2024年 10月 03日
PC調達10万円の壁、消耗品費で処理できるPC選び(2024)
でもね、どうしても今の戦友は頼りない。今時4Gbのメモリの Celeron だとか HDD 搭載の第8世代 Core i7 8Gbメモリとかの仕様で平気で貴方に仕事をさせようとする貴方の上司や、経営者にひどく苛立ちを感じるわけなんです。リモートワークに必要だから、購入してくれとか、自宅使用の為に補助してくれ、と懇願しても「課長決済は10万円までね」と言われてしまう。そう、10万円以内の支出は現場の課内決算で問題ないのですが、10万円を超えると経理課長のチェックが必要な設備になってしまうので、面倒な社内稟議を通さなくてはならない、という「カイシャのルール」が立ちはだかるのです。これはもう、太平洋戦争末期に3年落ちの零戦二十一型に乗って硫黄島決戦に臨む大空のサムライみたいで、どうにかしてくれ、という気分に貴方はなるわけですね。サラリーマン時代、万年ヒラだった身としては経費のからくりがよくわからず、業務推進の為ならば、もっとイイPC寄越せと上司を睨んでいたものですが、いざ青色申告やってみると、「PC 調達10万円の壁」という謎の仕掛けに悩まされたものです。

とにかくコロナ前と後では、PC に求められる要求は随分変わったわけなんですが、要求される機能は多岐に渡ります。数年前だと Office とメールが起動できればいいじゃないか程度のスペックで、Celeron + 4Gb メモリで十分と言われたのですが、それは Windows7 の時代の話で、Windows11 を使うには全然足りません。WIndows7 時代はまだ 32Bit Windows が主流でしたが、Windows11 時代は完全に 64 ビット Windows の時代です。Windows に限らず、オペレーティングシステムを始めとするソフトウェアは肥大化するものです。
パソコンを購入する場合、10万円と30万円が一つの壁となります。おおよそ10万円以下は消耗備品、経費として一発償却できるのですが、10万円を超えると備品扱いで基本的には4年間は備品台帳に載せて4分割して償却しなければならないのです。パソコン、スマートフォンは耐用期間4年と決まっています。4年もあれば、 IT機器は陳腐化してアップデートを繰り返し使い物にならない事が多くても、税務の皆様の考えは陳腐化と無縁です。この円安の時代でも PC は4年間使うべきものという考えなのです。そろそろ税務関連の公務員の皆様の頭の中身を AI 化したりアップデートしたりが必要なのです。
青色申告の自営業者や副業を始めた人、中小企業等の場合、30万円以下は少額減価償却として特例があるようですが、あまり知られていないのか、やっぱり面倒なのかあまり少額減価償却とするケースは少ないようです。また、10万円を超えると減価償却よね、って言うルールを知らない人もいる。
いまやスマートフォンでもミドルクラスのモデルは10万円前後の時代です。PC やスマートフォンを調達する費用を経費処理することができるのは10万円、という制限はなんとかして欲しいものです。円安だし、この物価高の時代です。「こら石破、平になんとかさせろ」と言いたい。耐用年数(器具・備品)
まとめると
¥100,000 以下 -- 経費として一括償却¥100,000 --- 300,000 -- 少額減価償却として、3年で3分割償却あるいは固定資産(備品)として償却、4年間固定資産税を支払う。¥300,00 以上 --- 固定資産(備品)として4年で分割して償却、固定資産税を払う。
という事になるのですが、10万円というのが PC 調達の一つの壁となって、現場は経理部長との闘いになるわけです。備品台帳に載るわけですから、しっかり棚卸ししなけりゃならない。たとえ個人事業者であっても、大企業であっても経費管理が1段めんどくさくなります。だから言われるんですよ「稟議書くの嫌だから10万円以下にしてね」と。
中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例
基本的に、デスクトップ PC では、一緒に使うマウスやキーボード、モニタなどは、一括して計算するのが原則です。となると、プリンタはどうなるの、という点を激しくツッコミたくなるのですが、もし、PC とモニタ、プリンタを一式24万円とかで購入して、領収書が1枚だと、確実に「パソコン一式24万円 = 備品!」となってしまいます。耐用年数が異なる PC と プリンタは別に購入すべし、というのが鉄則ですね。
でモニタは微妙です。これも PC 本体と一緒に購入して使うのであれば、「一式備品」となってしまいますが、古いモニタをそのまま使って PC 本体をドスパラで購入、というケースであれば、「キーボード+マウス+PC本体 = 一式備品」となるわけですね。モニタは PC 本体より陳腐化しないし、いいモニタを末永く使うことは良いアイディアです。ナナオ好きな私は1台のモニタを10年以上歴代使っていましたが、価格相応に満足しました。
