NAS は Windows 系の Windows IoT か Linux、NetBSD などの Unix 系 OS を基本とする製品があります。一部のベンダーは、Linux は小規模 LAN 向け、Windows 内蔵版は大規模向けと謳っていますが、Windows 内蔵タイプのモノは、Windows それ自体が高いハードウェアの性能要求を求めるため、大企業むけで高価、高額なモデルが多い様です。
多くの Windows モデルの NAS は、悪名高い Windows Storage Server を内蔵したモデルが多く、お勧めできません。Windows Storage Server は、ライセンス費用を抑えるために通常の Windows Server の劣化版、モンキーモデルなのです。画面を繋げば Windows マンマのデスクトップですが、Windows Server とは似て非なるもので、機能も性能も大幅に落ちたものです。確かに Windows じゃん、という見た目なので Windows ネットワークに付け加えるには適しているように見えます。明らかに Windows サーバーとは異なる異常な挙動を見せたりして不安定で、苦しめられた記憶しかありません。
しかも、ライセンス費用もかかるし、Windows サーバー用のアプリケーションがそのまま動作するモノでもなく、ひどく使い勝手が悪かった悪い思い出しかありません。これなら、正規の Windows Server を入れた方がマシだよ、という目に遭います。
当たり前に一応 Windows ですから、アンチウィルス対策は必須です。それもサーバー用の高価なライセンスです。 NAS ベンダーがソフトウェアを提供しているわけではないので、マイクロソフトのサポート切れでリスクを抱えたまま使い続けなければならない可能性もあります。
結局 Windows ベースの NAS を購入するなら Windows Server そのものが動くサーバーハードウェアを導入した方が運用コスト面で安上がりじゃないかな、と思ったくらいです。
軽量な Linux 版 OS が入った NAS でも上位機種なら、OS のオーバーヘッドも少なく、ハードウェアの性能も高いですし、メディアサーバー、Web サーバー、多彩なバックアップアプリなど、オープンソースのソフトウェアの追加機能が豊富です。
Windows ベースの NAS OS を選ぶ積極的な理由は何もありません。
ファイルシステム
多くの NAS ベンダーは Lunux などの UNIX 系 OS を装備していますが、ファイルシステムはベンダーによりマチマチです。
例えば、QNAP は ext4 ファイルシステムを勧めているし、Synology は BtrFS を実装しています。ext4 Linux では昔から利用されてきた枯れた技術で、性能面では有利だと言われます。
BtrFS は、Copy on Write (CoW) のファイルシステムで SUSE Enterprise を始めとする、エンタープライズ向けの Linux のルートパーティションで使われるファイルシステムです。バックグラウンドでの fsck や CoW を使った削除ファイルの復旧、ロールバックなど、信頼性と運用可用性を求めるシステムで使われます。また、オンラインでの、パーティションの拡張/縮小ががファイルシステムレベルで対応しています。反面、性能面で問題があるとか、BtrFS のパーティションの空き容量が正確に求められないなどの欠点があります。
また、削除ファイルの復旧は、標準の吊るしの samba ではサポートされていません。これも、動作する NAS のシステムで標準でサポートされているかどうか、気になるところです。Qnap や Synology と言った主力メーカーのものは、おおよそファイルのゴミ箱機能がついています。
近年の NAS には大抵 iSCSI の機能がついています。今では Windows でも標準で iSCSI イニシエータがついているので、ナニコレ? って思った人もいるでしょう。
私が初めて QNAP の NAS を購入したのは iSCSI を使いたかったから。だからこの機能にはこだわりがあります。
SCSI は、最近聞かなくなりましたが、PCで扱うディスク等の周辺デバイスとの通信規格の一つです。主に、サーバーなどのハイエンドマシンの外付けHDDや Tape バックアップ装置を PC サーバーと接続するために使われてきたかなり枯れた技術でした。SATA 規格の親戚のアニキようなもの、と考えてください。SCSI は SATA より信頼性、つながるデバイスの数、ケーブル距離や速度面で優れていましたが、最近はパラレル SCSI に変わってシリアルの SAS が主力になりました。しかし SAS も SCSI の発展系のハードウェアの規格です。
普通はイーサネットケーブルでHUBを経由して繋ぐものですが、モノグサなお客さんの中には10GBポートを、PC と NAS に HUB を通さずピアピアの一本 CAT6 ケーブルでつないでもいいんじゃないの、と仰る方もいらっしゃいます。まぁそれもアリですけどね。シンプル・イズ・ベストです。モノいよっては SAS より速い。
