openSUSE Leap 16.0 preAlpha ファーストインプレッション

openSUSE Leap 16 の pre Alpha 版が公開されていました。早速どんなものか、サクッとインストールしてみました。


openSUSE Leap 16.0 preAlpha ファーストインプレッション_a0056607_14321383.png


 ダウンロードはこちら。ネットワーク経由のインストーラしかありません。フルイメージはないので高速なネットワーク接続が必須です。






 ベータどころかアルファ版の更にその前、ということもあり、まだまだ完成形には程遠いものですが、インストーラの大幅な変更には戸惑いました。過去 SUSE9 以来、慣れてたインストーラの大幅な変更が、改良なのか、改悪なのかはまだ判断できません。

インストーラは Agama Installer と名付けられています。Agama とは、トカゲの意味の様です。

openSUSE Leap 16.0 preAlpha ファーストインプレッション_a0056607_15483362.png
Agama

https://en.opensuse.org/Agama

 まだまだ最終盤には程遠いので、不満点は不満点として指摘してもいいでしょう。





インストール

全体の流れ

全体の流れは動画でまとめました。(音出ます)




プロダクトの選択

ここで Leap16 か、Tumbleweed か MicroOS かを選択します。Slowrool という Tumbleweed と Leap の中間のようなシリーズが新たに加わりました。

おそらく SUSE Linux Enterprise 16 (SLE16) では、このスクリーンで SLES か SLED か、あるいは他のプロダウトになるのか選べる様になりそうです。

画面サイズによっては "Select" ボタンが隠れるので、下にスクロールさせないと表示されない。環境の問題ですけれどね



openSUSE Leap 16.0 preAlpha ファーストインプレッション_a0056607_13425011.png




Overview 画面

Overview の下に "Instration" の項目がありますが、"Users" だけ黄色のビックリ!マークが付いています。このリンクを開いて、ユーザ名とパスワードを設定すると、インストール開始のボタンが出てきます。インストールに必要なパラメータは、ユーザの作成とパスワードのみです。

最速、最低限の設定でインストールしたい場合は、Users の設定をして、デフォルトインストールができるわけです。まぁ簡単といえば簡単です。



openSUSE Leap 16.0 preAlpha ファーストインプレッション_a0056607_13453821.png



デフォルトでインストールしてしまうと、これでこの記事はおしまいになってしまうので、もう少しインストーラの変わった所を深読みしてみましょう。

Overview の左上の 三本線 を押すと、Overview, Localization, Network, Storage, Software, Users のインストールでカスタマイズできる各項目が出てきます。ここをチョコチョコとイジってインストールをカスタマイズします。


openSUSE Leap 16.0 preAlpha ファーストインプレッション_a0056607_13481587.png



インストーラ言語

右上の「⚙️歯車」ボタンを押すと、インストーラ言語の変更ができます。今回は言語もキーボードも US を選びました。

openSUSE Leap 16.0 preAlpha ファーストインプレッション_a0056607_13525054.png


デフォルトユーザと root

Define Users の項目です。利用するユーザ名とパスワードを新規に設定します。 root ユーザを使う場合はここで設定します。


openSUSE Leap 16.0 preAlpha ファーストインプレッション_a0056607_13570317.png

openSUSE Leap 16.0 preAlpha ファーストインプレッション_a0056607_13591368.png

 従来の openSUSE Leap や SLE では、パスワード設定の際にキーボードレイアウトチェックがありましたが、このバージョンではなくなってしまいました。安全ではないのですが、ここで設定するパスワードは、簡単な英数字のみにして、完全にインストールが終わってから複雑なパスワードに変更すべきかもしれません。


Localization の設定

 ここでデフォルト言語とキーボードタイプ、Time Zone の設定、システム全体を日本語にする場合はここで言語を日本語にします。ユーザごとに言語設定する場合は、ここは英語のままが良いでしょう。

openSUSE Leap 16.0 preAlpha ファーストインプレッション_a0056607_14015562.png


タイムゾーンの設定

 遺残の様に「地図クリック」方式ではなく、一覧リストから選ぶ方式です。また、ロケーションに合ったように、構内 NTP サーバーや、地元の ISP、国内のタイムプロバイダを選べないのでこれもインストールしたあとに設定が必要です。ローカルに NTP サーバがあるのであれば、自動的に検出してくれると嬉しいのですが、そのあたりはまだ不明です。