もし古いテレビで HDMI 入力ができるものがあれば、当面TVに繋いで使って、満足できなければより良いモニタに変えれば良いと思います。まぁテレビの解像度じゃちょっと使い物にならないかもしれませんが。
という事で、もし手持ちのモニタ、キーボード、プリンタがある環境なら、PC 本体だけ購入して10万円以下なら、PC を消耗備品として計上すればよいのでしょうか。この辺り微妙で詳しくないので税理士さんとかと相談してみる必要がありそうです。
とにかく10万円の壁を超えないようにするには、モニタとプリンタは別購入したほうが経費処理しやすい、という事です。他、キーボードとマウスも流用できれば、なおいいでしょう。どうせキーボードやマウスは二三年でヘタる消耗品みたいなものですから、反応が悪くなったので修繕費として新しい物に買い換えればいい。
やっぱり、マンマシンを中継する入出力装置にはお金をかけたほうがいいですね。
本来仕事で使う PC として選ぶなら、やっぱり Windows は Pro 版にした方がいいでしょう。オフィスとブラウザが使えればいい、と言っても、仕事で使う上ではリモートデスクトップが使えて Bit Locker や WSL、Hyper-V 、セキュリティ上グループポリシーが使える。職場の Windows ドメインにつなげる必要がある、などあらゆる目的に耐えるには、基本的に Pro モデルが欲しいところなのです。
ここでところが Home 版しかないモデルとか、 Pro 版はあっても10万円の壁を超えてしまうという場合は悩みます。まぁ現実には HOME 版で困る人は少ないかもしれませんが、いざ「この処理は Pro 版が必要」というケースもあるし、HOME 版を出先で使うのはなんとなくコッ恥ずかしい。「おウチで使っているパソコンで仕事するなよ」って言われそう。
だったら、HOME 版を Pro 版に入れ替えちゃえば良い訳です。
ただここでも注意しなければならないのは、Windows Pro ライセンスは、DSP版ではなく、リテール品の Pro 1ライセンスを正規購入しましょうということです。 Home --> Microsoft Store で Pro 版でアップグレードライセンスを取得すると、その Windows Pro ライセンスは、賞味期限が短い PC 本体と紐づけされます。PC に紐づけされると税制処理用、同一資産と見なされる可能性もあります。またPCが廃棄されると、使い回しはできません。また実質 PC の性能向上、備品価値をアップさせることになりますから、PC 本体の償却に関わってしまいます。もし勤め先や取引先でボリュームライセンスがあるのなら、縛りはあってもそれは使うべき価値があるものです。
リテール版は基本的にハードウェアには紐づかないので、使わなければ古い PC や BTO やベアボーンマシンに再インストールできます。Microsoft ライセンスに紐づきされるので PCを破棄して使わなくなっても新しい PC に使い回してインストールできるわけです。末永く使えるモニターと同じように、PC が陳腐化しても新しく購入したマシンにでも使えます。もし使っていない Windows Pro のリテール版ライセンスがあるのなら、BTO 版の PC を購入して自分でインストールするのも手段です。まぁ難易度は上がりますが、最近の Windows はそんなに困らないでしょう。
日本市場は不思議なもので、Microsoft Offce がプリインストールされていないと量販店などのコンシューマーマーケットでは相手にされないそうです。でも、プリインストールされた Office はこれ、Windows ライセンスと同じで、PCに紐づけられたライセンスです。これだけで数万円するわけですから別途購入、というかサブスクリプションライセンスであれば、クラウド契約やレンタルと同じように毎月の経費処理で済むはす。やはり Microsoft 版 Office が必要だ、と言うのなら Office 付属で 10 万円を超えて備品にするより Office なしで、サブスクリプションを経費にするべきでしょう。少ない初期投資で Office ソフトウェアを複数のデバイスで使い回しできるので、面倒な固定資産処理は省けるわけですね。
もっとも、Office のライセンスは貴方の所属する職場で別途契約しているのであれば、ボリュームライセンスが使えるかどうか気になる所です。また、本当に MS 製の Office が必要かどうか。Libre Office を長年使っていますが、特に困ったことはありません。基本的な入力作業は互換 Office でも充分な場合もあります。いざとなれば OneDrive の中でクラウド版 Office で編集すれば良い。mac も Windows も Linux もという人にとにとっては Libre Office と Thunderbird, FireFox, Chrome, GIMP は必須です。最近は Web 版 Office も5Gb まで無料なので本当に Microsoft Office が必要なのかじっくり考えてみましょう。
そんなに Microsoft に税金払いたいのですか?
