2023年 12月 27日
PCが重い? Windows Update 帯域制限、その通信費は誰の負担?

実はいつも「迷惑だなぁ」と感じる Windows Update は、ピアツーピア(P2P)の技術を使って巨大なパッチを配信しているということは、あまり知られていません。タスクマネージャーを見ると、アップデートもしていないのにやけに Windows Update のプロセスがディスクや CPU に負荷を掛けていることに気がつくことがあります。
Windows Update は私達のコンピュータ・ライブにとって必要悪でできればあまりやりたくない、重い処理の一つで、少しでもアップデートに関わるストレスを減らしたい作業です。
Windows Update の設定を見直して警戒に作業ができるように設定を見直しましょう
「田」 > 「歯車」> "Windows Update" を開きます。
「利用可能になったらすぐに .... 」は通常オンで構いません。
古い PC や性能が低いコンピュータの場合は一時的にオフにしても構いません。ただしオフにした場合、必ずオンに戻すか、定期的にアップデートを手動で実行してアップデートを自己管理します。
次に「詳細オプション」を開きます

「従量課金接続で更新プログラムを....」 はダウンロードしないよう、 オフにします。ラップトップコンピュータの様に、出先でスマートフォンのテザリングなどを使って通信しているときにいきなりダウンロードが始まると、ギガ死します。必ずオフにしましょう。新しく WIfi 接続を作ったりした後は、必ず新しい Wifi 接続の状態をチェックしてください。
接続方法が従量課金かどうかは、「歯車」 > 「ネットワークとインターネット」 > Wifi > 「既知のネットワークを管理」の中にあります。スマートフォンのテザリングや、自宅回線が従量課金の場合は接続した後、必ず設定を見直しておきます。これをしておかないと、外出先でひどい目に遭います。

Windows Update のデフォルトは、近くの Windows PC 同士で、アップデートのファイルをピアツーピアでやり取りします。これが、アップデートを実行中のコンピュータに余計な負荷を掛け、通信回線にも余計な負担を掛けてしまいます。お互いのアップデートキャッシュをやり取りするという事は、当然アップロードに自分のPCが参加するわけですから、アップロード側の通信負担、ディスクアクセスに伴う重さを私達が背負う事になる訳ですから見過ごせません。
パッチの配信元の Microsoft のサーバに負荷を掛けないためなのでしょうが、その分私達の利用環境に余計なお世話を仕掛けます。
見つけたら片っ端からオフにして構いません。
「追加オプション」の "配信の最適化" を開きます。

配信の最適化の中に「他のPCからのダウンロードを許可...」の項目を、許可しないようオフにします。
更に「配信の最適化」の「詳細オプション」を開きます。

ここで「他のPCからのダウンロードを許可する」を「オフ」の下に、「ローカルネットワークのデバイス」か「インターネットかローカルネットワークのデバイスか」を選ぶボタンがあります。素性の知れないアップデートソースから、パッチを受け取るのは非常に気持ち悪いですよね。
デフォルトでは、アップデートのキャッシュを「インターネットと構内LAN」で共有する設定になっているので、「ローカルネットワーク上のデバイス」のみにして、「他のPCへのダウンロードを許可」するがもしセットされてもトラフィックが外に流れない様にするべきです。
更に配信の最適化の「詳細オプション」の中に「アップロードの設定」という項目があります。
この帯域幅の量を全て最低になるよう、スライドバーを左(0方向)に動かします。

以下は Windows Pro 版です。
Windows11 Pro の場合、グループポリシーで Windows Update の帯域制限をすることができます。
C:¥ > gpedit
コンピューターの構成 > 管理用テンプレート > ネットワーク > バックグラウンドインテリジェント転送サービス (BTIS) を開きます。

※※ BITS って何だ? ※※
BITS(Background Intelligent Transfer Service)は、ネットワークがアイドリングしている時に巨大なファイルをバックグラウンドでチョロチョロとキャッシュして P2P 配布することです。ブランチキャッシュ(支店間通信)に利用されるものですが、Windows Update 以外あまり普及していないし、標準化されてもいないので、Microsoft 的な独善的な機能の一種でしょう。巨大なファイルをセンターサーバーもなく断片的に P2P で扱う事は非常に非効率です。しかも PC がアイドリングしている最中に活動するのは、バッテリーや消費電力に影響しますし、夜間 PC の電源を入れっぱなしにしないと効果がありません。フォアグラウンド処理は、利用者にとっては最大限に効率化して動作して欲しいものです。このパラメーターで必要な通信量を確保するのですが、所詮、OSが認識できるのは NIC の通信量、つまり LAN の通信量が制御できるだけ。ルーターにどれだけトラフィックがかかっているかは判断できないでしょう。「配信の最適化」機能だけで使われる技術です。それにそもそもこう言ったバックグラウンド転送を細かく制御できる機能がある事自体、もう使わなくてもいいよ、的な余計な機能です。
※※※※
"このポリシー設定を無効にした場合、または構成しなかった場合は、BITS のピアキャッシュ機能が無効になり、BITS によって元のサーバーから直接ファイルがダウンロードされます。"
とあるので、BITSの設定にある「BITSピアキャッシュを許可」を無効にします。

BITS クライアント、BITS サーバーとしての機能もそれぞれ無効化します。
もしBITS を無効化しない場合は、転送時の帯域幅を制限するパラメータもあるので、必要に応じてこの帯域幅を制限することもできます。0にセットすると無効化されます。

また、”コンピューターの構成 > 管理用テンプレート > Windows コンポーネント”の一番下にある「配信の最適化」 > 「ダウンロードモード」を無効にしておきます。これで P2P モードは無効になります。

コンピューターが BITS のピアキャッシュ サーバーとして動作しないようにする(レジストリ)
Windows11 の Windows Update の適正化、デフォルトから変更すべき点についてまとめました。
・ デフォルトでは、Windows PC は Microsoft のサーバーではなく、インターネットに分散して断片的存在するアップデートを集めるため、私達ユーザが契約しているスマートフォンや光回線の上り下りにや PC 本体に余計な負荷がかかるのでこれをオフにすること。・ Pro 版では GroupPolicy (GPO) によって BITS 機能を制限して、利用者の環境に余計な負荷を与えないこと。・ ある程度以上の LAN 環境なら Windows Update Service (WSUS) を導入して、アップデートを中央管理するのが好ましい。
リモートワーク時代のサイバーテポドン Windows Update の回線帯域を確保