 Hardware clock set to UTC も省かれています。


openSUSE Leap 16.0 preAlpha ファーストインプレッション_a0056607_14060839.png



ネットワークの設定

ここではまだ IP アドレスが「明後日の方向」を向いています。まだ DHCP ,からリースされていない様子です。固定アドレスを設定する方法はないので、この時点でネットワークに接続されている必要があります。

ここでネットワークに問題が出ると、Overview 画面のインストールボタンが出てきません。


openSUSE Leap 16.0 preAlpha ファーストインプレッション_a0056607_14075661.png



Storage の設定

これを下に引き下ろすと、パーティションの構成をデフォルトから、好みのパーティション構成に変更することができます。
openSUSE Leap 16.0 preAlpha ファーストインプレッション_a0056607_14095671.png


Partitions and filesystems の右脇にある、「下三角▼」 を下ろすとパーティションの追加変更ができます。


openSUSE Leap 16.0 preAlpha ファーストインプレッション_a0056607_14144526.png


パーティションサイズを固定するか、範囲を決めてその中から適当にインストーラが設定するかを選べる様です。 

openSUSE Leap 16.0 preAlpha ファーストインプレッション_a0056607_14181348.png


/ (ルート)パーティションは BtrFS 、他データパーティションは XFS がデフォルトです。好みに応じて別なパーティションタイプに変更できます。

openSUSE Leap 16.0 preAlpha ファーストインプレッション_a0056607_14212254.png

パーティションの調整が終わりました、パーティションレイアウトと、フォーマットを確認して下さいs。

openSUSE Leap 16.0 preAlpha ファーストインプレッション_a0056607_14214239.png
Software

ここで選べるものは、デスクトップタイプと Multimedia と Office アプリケーションだけです。多分ここには追加されるソフトウェアがリストされることになるのか、それとも、 YaST であとからインストールするのか、そのあたりはまだ不明です。

openSUSE Leap 16.0 preAlpha ファーストインプレッション_a0056607_14231267.png

インストール開始


細かなインストールパラメタが決まったら、Overview 画面に戻って Install ボタンを押します。Install ボタンを押すと Comfirm ダイアログがでるので、ここで Continue を押して、インストールが始まります。

よくある「互換OST」にありがちな、「Install ボタン」 -->> 「いきなりインストール」ではなく、ワンクッション置いた所はやっぱり親切さを感じます。

openSUSE Leap 16.0 preAlpha ファーストインプレッション_a0056607_14262269.png
環境に寄りますが、10分から20分くらいでインストールは完了します。CD/DVD を取り除いて、再起動します。

openSUSE Leap 16.0 preAlpha ファーストインプレッション_a0056607_14275289.png

gnome デスクトップ

ログインしました。この時点では、表面的に openSUSE Leap 15 とあまり変わりはありません。


openSUSE Leap 16.0 preAlpha ファーストインプレッション_a0056607_14283540.png


YaST はまだ実装されていないようです。まさか無くなった! という事はないと思いますが、 zypper in yast しらら、外殻だけインストールされました。YaST のチームの中で Agama Project は進んでいるようです。

openSUSE Leap 16.0 preAlpha ファーストインプレッション_a0056607_14290225.png

まとめ

 openSUSE Leap 16.0 のα版の更に前の Pre Alpha が公開されていたので、インストールしてみました。今回の Leap 16 より大幅にインストーラのデザインと流れが変わりました。ある意味では「いま風」とも言えますが、かなり途中の細かなステップが省略されています。他のディストリビューションより悪く言えば古さと複雑さを感じた従来のインストーラ、良く言えば細かく設定できたけれど古さを感じた openSUSE のインストールが簡略化された感じです。他の大手互換ディストリビューションに近い流れになったとも言えます。

 まだ YaST が実装されていないので、何がどうなるのかわかりませんが、YaST GUI のデザインがどうなって、gnome のデスクトップにフィットするデザインなのかどうなのかが楽しみです。

 今のところ、リリースノートも出ていないので、 openSUSE Leap 16 がどのような機能が追加された、あるいは最新の機能になった、という情報もありません。しかし Linux のディストリビューションですから、リポジトリも含めたシステムとしてどのような機能、例えば AI に関する何か、みたいなものが追加されるのかもしれません。






by islandcenter | 2025-01-18 11:45 | SUSE | Comments(0)