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openSUSELeap16 と SLE16 での YaST の終わりと代替方法


openSUSELeap16 と SLE16 での YaST の終わりと代替方法
 
 openSUSE Leap 16 と SUSE Linux Enterprise 16 から、従来使っていた,管理ツールの集合体・ YaST(Yet another Setup Tool) が非推奨になり従来の SUSE Linux15 シリーズからのアップデートに必要な互換性を残して別なツールに置き換わる事がほぼ決まっています。

 SUSE 系 Linux が SUSE らしい最大の特徴が Yast という管理者にとって万能のツールでした。

 SUSE 10 の時代から YaST に慣れ親しんだ Geek な人々も、この新しい波に飲まれてうまく大海を泳ぎ切らなければならないのですね。では、「YaST 命」で、コマンドラインをほとんど使わなかった「私のような」 SUSE Linux ユーザはどうすればいいのでしょうか。
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YaST の問題点

まず openSUSE Leap15. SLE15 に実装されている YaST の問題として次の点がありました。

1. 技術的な老朽化


- Perl と Ruby の混在
YaST は長らく Perl ベース → Ruby 化したが、内部的にはレガシーコードが残っており、メンテナンスが複雑。

- モジュール設計が古い
多数の独自モジュールがシステム設定ファイルを直接書き換える方式で作られており、systemd / NetworkManager / firewalld など新世代ツールとの整合性が難しい。


2. 維持コストの高さ

- 数百あるモジュールをすべて最新仕様に対応させるのは開発リソース的に厳しい。


- SLE 向けに保守する必要があるため、結果として「新しい機能開発は止まり、最低限のバグ修正にとどまる」=メンテナンスモードに入ってしまっている。


3. GUI とユーザー体験の限界


- GUI が古典的で、Web UI や Cockpit のようなモダンな UX に比べて見劣りする。

- リモート管理に弱い(VNC 経由などの工夫は必要だが、ブラウザベースのような簡便さはない)。


4. モダン Linux 管理との乖離


- 現在の Linux 管理の主流は systemd の統一 API や Cockpit のような Web 管理。

- YaST は「ディストリビューション専用ツール」の色合いが強く、SUSE 以外のユーザーやツールとの相互運用性が低い。

- “Infrastructure as Code”(Ansible, Salt, Terraform など)との親和性が薄く、クラウド/コンテナ環境では使いにくい。


5. インストーラとしての制約


- 従来の YaST インストーラは機能が豊富だが、そのぶん複雑すぎる、遅い、UI が古いという指摘が多かった。

- これが Agama インストーラへの移行の背景となっている。


6. エコシステムとしての停滞


- コミュニティ参加者が減少しており、新規モジュール開発や改善がほとんど止まっている。

- ドキュメントや国際化対応も新しい流れに追随できていない。


つまり

 「YaST は便利だが古くなりすぎ、クラウド・コンテナ時代の管理モデルと合わなくなっている。維持はしているが、新しい開発リソースを投下する余力がない」
人手不足はどこも同じで、古い設計を維持するには、古い技術を知っている人にコストをかけなければならず、新しい技術に人は割けない。だから新しい技術に資源を集中させるため、YaST をメンテナンスモードに持っていこう、ということになります。



YaST の今後(openSUSE Leap 16 / SLE 16 世代)

- 従来の YaST openSUSE や SLE で長年使われてきた統合管理ツール。ただし、Perl ベースでコードが古くなり、メンテナンスコストが大きい。また、クラウドやコンテナ中心の利用環境では「GUI で対話的に設定する」というワークフローがあまり合わなくなってきています。

- 方向性 SUSE の公式発表では YaST は「メンテナンスモード(保守的維持)」に入ります。つまり、大きな新機能追加は行わず、必要最低限の修正やセキュリティ対応のみが続けられる。

‐ 既存の SLE 15 系や openSUSE Leap 15 系では引き続き利用可能ですが、Leap 16 / SLE 16 では段階的に置き換えが進みます。


YaST モジュール別の代替/残存状況

以下、主な YaST モジュール/機能を取り上げ、それが Leap 16 上でどうなっているか、代替手段がどうかをまとめます。

YaST モジュール/機能
Leap 16 での状態
代替または残存するもの/備考
ソフトウェア管理 (パッケージの検索・インストール・削除・更新・リポジトリ管理など)
従来の YaST Software GUI は除外され、YaST スタックの一部として通常はインストールされない。新規インストールでは YaST パッケージは含まれない。openSUSE News+2openSUSE News+2

Myrlyn が “drop-in replacement” とされており、この領域を引き継いでいる。zypper(CLI)ももちろん使える。openSUSE News+2Linuxiac+2

インストーラ機能 (インストール時のディスクパーティショニング、ブートローダー、ファイルシステムの選択など)
従来の YaST インストーラは置き換えられており、インストール時の UI や流れは Agama インストーラがデフォルト。openSUSE News+2ザ・レジスター+2