じゃ、PC をアップデートした場合はどうなるのよ? と考えた場合、答えが見つからないので Chat GPT に聞いてみました。”9万円で購入して経費処理済みのパソコンに5万円のソフトウェアをインストールし14万円になったら、固定資産として処理しなければならないですか?”
ChatGPT
購入したパソコンが9万円で、すでに経費処理されている場合、翌年に5万円のソフトウェアをインストールして合計14万円になったとしても、基本的にはそのパソコン自体を再度固定資産として処理する必要はありません。理由は以下の通りです:9万円のパソコンは、既に購入時点で経費として処理されています。このため、固定資産としての計上義務はその時点で生じていません。ソフトウェアの追加費用(5万円)は、パソコンの機能を向上させるための費用とみなされることがありますが、単独で見れば10万円以下の少額資産であるため、これも通常は固定資産として計上する必要はありません。ただし、税法上、パソコン本体とそのソフトウェアを一つの資産として扱うべきかどうかはケースによります。一般的に以下のように考えられます:ソフトウェアがパソコンの一部とみなされる場合:パソコンに対する修繕やアップグレードと同様に扱われ、経費として処理される可能性が高いです。この場合、固定資産の再計上は不要です。
ソフトウェアが独立した資産とみなされる場合:例えば、専門的なソフトウェアがパソコンの性能を大幅に向上させるものであれば、ソフトウェア自体を固定資産として処理する場合もありますが、この場合も、合計金額が10万円以上であっても14万円全体を固定資産として計上する義務はないことが多いです。
結論として、すでに経費処理されたパソコンに追加でソフトウェアをインストールした場合、通常は再度固定資産として処理する必要はありませんが、企業の会計方針や税務上の判断によって異なる場合があるため、具体的な状況については税理士に確認するとよいでしょう。
まぁおおよその意味はわかりそうですね。8Gb メモリ256Gb ストレージの Windows HOME の PC を6万円で経費処理で購入して、後に10万円以内で 32Gb メモリ、1TbのSSD、Windows Pro のリテール版にアップグレードしても、アップグレード費用を経費処理することは、多少グレーっぽい所はあるけれど、問題はなさそうです。ただし12万円する nVidia の GPU カードを後付装着した場合、 GPU カードだけ個別の資産として備品処理する必要があるという事ですね。ここにもオプション装備の10万円の壁が存在するわけです。
ここまで、デスクトップ PC を10万円の壁を超えずに調達する方法だった訳ですが、やっぱり1Kg前後の12インチクラスのハイエンド省電力の薄っぺらいラップトップPCがいい、という方も居るでしょう。でも日本メーカーのモバイルPCは、20万円超が主力のモデルが多いのです。Vaio , Panasonic, Dynabook なんかが出していますね。個人的には、このクラスには手が出ません。しっかり経理部長と相談の上で固定資産、備品として処理したほうが良いでしょう。
ラップトップ PCは、液晶モニタ、キーボード、ポインティングデバイス、カメラが一体となっているだけに、これ一台で済む、という所はポイント高いのですが、どれか一つでも不満があると替えが効かない点に問題があります。かつて Dell の Inspiron に3年の特別保証つけて自腹で購入したことがありましたが、Dell の特別保証は故障だけではなくコーヒーこぼしても像が踏んでも無料修理なので、液晶割れした時はショックでしたが、無償修理で本当に助かりました。これだけでも Dell のアクシデンタルサービスは購入の価値があります。ただし、購入時に同時加入が必要なので、10万円の壁は容易にこえてしまいますが...