iSCSI は、コンピューターと、ディスクなどの装置を IP ネットワークで繋ぐ仕組みです。性能はネットワークの速度に準じるため 1Gbps の標準的なお家ネットワークでは 1Gbps しか出ませんが、高速な 10Gbps HUB と NAS の 10G ポートに変えれば 10Gbps まで向上します。データセンターで使う場合は、 40Gbps などの、高速光ファイバーで繋いで使っているわけですね。
Intel x86 系 CPU と、組み込み用専用 SOC (ARM 系が多い)の二つがあります。x86 系 CPU を使う場合は、Windows 系組み込み OS だったり、Linux 系 Free NAS が使えるベアボーンなどがあります。x86 系以外の CPU を搭載している場合は、ほぼ Linux 系 OS を NAS 用にチューニングしてあるケースが多いようです。
Windows 系 OS を搭載している場合、親 Windrows のサポートが切れたらセキュリティアップデータも無くなることを考慮してください。私が愛用している古い QNAP TS-110 でもいまだにファームウェアのアップデートが落ちてくるので、こう言ったメーカーの製品は陳腐化したハードウェアでも安心して使えますね。
メモリ容量は?増設の可不可
データストレージとは別にキャッシュ用 DRAM を増設できるモデルがあります。増設できるかどうか、チェックしておきましょう。 HDD NAS の場合、DRAM キャッシュが効果を出します。速度と容量を必要とするなら、8Gバイト程度まで増設できると嬉しい。
LAN ポートは 2.5Gbase かどうか
LAN ポートは、 2.5Gbase の LAN ポートがついているかどうかが判断の分かれ目です。1Gbase ポートだけであっても、増設スロットに 10 Gbase のカードがオプションで付いていればその選択肢もありです。できれは、標準装備の有線ポートが 2.5 Gbase のものであれば良いでしょう。もっとも高速な LAN ポートが付いていても、HUB や PC、ルータが対応していないと意味がありません。そこで 2,5Gbase はまぁまぁの妥協点でしょう。
増設 PCI スロットの有無(10Gbase有線オプションの有無)
中程度以上のモデルでは、増設用の PCIe スロットが付いてくるものがあります。LAN 機材が 1G base でも、将来的には 10G base を導入することができます。100 Gb base のカードもあるくらい。
NAS で Raid 組んでるぜ、という諸兄でもやっぱりバックアップは欲しい。NAS に慣れると、NAS の中で作業をするようになり、全てのデータが NAS オンリーというのは非常に怖いものです。USB3、Thunderbolt などのポート経由で NAS 以外のディスクにバックアップが欲しいところです。バックアップの自動化ももちろんですが、オフラインでコールドバックアップできることが重要です。誤削除や上書き、ウィルスやマルウェア対策のため、バックアップが不活動の時にオフラインできるようにすると良いでしょう。
外付けの HDD の団地、タワーケースなどに、古くて余っている 3.5 Inch HDD などを突っ込んで、適時バックアップを取れるようにしておければ心強いでしょう。
コスト vs 性能のバランス: QNAP TS-433 はコストパフォーマンス重視で、4ベイ/2.5GbE 実装ありで家庭~SOHOに向いています。一方、UGREEN NASync の上位モデルは CPU 性能や LAN を含めた高速通信対応が充実していて、マルチメディア/映像編集用途にも耐える仕様。
忘れちゃいけないのが HDD の調達ですね。まず NAS を始めるにあたって、NAS キットには、手持ちの余った HDD でも入れてみるのが良いでしょう。
今の市況では、意外とサイズの大きな20Tbクラスの大容量 HDD がコスパは良いようです。どーんと 22Tb ✕ 2玉で豪勢にミラーディスクを組むのも良いし、ディスクの球数を増やして高速化させたいのなら、6Tb、8Tb クラスの HDD で大容量化するとコストパフォーマンスは良さそうです。(8T✕3発)+1発 Rai d で実質 24Tb ですか。これなら、Microsoft の OneDrive 1Tb の何年分でモトが取れるでしょうか。
NAS を始めるにあたって一番お金をかけるポイントが HDD なのです。
HDD容量別バイト単価(2025年夏)
容量
価格帯(目安)
バイト単価(目安)
20TB
約36,000円~
約1.8円/GB
10TB
約25,000円~
約2.5円/GB
8TB
約17,000円~
約2.1円/GB
6TB
約14,000円~
約2.3円/GB
4TB
約9,000円~
約2.25円/GB
2TB
約6,000円~
約3円/GB
1TB
約4,000円~
約4円/GB
NAS だから Westan Digital の RED シリーズじゃなきゃダメ、ということはないのですか、NAS ベンダーによっては指定したモデルのHDDじゃないと保証しない、とかふざけた事を宣う業者もいるので、そこは注意が必要ですね。また、熱くなる系の HDD ややたらカリカリが煩いダンゴ三兄弟のディスクかは要注意でしょう。