Agama がインストーラとして機能。既存の YaST インストーラの機能の多くは Agama に移行。ザ・レジスター+2GNU Health+2
グラフィカルモジュール (YaST2 の Qt GUI モジュールなど)

Qt ベースの YaST2 GUI モジュールはほぼ機能しない/提供されていない。Leap 16 では Qt6 + 別構成になっていて、従来の Qtベース YaST GUI が動作しない報告あり。openSUSE Forums+1

GUI版 YaST の代替はほぼない。設定変更などは Cockpit やコマンドライン、既存の設定ファイル編集で対応。openSUSE Forums+2openSUSE Forums+2

システム管理設定 (ネットワーク、ファイアウォール、ホスト名、タイムゾーン、ユーザー管理等)

YaST のこれらのモジュールは逐次除外されてきており、標準で含まれていないか機能が限定的。openSUSE News+2openSUSE Forums+2

Cockpit が主な代替手段。ネットワーク設定、サービス管理、ファイアウォール、ユーザー管理などは Cockpit 経由で操作可能。CLI ツール(systemctl, nmcli, hostnamectl, etc.)や設定ファイル直接編集も使われる。openSUSE Forums+2openSUSE Forums+2

パーティショナー(ディスクのパーティショニング)
YaST のパーティショナー機能は、YaST に依存する古いモジュールが除かれており、特に GUI の YaST パーティショナーは標準には入っていない。openSUSE Forums+1

CLI ツール (fdisk, parted)、また GParted のような GUI ツール、あるいは Cockpit の機能(ディスク管理機能があれば)で代替。openSUSE Forums+1
Bootloader / ブート設定

YaST のブートローダー設定モジュールは YaST スタックの一部で、完全に削除されてはいないが、新規インストール時に YaST が無いので YaST 経由で設定をすることは基本想定外。openSUSE News+1

grub2 の設定ファイルを直接編集するか、CLI ツール(grubby など)を使う。Cockpit での管理機能があるか部分的。openSUSE Forums

言語/ロケール/キーボードレイアウト等の地域設定
これらの設定用モジュールも YaST のものは減少。標準 GUI デスクトップ環境メニューや systemd/localectl などが代替。openSUSE Forums
desktop 環境(GNOME/KDE)の設定ツール、localectl CLI、Cockpit などが使われる。openSUSE Forums+1

ログ/履歴/システムレポート等の監視機能
YaST の一部 “logs” モジュールなどは標準構成から外れていたり、限定的。全体を網羅するものではない。LWN.net+1
journalctl など CLI、また Cockpit 上でのログ表示機能などが代替になる。openSUSE Forums+1

ネットワークサービス/サーバー役割 (Samba, NTP, DNS, DHCP 等)
YaST モジュールのうち、DHCP etc のモジュールは YaST2-KeaDHCP flavor のようなものは不明/提供されていない。openSUSE Forums+1
Linux 標準ツール(dhcpd, Kea, systemd, etc)、Cockpitでの一部設定機能。ネットワークマネージャー (NetworkManager) なども関与。openSUSE Forums+1


代替手段およびその特徴


YaST の代替としては主に以下のツールや方針があります。


代替ツール / 方針担当領域長所と限界
Agamaインストーラ(OS の新規インストール時)を担当。従来の YaSTインストーラを置き換える。(planet.opensuse.org)新しい UI/体験。古い YaSTインストーラの設計制約からの解放。とはいえ、YaST のすべての高度なオプションがすぐに移行できるわけではない。
Cockpitシステム管理(サービス管理、ネットワーク、ファイルシステム、ストレージ、ユーザー管理など)、日常管理作業を GUI/Web から操作できるツール。(planet.opensuse.org)モダンでリモート管理にも強い。多くの基本管理作業は対応するが、YaSTのモジュールが持っていたような詳細設定・特殊なケースでは足りない場合あり。
Myrlynソフトウェア管理GUI(パッケージの検索・インストール/アンインストール・リポジトリ管理など)。YaST Software GUIの代替。(en.opensuse.org)YaST より軽量。依存関係が少ない。GUIでパッケージ管理をしたいユーザーにとっては比較的近い使い勝手。ただし、まだ成熟途上であり、YaSTのようなすべてのモジュール(例パターン管理、詳細なインストーラーの機能など)を完全に代替できるとは限らない。
CLI と設定ファイル操作基本的な管理操作(bootloader, network, firewall,etc.)は引き続きコマンドラインツール(grubby, systemctl, nmcli,etc.)、設定ファイル編集で対応。最も確実で自由度が高い。しかし GUIに慣れているユーザーには負担。間違いが起こりやすいためドキュメントやサポートが重要。


おそらく、ほとんどの YaST 慣れした openSUSe/SLE ユーザが立ち向かうう事になるだろう管理ツールの大幅な変更について、ざっくり ChatGPT なり Gemini なりに聞いていた結果をまとめてみました。






isLandcenter.jp
by islandcenter | 2025-09-14 11:51 | SUSE | Comments(0)
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