それでもモバイルラップトップが欲しいのよ、という方にはややスペックダウンさせて、Lenovo や HP、Dell と言った海外メーカーの 14 Inch 1.4Kg 程度のモデルという選択肢になります。新幹線や飛行場の待ち合いでちょっと使う程度ならこの程度でいい。ホテルに泊まっても電源があるし。
どうせ PC なんて陳腐化が激しいものです。30 万円出して買ったウルトラモバイル PC だって万能ではないし、満員電車のリュックに揉まれ、普通4年間もの間の償却期間の間、満足に使い切れるものではありません。キーボードはヘタるし、液晶は暗くなったり割れたりして修理に5万円とか、気に入らないタッチパッドに慣れずに3年持てばいい。末期はバッテリーも死んで常時ACアダプタの点滴状態。使い倒したろ、の気持ちで徹底的に使うのが PC にとっても幸せなのです。だったら安いモデルにすれば良い。スタバでドヤりたいなら、自腹で MacBook Pro でも買えばいいわけで、数日の出張やリモートオフィスで使いたい程度であれば、多少ダサいモデルでも構わないのです。
やっぱりこれから PC 買うなら AI 対応だよね、本当にそう思いますか? まぁ2,3年後ならまだしも、GPU を使って AI 処理を行っている今のエッジAI の機能が本当に使い物になるのか非常に微妙なところなんですね。 Copilot 対応 PC 、Core Ultra じゃなきゃ嫌だ、という貴方。本当に今それが使い物になると信じているのですか?
おそらく、もう少しソフトウェアが進化すれば、その処理に必要なハードウェアの仕様も変わってくるので、標準的にエッジPCにAI機能が搭載されるようになるにはまだ数年かかると思います。それなのに、2024年の今、AI処理ハードウェアが搭載されていても数年後には全然役に立たなかったりする可能性もあるわけですから+数万円の付加価値としては勿体ないでしょう。メタバースがコケたように AI がコケるかどうかはわからないし何が主流なのか、何が正しいのか。いわばインターネットが黎明期に Netscape が正しかったのか Microsoft が正しかったのか、一時の AI バブルの状態はもう少し静観してもいいと思います。
今、必要な10万円の壁のこちらにあるPCの価値としてはあまりにも無駄すぎます。PC に将来を見つけてはいけません。今必要だから、PC を選ぶのです。
PC もクルマも同じです。選んでいる時が一番楽しい。
実際のワークスタイルに、モバイルノートは必要なのか? という事にもう一度立ち返ってみて欲しいわけです。自分の普段の仕事に本当にラップトップPCが必要なのか。もしかしたらあまりにも高価過ぎるスマートフォンを持っていて、スマートフォンも使いこなしていないのに、ラップトップコンピュータを持ち運ばなければならないのか。あるいは単に東京ー大阪間の新幹線移動に暇つぶしに YouTube 見たいとか。
そんな目的に、高額な軽量ラップトップは要らない。ミドルクラスのスマートフォンと安価なタブレットがあれば出張には十分、という考え方もあるわけです。出先のリモート会議に PC は絶対必要ですか? ミーティングだけならスマートフォンやタブレットで済むこともあるのではないか?
でもやっぱり、自宅やリモートオフィスにPCは必要だよね、という人には、今流行りのミニPCという選択肢があります。
小型の筐体にラップトップ用の省電力CPU、充分なメモリを搭載し、ほぼノートブックのハイエンドに近い性能がありながら、そこそこに豊富なインターフェースを持ち、メモリやSSD も豊富に搭載している、中華製ミニPC は 10 万円の壁を超えない範囲で選択肢になります。キーボードやマウス、モニタは古いのを使いまわしにする。
仕様は 16Gb か 32Gb のメモリと 512 Gb から 1Tbのストレージを持ち、最低限の N100 + 16Gb モデルから、AMD Ryzen 搭載のミドルクラス、Intel Core i 7 12,13世代クラスで 7,8万程度とコストパフォーマンスは抜群です。もちろんそれ以上のオンボードGPUを備えたゲーミングミニ PC というものもありますが、残念ながら悲しい中華センスのギンギラミニPCなのがちょっと残念。職場や自宅のセカントマシンにはやや不向き。
キーボード、マウス、モニタはついていないので、すでに持っているなら本体だけ購入して、経費処理確定です。ほとんどのこの手の中華メーカーのミニPCは Windows Pro モデルが多く、ライセンス的に妖しさ満点なんですが、最近流行りなだけあって、品質や故障返品保証などまともに日本で売ってみようかというヤル気を感じさせるマーケティング活動をしているようです。
BTOじゃないけれどメモリやSSDなどハイスペックを選んでも価格差は数千円だったりと以外と謙虚なところは嬉しいので、できるだけ上位モデルがオススメですね
ただし、小型の筐体なので、グラフィックスカードが搭載できないので Intel 内蔵グラフィックスとか AMD のグラフィックスなので、画像編集やゲームには向かないし、AI チップが内蔵されているわけではないからその点は割り切って使うべきです。
2023 Mini PC 買ってみた。大丈夫? 中華ブランド