2008年 10月 21日
VMware,Xen,Hyper-Vを比較,検証
「VMware ESX Serverは実績が多いが高価,Xenは注目されているがLinuxの知識が必要,Hyper-VはWindows標準だが検証と実績が課題」
宮原さん、実に短い言葉でまとめています。
例えばHyper-Vはエディションにより利用できる仮想インスタンスが異なる。またゲストOSのCALはすべてWindows Server 2008 CALが必要。バンドル版(OEM版)ライセンスを移行させることはできない。
確かにそのとおりで、Hyper-V は「お試し」や、セカンダリとしての仮想化ベースには役に立つ(これは ESXiにも言える) が初期導入には不向きです。
VMware で NetWare を仮想化してくれないかという話が私の所に舞い込んできたことがありますが、とても大掛かりな仕事になってしまうようであればコストに見合いません。 XEN + OES NetWare でちゃんと ipx しゃべるし。
と思っても Linux の知識を顧客に求めるのも厳しいものがあります。
惑わされていはいけないのは、 Windows 2008 ベースで仮想化した場合、その上で動く Windows 2008 サーバのメモリも食うということです。
Hyper-V だけであれば、それほどメモリ食いなわけではないでしょうが、最初の 2008 サーバはフルキット導入する必要があるだろうこと。それにはおそらくメモリ2Gとか使うわけで、さらに仮想化した場合、仮想マシンでは4G割り当てようかということで、合計6Gのメモリが必要となるわけです。
普通のミッドレンジサーバは8ソケット程度が普通ですから1Gメモリ8枚、8Gが最大搭載量となります。もっとも、もっと高価な4Gモジュールなどを使えば16Gとか32Gとか積めるわけですけど、その当たりのメモリモジュールはめちゃくちゃ高価なわけですね。
つまり、ミッドレンジサーバで Windows 2008 ベースの仮想化を実現しようとすると、いいところ2~3サーバしか走らないわけです。ということで4Uクラスの高級機を持ってくる。
まぁ、Windows は”そのうち重くなるから再起動しよう”ってことがよくあります。Linux でもそういうことがあるんでしょうけど高級機でさらにクラスタなどを前面に持ってくる。
もっとも DRP 対策なんてのは同じサーバルームにスタンバイ機があっても全然意味ないことだと見抜けない経営者はいません。ただ単にそれを売りたいというSI業者と、そういう技術にチャレンジしてみたいというエンジニアの自慰的行為なのです。
東京の本社のデータを愛知の工場でバックアップ取っているから意味があるので、世の中の90%以上の中小企業の方々には恥かしくて出せる提案じゃないのですね。
確かに、大手のデータウェアハウスにコンピュータを預けるべしという発送はありますが、自社のアプリケーションの問題を解決してくれるわけでなし。問題があれば川崎の山の中とかに出張にいかなければならない。せいぜい電気代とスペースが節約できたという結果しか残らないわけです。だから、もう少し気軽に使える仮想化は重要だと思います。
SI ベンダーさんにとってはそこが商売のネタなんですね。「仮想化しましょか、メモリ仰山積みまショか」って具合にです。とたんに見積もりが倍になる。Windows を仮想化するというのはIT業界全体にとって受注額が上がるというハッピーなことなんですね。
いや、DNS や DHCP などなら、2008 コアインストールでいいでしょう、という話になっても、あのコンソールだけでどれだけの設定ができるのか、それはそれで自虐的な楽しみです。
たった幾つかのサービスを仮想化するためにとんでもない仕掛けを用意することは本末転倒なわけですから、必要に応じた規模で仮想化は検討してもいいのではないでしょうか。
と思いますが。
仮想化無制限で1プロセッサ46万3000円から- Windows Server 2008 R2発表
非番のエンジニア