同じ仮想化製品でも単純には比較できない

VMwareとHyper-Vは「リンゴとニンジン」

あるオーストラリアの企業が VMware を使った仮想化に対して5万オーストラリアドルの見積もりを提示されたが、Microsoft の Hyper-V を導入したら僅か 49オーストラリアドルで終わってしまったという、マイクロソフトの公式ブログへの反論。

筆者は

この会社のケースを取り上げたブログや記事は、リンゴとニンジンを比較して、VMware ESXとHyper-Vのいわゆる価格差の問題を強調するPR目的で書かれたものにすぎないように見える。


と書いていますが、実際には、泥付きのにんじんと、桐箱入りのメロンとの違いみたいなものかも知れません。

仮想化は終わりではなく、始まりであると認識すべきです。最終形態として導入を検討すると失敗するでしょう。


Hyper-Vの入手方法やライセンスについて教えて!


という記事に Hyper-V を導入する際のライセンスの考え方や、購入の仕方が詳しく舞マイクロソフトの見解として載っているので参考になります。

そもそも Hyper-V はハイパーバイザーだけで、その上で動作するチャイルドに関するライセンスは存在しない。GUIもないから、将来的にデバイスドライバの組み込みやバックアップの必要性絵などを考えると最終的にはスタンダード版を購入することになるでしょう。ただし、推奨用件として2Gのメモリからということになるから、少なくとも単一のサーバマシンで Hyper-V を動かして一つの Windows をチャイルドとして動かそうとすれば、最低4Gのメモリが必要となり、ライセンスも2つ必要になってしまうということだ。しかも Standerd Edition では物理OS1つと仮想OSは一つだけ。

ひとつのマシンにわずか一つの仮想システムが動くというのもなんとも勿体無い話なわけです。

ということで、実際に使おうと思うと、Enterprise 版が必要なわけですね。これなら4台の仮想 Windows が動く。ただし4台が快適に動くためには最低10G推奨でメモリが必要でしょう。おそらく詰めるだけ積めというのが正しいと思います。

もちろん Quick Migration とか可用性を考えましょうね、だから2台必要だ、といわれた場合 Enterprise Edition も二つの物理サーバ分ライセンスが必要だということです。

クローズドソースで、無償のソフトウェアという考え方も、ベンダーの本気度が信用できない場合があります。自由に使える反面、公式なサポートルートがないまま、バグや不具合に悩まされても解決の手段がないということが最大の不安点です。結局正規販売されている製品を購入してサポートを受けたいというのがユーザ側としての心理でしょう。

だからXENがいいかというとそういうことではないと思います。泥付きにんじんと、ホウレンソウと桐箱入りのメロンを比べるようなもので、それぞれのニーズに合ったサイジング、技術を導入すればよいと言うことです。

少なくとも手軽さと実用性のはXENは一番バランスが良いだろうと、私は考えます。
by islandcenter | 2008-12-02 13:27 | XEN | Comments(0)