2015年 03月 20日
SUSE Linux の設定内容を一括して取得する supportconfig
※このツールは supportutils パッケージに含まれ、スクリプトは /sbin に作成されます。yast > software > supportu などで検索してチェック、インストールします。

sles11:~ # supportconfig
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Support Utilities - Supportconfig
Script Version: 2.25-290
Script Date: 2011 07 14
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Gathering system information
Data Directory: /var/log/nts_sles11_150320_1151
Basic Server Health Check... Done
RPM Database... Done
Basic Environment... Done
Basic Health Report... Done
- 中略 -
Hardware... Please Wait... Done
File System List... Skipped
Supportability Analysis... Please Wait... Done
System Logs... Done
Creating Tar Ball
==[ DONE ]===================================================================
Log file tar ball: /var/log/nts_sles11_150320_1151.tbz
Log file size: 3.0M
Log file md5sum: 94f89e144d882b151a9653c66a2c54f8
Please attach the log file tar ball to your open Service Request at the
following URL:
https://secure-support.novell.com/eService_enu
You can also upload the tar ball to ftp.novell.com/incoming, or just use
supportconfig -ur, to upload the tar ball automatically.
If you cannot attach the tar ball to the SR, then email it to the engineer.
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デフォルトでは /var/log/nts_HOSTNAME_MMDDYY_hhmm.tbz 形式で圧縮されています。
このファイルを取得して、資産管理や設定管理、サポートの基本情報とします。
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また、yast2 > Other > support に supportconfig の GUI 版があります。yast を使えば、容易に supportconfig ファイルを作成して、登録済みサブスクリプションに対して、カスタマーセンターのテクニカルサポートに必要なレポートを作り、suse.com のサポートにアップロードする事ができます。

ここで作成するレポートは、デフォルトで expert オプションが選択されています。特に必要でなければ Default オプションを使います。

supportconfig を作成するには、数分から十数分かかります。
作成が終わると「保存先(Default /root)」 と、アップロード先 URL を指定できます。アップロードをする必要がない場合は、アップロード先 URL のチェックを外します。
この他、 supportconfig の内容を html 化するツール(Supportconfig Analysis)が SLES12 以降にあります。
SUSE Linux Enterprise Server 12 管理ガイド
https://www.suse.com/ja-jp/documentation/sles-12/singlehtml/book_sle_admin/book_sle_admin.html
islandcenter.jp
キーワード
SUSE Linux Enterprise Server 11 SLES12 suooprtconfig 設定情報 一括取得
2015年 03月 17日
日本製ソフトウェアに未来はあるか:ガラパゴス化するソフトウェア産業
なんと、インストール用のソフトウェアやドキュメントと言ったディレクトリがDVDメディアの中で「インストール」などと日本語で書かれていた事です。

