仮想化戦争、仮想化の決まり手は何だ?

OpenTechPress にこんな記事がありました。

XenによるFedoraの仮想化

残念ながら SLES 10 sp1 を使う上でこのような面倒なことはしなくても済むようになりましたが、細かな概念やへぇーというコマンドは使えるかどうか検証してみてもいいでしょう。

もっとも openSUSE でさえもこのレベルでしたからね。

一度やってみたいのは XEN上で Apache を動かして、あるいは IIS を動かしてどっちがパフォーマンスが上か? まぁ、今のところ完全仮想化である Windows +IIS というのはどう考えても不利なのは仕方がないでしょうか。

しかし、今年のはじめから突然の様に火が付いた仮想化戦争、もう来年あたりはオペレーティングシステム上で仮想化してアプリケーションを動かすということがあたりまえになってしまいそうです。

Windows Server 2008の仮想化機能がテスト可能に

レガシーな Windows 系のシステムを動かすには今のところ Windows に分がありそうですが、新しモノが好きな Linux 系ユーザは当面 XEN のお世話になることでしょう。

ただし、CPUは仮想化が前提で設計されているにもかかわらず、相変わらずI/Oは仮想化を前提として考えられていないところがあるので、来年以降、仮想化がブームになったとき、ハードウェアの設計、特にストレージ周りがポイントになってきそうです。ネットワーク面は改善の余地があるし、10Gビット系のシステムも射程圏内に入ってくるのはまもなくでしょう。

経験上、ハードウェアの故障は7割から8割がディスク周りの故障です。予防交換と称してCPUやマザーボードを交換することもありますが、明かにマザーボード系の故障はあまり経験がありません。

そうなると、耐障害性ということで仮想化を選ぶ利点は少ないといえます。ディスクを二重化しないと意味ないですからね。となると中小の組織ではあまり初期コストがかけられないということになります。もっとも中小企業でもファイバーチャネルを導入できるほど儲かっているところは別ですが。

また、ディレィが許されずレスポンスを求めるシステム、巨大なストレージを必要とするシステムも仮想化には向きません。巨大なDBシステム、メールサーバ、ファイルサーバなどは従来の方法で運用したほうがよいと思います。また、バックアップサーバ系の「余計なハードウェア」がくっ付いているシステムも仮想化には向きません。

今のところ、スタティックなコンテンツを扱うWEBサーバ、DNS、DHCPのようなデータベースといっても数百キロバイト程度のテーブルが扱えれば十分なもの、メールのウィルススキャンやアンチウィルスのパターン配布といったディレィの許されるもの。プリントサービスのような恒久的なデータを扱わない、スプーラ等は、仮想化される第一候補じゃないでしょうか。このテのシステムは設定が面倒なくせにバックアップからリストアしてもすぐ動くシステムじゃありませんので、ディスクイメージ丸ごとバックアップして移設できる仮想化システムというのはまさに夢のシステムです。

また、インターネットむき出しのシステムが序々に仮想化されるでしょう。インターネットアプリケーションの一部が攻撃されてサービスが停止しても、他のサービスには影響がないこと、ディスクイメージのバックアップからすぐにサービスを再開できること(パッチも当てなきゃいけませんが)非常に有利な運用が出来るはずです。

こういったサービスが、大型のDBサーバ、ファイルサーバなどから切り離されて、個々のサービスとしてかそうOSとして動作するような構成が来年以降流行しそうです。メンテナンス面でも有利ですからね。


非番のエンジニア
by islandcenter | 2007-09-28 19:33 | XEN | Comments(0)