2008年 06月 06日
Windows on SUSE Linux Enterprise Server 10 SP2 + XEN 3.2
前回は止めた方がいいとまで言った SUSE Linux + XEN 3.2 の環境ですが、冷静になってどこが変わったかをチェックしてみましょう。
今回は新規に Windows をインストールしてみました。
-Windows を PAUSE-
pause ボタンが有効になりました。
ちなみに Pause から Unpause すると、 Pause していた時間だけしっかり時刻が進みます。突っ込みどころがなくすごく賢いです。
ただし、たまにこの "PAUSE" の文字が出ない場合があります。 Virtulization Manager ではしっかり Pause しているのでだまされてはいけません。
-Detail から CD/DVD の変更ができる-
たしかにメディアの変更機能は便利になったという感じがします。何しろ操作が面倒でしたからこういったワンタッチの機能は改善されました。
ただし USB の自動認識機能はありません。これはちょっと残念でしょうか。
-xm save が使える-
xm save コマンドが有効になりました。ただし、GUI から xm restore の機能はないので、 xm restore はコマンドラインから実行する必要があります。間違えて RUN すると再起動してしまうので注意が必要です。
なるほど、これならWindows を Live Migration できるでしょう。
この点が SLES 10 SP2 + XEN 3.2 の最大の売りとなるポイントです。
-ショートカットキーが使える-
従来の XEN 3.0.4 では CTRL+ALT+DEL を押す場合、こわごわと CTRL+DEL を押して最後に ALTキーを押すとログインダイアログがポップアップしましたが、このバージョンではショートカットキーが用意されています。
どうせなら CTRL+ESC や ALT+ESC と言った OES2 NetWare でお馴染みのキーも使いたいところですが、新しいキーマップは登録できません。
-その他-
マウスポインタの動きが自然になりました。3.0.4 では X Window の上で動くマウスは時折妙な動作をしていましたが、マウスの使用感は自然です。
Windows をインストールする際はデフォルトで vcpu=2 となるようです。もっとも、テストで使用したPCが Dual Core なので、 Quad Core や Dual *2 のような環境では vcpu=MAX になるのかも知れません。
-Conclusion-
細かな機能については良くなった改善点があります、しかし、 XEN 3.0.4 で動作していた Windows のディスクイメージがそのまま動かないところがあるので SLES 10 SP1 上で XEN + Windows を構築している場合はアップグレードはお勧めできません。
ただし、新規にインストールする分にはテスト運用レベルでは不安定さを感じるけれども十分機能します。もう少しフィックスして欲しい場面はいくつかありました。特に Virtulization Manager の不安定な部分はフィックスしてもらいたいところです。これでは顧客には勧められません。
また、全体的にパフォーマンスが低下しているような気がします。ほとんど XEN 環境で Windows を使うのであれば、 Remote Desktop を使うはずですが、明らかにパフォーマンスの低下を感じます。 XEN のドライバではなく、Windows のプリインストールのドライバを使っているためで、ドライバの問題だと思います。安定して動作するドライバが提供されるのであれば、オッケーをだしてもいいところです。
SLES or OES NetWare + XEN 3.2 の環境では特に移行には問題ありませんでした。もしこれらのシステムをマイグレーションするのであれば問題はないでしょう。
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非番のエンジニア