思わず天を仰ぎました。
セットアッププログラムなどが「インストール」というディレクトリにあるのです。通常だったら DVD:\setup などの英数字のディレクトリにあるのですが、このソフトウェア、なんと製品やドキュメントを収めたディレクトリ名、ファイル名が全部「日本語」なのです。
そこそこに名のあるソフトウェアです。同様なライバルのソフトウェアは世界中にあります。
この国産メーカーの製品には将来はないな、とすぐ感じました。例え日本で10%のシェアがある製品であっても、世界では1%にも満たないシェアしか取れません。例え日本で100%のシェアを取っても、製品自体が日本語にしか対応されていないので、それ以上、60億人が住む海外に市場を伸ばすことは不可能なのです。
逆に海外では5%しかシェアのない製品であっても、日本で爆発的に売れれば、海外ベンダーと言え日本法人を作ったり、ローカライズや日本国内でのサポートの充実を図ります。
APC-UPS(現在のシュナイダーエレクトリック)やVMWareなどが日本で販売開始された時はそれこそごく小規模に始まりました。ローカライズさえされていませんでした。
私は、ほぼ外資系製品を専門に扱ってきたため、若干のローカライズの不備などがあっても実用性に困ったことはありません。また日本語の情報が少なくても、一般的な高卒程度の英語の知識で情報を入手できるため、困ることはまずありません。
また海外製ソフトウェアは、基本的に海外のそれぞれのローカルタイムでサポートを行うため、「電話問い合わせ」が頼りにできない代わりに、セルフサポートが充実しています。製品サポートのための自発的なコミュニティもあります。オンラインでの情報が充実しています。
製品を利用する分母の規模が違うのです。
しかし、多くの「国産ソフトウェア」は、サポートが JST 9to5 です。製品サポートも、まずユーザ登録をしない限り受ける事ができません。事前評価の体制さえできていないケースが非常に多くあります。
分母が違うから、脆弱性の問題や不具合などは早い段階で指摘される。もっとも悪用されるのも早い段階である、という事もデメリットかもしれません。しかし分母が少ない製品では、そもそも脆弱性がある事自体発覚しない事もありますし、使っているミドルウェアをしっかり把握していないと、セキュリティ上の問題に気が付かないケースもあり得ます。
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よくある話なのですが、日本資本の、海外現地法人が、海外製ソフトウェアを導入して成功したサクセスストーリーを見かけます。ほとんどの日本のSIベンダーが海外で仕事ができない仕組みである以上、海外進出した日系企業の現地法人は、自然と海外製のソフトウェアを導入するしか方法がなくなるわけです。
そこでグローバル化した日本企業は、国産ソフトウェアの海外展開ではなく、海外製品を逆輸入して国内導入するケースは決して少なくはありません。
この様な状況で「日本国内に日本語でサポートを受けられる」事のメリットしかない国産ソフトウェア製品の多くは淘汰されて行くでしょう。
当然このソフトウェアは、海外に現地法人がある日本企業で使われる可能性は、絶対「あり得ない」と言い切る事ができます。
何しろ、海外製品は例え少ないシェアしかなくても分母が大きい以上、開発からサポートに至るまで豊富な経験を積み、グローバルで売れるため資金面もケタが違ってきます。ソフトウェアのライセンス料金も分母に従い多くの利益が出せて、いずれ、製品の価格や機能に還元されます。
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もし、このソフトウェアのハードコーディングされているメニュー部分を英語と日本語の両用対応にして、ヘルプとマニュアルを日英両方で書けば、それだけで簡単に英語版として出荷できるはず。メディアの中身まで日本語であれば、日英両方のメディアを作る必要があります。どう考えても、このソフトウェアベンダーが海外に進出しようという気持ちが見られません。悲しい事ですが、「どうせ日本というガラパゴス諸島で売れればいい」という意図が杜撰に見えてしまいます。
おそらく、このプログラムのソースコードもそれなりの言語でかかれているのでしょうが、コメントは全部日本語でしょう。元々海外言語にローカライズなど考慮の範囲外です。30年前のプログラムであれば、その様な開発も当たり前ですが、現代のグローバル時代に、グローバルを見据えていないパッケージソフトウェアに未来はありません。
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残念ながら国産で海外でも成功しているソフトウェア、ITサービスは、外資系日本産サービスの LINE とスーパーマリオを始めとするゲームソフト位しか耳にしません。
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別に海外製品を礼賛している訳ではありません。日本のソフトウェア、IT産業がグローバル化していない以上、日本の情報産業はますます特殊な市場、ガラパゴスな市場として特化するしかないのです。
多くのIT産業を志望する学生が「知っている日本のSIベンダーは?」と問われれば、いくつもの名が上がるのに対して、「知っているソフトベンダーは?」と問われて、ジャストシステム位しか思い浮かばない、というインタビュー記事を読んだことがあります。もっとも、日本の法令に従って、作らなければならない会計ソフトなどは、それなりに「日本」というガラパゴスの中で生き残る事はあり得るでしょう。
しかし、ネットワークという万民言語が使うシステム管理ソフトウェアが「日本語」にしか対応していないのは、もう完全に市場をあきらめています。
日本のプロプラエタリなソフトウェア開発者は所詮「日本市場」しか意識していないでしょう。その代り、優秀なソフトウェア開発者はオープンソースや外資系ソフトベンダーへ修飾する事が当たり前になります。
その事に気が付かず、「優秀なソフトウェア技術者を集められない」、と嘆く、ソフトベンダーの経営者は何か勘違いしているに違いありません。
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