になっています。





by islandcenter | 2023-11-30 14:15 | 雑文 | Comments(0)